本文
するめ香る 手作りいかせん!!
<平成26年度活性化ファンド採択事業>
◇事業名
能登小木いかのペーストを生地にした「いかせんべい」の商品化
◇商品名
能登いか煎餅
◇キャッチコピー
するめ香る 手作りいかせん!!
◇開発の経緯
能登町で観光旅館を営んでいた浅井和平社長が、遡ること7年前に旅館経営を親族に譲り、自身は能登小木港で水揚げされる新鮮な船凍いかを内外にアピールできる商品開発に着手する。
これまでいしるに代表される調味料的な使われ方をした商品はあったものの、いかそのものを商材として使った商品がなかったことから、いかの中に自家製の生姜味噌を詰めた「いか鉄砲焼き」を皮切りに、「いか一夜干し」「いか糀漬け」「するめ糀漬け」「いか刺し」を商品化してきた。
これらの商品の中でも一番の売れ筋である「いか鉄砲焼き」は、いかのゲソを使わないため、大量に出るゲソを有効活用して新商品ができないか、それがいか煎餅開発に取りかかるきっかけとなる。
◇こだわり
試作品づくりに取り組み始めたものの、いかの風味を出すことが最大の難関で、生のゲソをたくさん入れても味が淡泊で、いか煎餅にはほど遠かった。「当初は、煎餅ぐらいなら自分たちにもできるだろうと甘く考えていましたが、いざ取り組んでみると予想以上に難しく、なかなか納得いくものにならなかった」と浅井社長の長男で工場長の英輝氏は振り返る。
そこで、石川県産業創出支援機構に相談し、専門家の派遣を受け、第一弾の試作品はできたものの、商品としての安定感に欠け、割れやすかったり、風味や歯ごたえの面でまだ納得できなかった。再度専門家のアドバイスを得るため、菓子メーカーで煎餅を焼いていたベテランの職人を招聘。煎餅の生地づくりから見直し、干すことで風味が凝縮されたするめにしたゲソを入れることで、いか特有の風味がふわっと感じることができ、焼き方も一度だけでなく、海老煎餅でも用いられている二度焼きをすることで生まれる独特の食感と相まって、ようやく納得できる「能登いか煎餅」が平成27年5月に誕生した。
◇二度焼きの手法
1度目の焼き入れで半生状態に焼き上げたものを半日あまり乾燥させ、乾燥したものを再度オーブンで焼くことで、生地が膨らみ食感も変わってくる。生のゲソをそのまま焼くと堅くて食べにくいため、ゲソを一旦干してするめにし、細かく粉砕したものを生地の中に60%あまり練り込んであることから、いかの風味を存分に堪能できる。
専門的な知識のない中、試行錯誤を繰り返し、2度にわたって専門家の指導を受け、ようやく商品化にこぎつけた自信作だけに、能登を代表するお土産に育てることが浅井工場長の目下の目標である。
◇課題と方向性
現在この「能登いか煎餅」は、能登各所にある道の駅、能登空港、近江町市場、銀座の石川県アンテナショップで販売されている。同社の「いか鉄砲焼き」や「いか一夜干し」は三越伊勢丹のギフト商品として販売されており、同社の浅井社長が東京での展示会に出展した際、百貨店のバイヤーの目に止まったのが縁で採用されたとのこと。「能登いか煎餅」は、一枚一枚手焼きで仕上げているため、現時点では大量生産に対応できないことから、ネットでの販売は行っていない。
最近では、海外の販路開拓にも積極的に取り組んでおり、ジェトロの支援を得て香港やシンガポールへ浅井社長が売り込みに出かけている。さらに、東京の有名料理人の一行が能登の食材でメニューを開発するため能登を訪れた際に同社にも立ち寄り、その中で小木の新鮮ないかに目を付けた料理人とのコラボレーションで、するめを粉砕したものに能登の海藻などを入れたオリジナルのふりかけも誕生している。能登小木の船凍いかの美味しさを世に広めるべく、いか一筋に邁進する和平商店である。
小木漁港 浅井英輝 工場長
◇販売価格
能登いか煎餅 1袋5枚入り 480円(税込)
◇会社概要
・商 号 株式会社和平商店
・住 所 鳳珠郡能登町字小木18-55
・TEL 0768-74-0055
・FAX 0768-74-0089
・URL http://www.noto-wahei.jp/