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お米農家の味わう本みりん「のみりん」
<令和2年度いしかわ中小企業チャレンジ支援ファンド採択事業>
◇事業名
コシヒカリ由来の豊かな旨みが伝わる本みりんの開発と販路開拓事業
◇商品名
本みりん「のみりん」
◇岡元農場のいま
江戸時代から続く米農家である有限会社岡元農場は能美市内に点在する35ヘクタールの農地で、水稲と加賀丸いもを栽培。代表の岡元豊さんが平成9年に法人化し、新時代の農業経営に舵を切る。それまでに地元の小学校で米作りの講話をしたことをきっかけに、田植えや加賀丸いもの植え付け作業の体験を通じ子供たちの食育にも取り組んでいる。「25年前に農作業を体験した児童がお父さんお母さんになり、今年はそのお子さんが授業で訪れるようになりました。」と嬉しそうに語る。
最近では食生活の欧米化が進み、ご飯の消費量が減少していたことから、ご飯を楽しく食べてもらいたいと料理専門家を招き飾り巻き寿司教室を開催し、親子で楽しく料理して食べる体験の場を創出している。
◇本みりん開発の経緯
岡元農場が米の出荷袋を製造依頼していた取引先が、江戸時代から続く三河みりん製造の老舗・九重味淋の営業担当者を伴って農場を訪れ、岡元農場のお米でみりんを商品化することを提案される。通常、みりんはもち米で作られるが、九重味淋はうるち米でもみりんを製造する特許を有していることから、岡元農場の自信作である特別栽培米コシヒカリ、国内産の醸造アルコール、国内産の米麹を原料に、第一弾となる「本みりん」が平成31年3月に完成する。
購入したお客さんから高評価を得たことから、全てをお米にこだわろうと醸造用アルコールではなく国内産の米焼酎を使い、品質風味ともに全て米由来原料へとグレードアップさせるべく、いしかわ中小企業チャレンジ支援ファンドを活用して第二弾「本みりん」が出来上がる。
その本みりんの完成品を谷本知事に報告した際、試飲した知事から「本みりんを本みりんで売ってどうする!ネーミングを考えなさい!」とアドバイスされる。そこで一念発起し容器は調味料白角瓶から緑スリムボトルへ変更。変更したことで日焼けなどによる風味劣化も防ぐだけでなく見た目にもスタイリッシュな感じになり消費者ターゲットも明確化。ラベルもデザイナーと何度も作り直し渾身の作品に。そしてネーミングも「のみりん」と命名。当地「能美」市の発信と調味料としてだけではなくそのまま「飲み」で味わって楽しめることをアピールしている。
第一弾 本みりん 第二弾 本みりん「のみりん」
◇のみりんの特徴
岡元農場の特別栽培米コシヒカリは、有機肥料を100%使用し、農薬は70%以上削減して栽培しているため、大量生産はできない貴重なお米。最上級のお米を原料に、九重味淋の仕込み蔵にて4か月じっくりと時間をかけて熟成されて完成する。添加物は一切使用せず、お米由来の上品な甘さと芳醇な香りでさらっとしているにもかかわらず、余韻を感じさせるコクが特徴。江戸時代には夏バテ予防の栄養ドリンクとして飲まれていたと言われている。
市販されているみりんは「本みりん」と名がついていても、糖類などを足しているものがほとんどで、そのまま飲むことはできない。「のみりん」は、炭酸水で3~4倍に割り、柑橘果汁を絞って飲むのがおススメ。料理が楽しくなる美味しい本みりんとして、食の逸品コンクール「料理王国100選2021」にも選ばれる。
◇岡元農場の3つの約束
【育てること】いつも喜びと感謝の心を忘れず、汗を流して大地を耕し種を蒔き、絶えず人々の幸せを祈り、すべてのことに感謝しながら生産する。
【届けること】安心で安全で美味しい、お米と加賀丸いも、そして笑顔をお届けする。
【繋げること】お米づくりを通して、人々の健康と農業のあり方を考え、生産者ならではの美味しい食べ方を伝える。
販売促進の面では、コロナ禍のため展示会や商談会がなくなり、のみりんをアピールする機会が限られてはいるものの、ステイホームが続く環境下にあって、いいもの、本物への消費者の関心は高く、製造すると即完売の人気ぶり。こうした岡元農場の信条に感銘を受け、お客さんはもちろんのこと、取引先の輪が広がりを見せている。長男が農学部を卒業し、今は東京の流通業界で研鑽を積んでおり、16代目へのバトンパスに向け家族一丸となって邁進中の岡元家である。
岡元 豊 代表取締役
◇会社概要
・商 号 有限会社岡元農場
・住 所 能美市福岡町ロ184
・代表者 代表取締役 岡元 豊
・TEL 0761-55-0668
・URL https://okamotonojo.com/