ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 活性化ファンド・チャレンジ支援ファンド商品開発ストーリー集 > 石川の新たな土産品として 九谷焼+地酒のコラボカップを開発! ~九谷百万石

本文

石川の新たな土産品として 九谷焼+地酒のコラボカップを開発! ~九谷百万石

印刷ページ表示 更新日:2018年1月19日更新

九谷焼酒カップ

   石川の新たな土産品として 九谷焼+地酒のコラボカップを開発!

     <平成28年度活性化ファンド採択事業>

事業名

 九谷焼の地酒酒器の新商品開発と販路開拓事業

商品名

 九谷焼酒カップ

キャッチコピー

 一献に 彩り添える 九谷焼カップ

開発の経緯

大正元年創業の九谷焼窯元『九谷百万石』五代目当主の吉田正一氏は、石川県伝統産業青年会議会長、九谷焼販売協同組合理事長などを歴任し、現在は石川県九谷陶磁器商工業協同組合連合会理事長を務める九谷焼業界のリーダー的存在。バブル崩壊以降、他の伝統工芸品と同様に九谷焼の業界も売上が激減し、倒産や廃業等で同業者は全盛期の半分以下に減少し、厳しい経営環境にさらされている。

そんな中、九谷焼の新たな用途開発に積極的に取り組んできている同社は、日本酒のカップ酒に使われているガラスのカップを伝統工芸である九谷焼に置き換えることで、石川県の新たな土産品にできるのではないかと考え、地元能美市の酒蔵である株式会社宮本酒造店と共同で商品開発をスタートさせる。

苦労した点

市販されている酒カップにはアルミのキャップがはめられ、その上からプラスチックのキャップが被せてある。酒カップと同じ形の九谷焼酒カップの試作品を作ってみたところ、飲み口部分の微妙な形状や、絵の具が飲み口に僅かに付着していたりするだけで、アルミキャップとプラスチックキャップをぴたりとはめ込むことができなかった。

また、九谷焼酒カップに描いた絵柄と生地との間に空気が入り、うまく焼成できなかったため、釉薬そのものを新しいものに替えるなど試行錯誤を繰り返し、九谷焼技術研修所のアドバイスも受け、ようやく九谷焼酒カップができあがる。その九谷焼酒カップに試験的に水を入れて封をした時は問題なかったが、いざ殺菌処理後の熱したお酒を入れたところ、微妙に膨張することが分かり、それについては株式会社宮本酒造店の知恵と経験でクリアすることができた。

現在は職人の手描きで1個ずつ制作しているが、九谷の転写技術を用いることで、ある程度まとまった量の生産にも対応できる。

九谷焼酒カップ 九谷焼酒カップ

こだわり

九谷焼をはじめとした伝統工芸の焼物を酒器にした商品は、ウイスキーやお酒の干支シリーズなどで作られているが、いずれも高額な商品であることから、もっと手軽に九谷焼を使ってもらう商品の一つとして、九谷焼酒カップの商品化に取り組んだ。

一般的なカップ酒は300円前後で販売されているのに対し、販売価格をいくらにするか・・・。九谷焼の流通ルートで考えると、この九谷焼酒カップ本体だけで2000円以上になる。そこに日本酒を入れて付加価値をつけ、気軽に買ってもらう商品にするため、2500円(税別)という価格設定に落ち着く。

今は株式会社宮本酒造店の『夢醸純米酒』を入れ、霊峰白山と銀彩の絵柄のものを販売しているが、県内には多くの酒蔵があることから、それぞれの酒蔵のお酒を入れ、個別の絵柄にすることで、差別化された土産品のシリーズにすることも可能だ。

九谷焼酒カップ 九谷百万石 店内

九谷焼酒カップの売り

九谷焼酒カップは、お酒を飲んだあと、いろんな飲み物を飲むフリーカップや一輪挿しの花瓶、箸やペンを立てる容器としてなど、使う人の自由な発想で、様々な使い方ができる。このように飲んだ後の容器が、日々の生活の中で利用できる点が、九谷焼酒カップの魅力でもある。

近年は、女性が日本酒を飲むようになってきているとはいえ、従来のコップ酒を飲むのは抵抗があるだろうが、九谷焼酒カップならオシャレで抵抗なく飲めるというメリットも・・・。今春の九谷茶碗まつりで試験的に販売したところ60個あまり売れたという。

現状と今後の方向性

九谷焼の業界も職人の高齢化、後継者難が大きな課題になっている。中でも業界用語でハンコと言われるスタンプのように型押しする職人が高齢化しており、九谷焼技術研修所の協力を得て若手の育成に取り組み始めているが、職人は窯元から仕事の発注がないと育たないため、互いの協力体制を確立していくことが大きなポイントになってくる。

また、行政が伝統工芸の産地活性化に対する支援策を講じる際、全ての業界に対して一律の条件を付けがちだが、個々の業界ごとに課題が異なるため、それぞれの産地に応じて臨機応変に活用できるよう、各産地の組合に対してその産地の実情に即した支援策を講じてもらえるよう見直しを依頼しているとのこと。

ここへきて独特の感性でモノづくりに取り組み、斬新な作品を世に送り出している若手作家たちが散見されるようになってきている。そうした若手作家のモノづくりに刺激を受け、現代の生活空間で使ってもらえる商品づくり、観光みやげ品や九谷焼酒カップのような新しい九谷焼の方向性を打ち出すべく日々研鑽を積み、将来的には石川県内の酒蔵に留まることなく、県外の酒蔵にも使ってもらえる九谷焼酒カップに育てることが吉田氏の目指すところかもしれない。

吉田 正一 代表​ 九谷百万石 店舗
     吉田 正一 代表            店舗外観

販売価格(税抜)

 1個 2,500円(税抜) 重さ約400グラム

店舗概要

 ・商 号 九谷焼窯元 九谷百万石
 ・〒923-1111 石川県能美市泉台町西107
 ・TEL (0761)57-0337
 ・URL  http://kutani100.ocnk.net/


いしかわ産業化資源活用推進ファンド事例集ViVOサイトへのリンク

じわもんセレクトサイトへのリンク

いしかわ商品カタログサイトへのリンク

店ナビいしかわサイトへのリンク