ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 活性化ファンド・チャレンジ支援ファンド商品開発ストーリー集 > 牛首紬の技法・特徴を活用し伝統工芸品の新境地に挑む! ~(株)西山産業

本文

牛首紬の技法・特徴を活用し伝統工芸品の新境地に挑む! ~(株)西山産業

印刷ページ表示 更新日:2017年12月27日更新

    西山シルク×クロード ストール

   牛首紬の技法・特徴を活用し伝統工芸品の新境地に挑む!

     <平成27年度活性化ファンド採択事業>

事業名

 牛首紬の特徴を活かしたストールの商品開発と販路開拓

商品名

 西山シルク×クロード ストール

キャッチコピー

 玉糸が 優しく織りなす しなやかストール

開発の経緯

石川県の伝統工芸品の中でも稀少価値の高い牛首紬。旧白峰村(現白山市)で約800年前から受け継がれてきている玉繭から伝統の技で手挽きされた玉糸を使用し、熟練の職人の手作業で織り上げられる。それだけに稀少であると同時に高価なものになる。

しかしながら、日本人の生活様式の洋風化、多様化が進み、どんなにいい着物を作ってもなかなか売れない時代が長く続いている。そんな中で、牛首紬の伝統の技術を若い世代に継承していくためには、モノづくりを止めることはできない。

そうした技術を残していきたいとの同社の熱い思い入れで、10年ぐらい前から洋装の生地として使ってもらうことを模索し、フランスで毎年開催されるプルミエール・ヴィジョンに度々出展し、牛首紬の伝統の技の魅力を海外にも発信し、世界的なブランドにジャケット用生地として採用された実績もある。

その延長線上で、現代の生活の中で気軽に使ってもらえる商品開発に取り組んできている中で、アメリカNY出身で金沢在住のエヴリン・テプロフ・麦井氏(合同会社クロード 社長兼デザイナー)と出会い、彼女にデザインを依頼し、牛首紬の技法を用いたストールの開発がスタートする。

     ストール

商品開発面でのこだわり

牛首紬の特徴である玉糸のみで織り上げると、薄くて軽いというストール本来の風合いがなくなり、分厚いものになってしまった。そのため、ストール用に細い玉糸を作り、特殊加工した緯糸と混用することで、牛首紬の風合いでもある糸の節(でこぼこ感)もうまく表現しつつ、薄手の生地に織り上げることができた。

何しろ自然の糸のため、1本1本の太さが異なることから、例えば正方形を編み上げる場合に、本数を揃えても、織り上がるサイズがバラバラになり、きれいな正方形にならない。そのため、同じサイズになるように糸の本数を調整する手間と技術を要する。

その点はまさに熟練の職人技がなくてはクリアできない。と同時に、先染糸を織るため、織り上げてみないとどんな色味になるか分からない難しさがあり、色合わせには相当苦労したようだ。こうした課題をクリアしていくことで、伝統の技が次世代に受け継がれるとともに、様々な応用展開につながっていく。

このストールは、絹が持つ天然のタンパク質構造により、低刺激で、湿気を吸収しながら暖かさを保持するため、年間を通して快適に使用できる点も大きな特徴である。

     ストール

販路開拓への取り組み

同社は、これまで着物としての牛首紬を販売してきているため、呉服の卸問屋とのつながりは深いが、百貨店やセレクトショップとの関わりは皆無だった。そのため、石川県産業創出支援機構のサポートを受け、東京でのギフトショーに出展したり、日本橋三越での期間限定販売会等に参加する機会を得る。

ギフトショーに出展したことで、京都の呉服問屋からまとまった受注を獲得でき、県外の小売店との商談成立やオリジナル商品の受注を得ることができた。30年春のギフトショーにも出展予定で、これまでの経験から、牛首紬がどんな伝統工芸品で、どのようにしてこのストールが完成したのか、そうした工程が来場者に一目で分かってもらえるような効果的な展示手法を検討しているところである。

また、百貨店でただ商品を飾っていても、商品のストーリー性が顧客に伝わらないため、牛首紬を語ることのできる販売員をつけなければ、本当の魅力を伝えきれない難しさがあり、その点も販路開拓面での課題である。

     西山産業展示会ブース     西山産業 西山哲央氏

     展示会でのブース       繊維部課長 西山哲央氏

今後の方向性

「牛首紬の技術を残していくために従来にない新商品開発に取り組んできており、この商品の魅力を少しでも多くの人に知ってもらえるようなPRの仕方に知恵を絞り、売り方にも工夫していかなければ」と西山氏は力を込める。

現段階では海外展開は小休止中ではあるが、国内では少しずつ洋装向けの生地としても注文が入るようになってきており、海外展開にも近いうちに再チャレンジしたいと考えている。

世界的なブランドに採用されたことは、本物かつ高品質の生地であるお墨付きを得た証であり、これからも牛首紬にしか出せない生地の風合いや光沢といった質感を大切にしながら、キラリと光るオンリーワン企業・商品づくりに邁進していく強い思いを西山氏の言葉の端々に感じさせられた。

ネットの活用やファッション雑誌に取り上げられるような効果的な情報発信に取り組んでいくことが、さらなる販路拡大に向けての重要なポイントではないだろうか。

     ストール  

希望小売価格

 ストール 28,000円(税別)

販売事業者

 ・商 号 (株)西山産業
 ・住 所 〒920-2167 石川県白山市部入道町ト40
 ・TEL 076-273-2400
 ・URL http://www.hakusan-koubou.jp


いしかわ産業化資源活用推進ファンド事例集ViVOサイトへのリンク

じわもんセレクトサイトへのリンク

いしかわ商品カタログサイトへのリンク

店ナビいしかわサイトへのリンク