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西洋のシンブルと九谷焼の技が融合し、新しい九谷焼の小宇宙が誕生!! ~株式会社九谷陶泉

印刷ページ表示 更新日:2017年12月26日更新

九谷焼の指貫

西洋のシンブルと九谷焼の技が融合し、新しい九谷焼の小宇宙が誕生!!

<平成26年度活性化ファンド採択事業>

事業名

 『世界初!コレクター性の高い九谷焼の指貫(Kutani Art Thimble)』の新開発及び販売展開事業

商品名

 Kutani Thimble (九谷シンブル)

キャッチコピー

 幸せ届ける あなただけの お気に入り

*Thimble(シンブル)とは・・・西洋で古くから使われている裁縫道具の指貫のことで、その豊かな表情から世界中にコレクターがいる。また、ヨーロッパでは女性のお守りとして祖母から母、母から娘へと受け継がれる幸せを招く道具として伝わっている。

開発の経緯

株式会社九谷陶泉の創業は1860年代の江戸時代後期、150年以上の歴史を有する老舗である。現在の同社は、関東や関西の大手有名百貨店との商いで確固たる地位を築いている。遡ること15年あまり前まで金沢市内に本社を構えていたが、山元茂雄社長が還暦を迎えたのを機に、現在地の小松市河田町に拠点を移し、創業地でもある古巣・小松市に戻った格好だ。最近では、九谷焼のガチャガチャがマスコミで取り上げられた話題の企業でもある。

そんな山元社長がヨーロッパに家族旅行に出かけた際、たまたまスペインのプラド美術館の土産物コーナーに飾ってあった、白地にPRADOの文字が入った小さなシンブルが目に止まり、30個ほど土産に買い求めて来た。それからしばらくして、石川県産業創出支援機構が支援する活性化ファンドの存在を知り、このシンブルに九谷焼の絵付けを施し、新たな商品として世に送り出すことを思い立つ。そこで、長年商品を扱ってきている地元のベテラン、若手の作家たちに声をかけ、自由な発想で絵付けを依頼したのが始まりである。

九谷シンブル

新規性

指貫は日本にも昔からある裁縫道具だが、西洋のシンブルは形状も違えば素材も異なり、日本人にはあまり馴染みがない。スペインから持ち帰ったシンブルが、単に西洋で裁縫道具として使われているだけであれば、そこから発展することはなかったが、山元社長がいろいろ調べてみたところ、指貫としての用途だけでなく、女性に幸せを招くアイテムとしてヨーロッパ各地のシンブルを集めて楽しむコレクターが世界中にいること、ヨーロッパには世界的なシンブル協会があり、2年に1度世界大会まで開催されていることを知り、商品開発が加速する。

「たまたま土産品として購入したことがきっかけで、瓢箪から駒が出る的な偶然の産物で、まさかこんな展開が待っているとは思ってもみませんでした」と顔をほころばす。

九谷シンブル

こだわり

当初は、スペインから持ち帰った現物を生地を作る職人に見せて、それを模倣する形で試作品を製作したが、実際のシンブルより一回り大きく、指にはめるとぐらついてすぐ落ちてしまったため、大きさも実際に使えるサイズに近づける修正を重ねた。

加飾については、同社がこれまで扱ってきている九谷焼作家23名に絵付けを依頼。ベテランの作家が描いた伝統的な絵柄のものはトラディショナルラインと銘打ち、価格も1個1万5千円から。一方、新進気鋭の若手作家の感性から生まれたものはコンテンポラリーラインと銘打ち、価格も1個5千円からと差別化を図っている。

商品化にあたっては、石川県産業創出支援機構のアドバイスもあり、実用新案登録を取得している。

九谷シンブル 九谷陶泉 山元社長

              山元茂雄社長

販路の現状

これまで同社が取引している高島屋、伊勢丹で販売されているほか、東京ビッグサイトで開催されたギフトショーの石川県ブースに出展したところ、NHKの国際放送の取材を受け、海外にも紹介される。そのギフトショーで同社の九谷シンブルを目にした東京の大手書店から都内の店舗で扱いたいとまとまった注文も舞い込む。と同時に、石川県産業創出支援機構の販路開拓のサポートと相まって、口コミとネットの拡散力で商品の魅力が喧伝され、同社にとってはありがたい状況が生まれている。

さらに、今年アメリカのナイアガラで開催されたシンブルの世界大会に出品しないかと、京都西陣の有限会社遠藤染工場から同社に声がかかる。その会社は糸だけ販売しても付加価値がつかないため、株式会社九谷陶泉のシンブルと自社の糸を使い、ドアノブやバッグに飾るタッセルを目玉商品とし、世界大会でお披露目した。

今後の方向性

こうした取り組みから派生し、シンブルの上部に猫の造形をくっつけた商品や、来年の干支である鳥の造形を載せたものなどを試作。さらには2020年の東京オリンピックに向け、新たな創作の構想がどんどん広がっている。

従来まで、こうした造形物を上に載せる際、どの程度の大きさのものを載せると全体のバランスがいいか、何回も試作を繰り返し、最終的な石膏型づくりに至るまで2~3ヶ月を要したが、石川県工業試験場の3Dプリンターを活用することで、試作から石膏型づくりまでの工程が10日前後にまで短縮できるようになった。

「誰も持っていない、希少価値、収集する楽しみといった付加価値がついたことと、県のサポートをいただいたおかげで、これまでの九谷焼にないユニークで話題性のある商品が生まれた」と山元社長はさらなる飛躍に期待を込める。

九谷シンブル 九谷陶泉 山元社長

販売価格

 ・トラディショナルライン  1個 15,000円から
 ・コンテンポラリーライン  1個  5,000円から

会社概要

 ・商 号 株式会社九谷陶泉
 ・住 所 〒923-0053 石川県小松市河田町オ18
 ・TEL (0761)47-5399
 ・FAX (0761)47-5422


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