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「香り」「とろみ」「甘み」にこだわった 能登のころ柿のお酒 ~ 株式会社サカイダフルーツ

印刷ページ表示 更新日:2021年3月17日更新

「香り」「とろみ」「甘み」にこだわった 能登のころ柿のお酒

 

     <令和元年度いしかわ中小企業チャレンジ支援ファンド採択事業>

事業名

 能登・志賀ころ柿を活用した新リキュールの開発と販売促進事業

商品名

 能登のころ柿のお酒

石川県が14年の歳月を費やして育成したブランドフルーツ「ルビーロマン」を使ったロゼワインやスパークリングに続き、石川県が開発した新品種りんご「秋星」を使ったお酒を商品化してきている(株)サカイダフルーツが、フルーツのお酒第3弾となる能登・志賀町の特産品・能登ころ柿を使ったリキュール「能登のころ柿のお酒」を発売。商品化に取り組んだ同社の小池田一孟取締役業務部長にお話を伺った。

ころ柿 能登のころ柿のお酒

旗ふる八百屋がコンセプト

26歳で入社した小池田さんは、中央市場の仲卸の仕事からスタートし、早朝から忙しく元気に働く市場の人たちに感化され、自らも早朝からお客さんのために汗を流すことの気持ちよさを実感すると共に、「八百屋という仕事の真の魅力に気付かされた。」と述懐する。

そんな思いを発信したいと考え、自社のホームページのコンセプトを「旗ふる八百屋」と銘打ち、フラッグをワンポイントに、野菜や果物の生産者を応援し、お客さんに地元の野菜や果物の魅力を発信したいとの熱いエールが感じられる元気なホームページに刷新。

新鮮で美味しい野菜や果物を販売することで、それを食べたお客さんもその美味しさが分かる、新鮮な物=美味しいという単純明快な方程式が成立し、商品を販売することでお客さんに喜んでもらえ、こだわりの生産者にも笑顔が生まれる八百屋という商いの魅力に惚れ込んでいる。

サカイダフルーツのロゴ 

サカイダフルーツのスタッフ

地元産フルーツを加工商品に

2015年の北陸新幹線の開業に合わせ、石川の新たなお土産品にしたいとの思いで、県の活性化ファンドを活用し、ルビーロマンのワイン・スパークリングを商品化。それに続いて新品種りんご「秋星」のお酒を商品化するなど、地元の果物とお酒を掛け合わせた新しい商品を生み出してきている。

そうした中、第3弾として志賀町のころ柿を使ったお酒づくりにチャレンジすることに。若い人たちは、地元志賀町のころ柿を知らない人が多く、干し柿というカテゴリーの商品を食べる人が少なくなってきている。干し柿は高価なこともあって、日常的に売れるというより御歳暮などのギフトで使われる商品のため、何とか身近な商品にできないだろうか、そんな思いがころ柿を使ったお酒づくりに取り組むきっかけ。まずはお酒を飲んでみてもらい、気に入ってもらえたら干し柿そのものも食べてみたいと関心を持ってもらえる方向に持って行きたいと考えた。

実は新品種りんご「秋星」のお酒を造った際、ころ柿でもやってみようと試作したそうだが、その時は商品化に至らず、5年間あまり思いがくすぶり続けていたという。一昨年、改めて商品化に向けてチャレンジすべく、地元の中村酒造(株)とのコラボレーションで取り組みがスタートする。

ルビーロマン ころ柿 ころ柿のお酒

ころ柿のとろみ感にこだわる

柿を使ったリキュール類は既に市販されているものの、干し柿を使ったリキュールは知る限りなかったことから、そもそも作れるのだろうかという不安もあった。干し柿をお酒の中に浸けておく時間、アルコールの分量をいろいろ変えてみたり、お酒の種類を変えてみたり、さまざまな実験的試行錯誤を繰り返し、味、香り、飲んだ後の余韻など、いかに干し柿の魅力を引き出すか、「苦労と言うよりも、ああでもない、こうでもないと非常に楽しい作業だった。」と振り返る。

とりわけ、ころ柿特有のとろっとしたとろみ感を出すことに注力し、大量生産する大手メーカーであれば完全に果肉を濾過し、さらっとした商品に仕上げるところだが、限定生産で数量も限られることから、あえて漬け込み段階でお酒の中に崩れて入った干し柿の果肉を残すことで、干し柿特有のとろみ感を演出することにこだわった。

サカイダフルーツ店舗

お酒ではあるが、コンセプトはお土産品

通常、日本酒の300ml瓶の販売価格は千円前後であるが、高級品のころ柿を使っていることから販売価格は1本1650円に。「お酒の商品という捉え方ではなく、ころ柿のお土産商品の一つとして提案することで、ころ柿の価値が分かっている顧客にアピールしていきたい。」と力を込める。同社ホームページ、めいてつエムザ地下1階の本店、道の駅などで購入できる。甘くてとろっとしたころ柿の風味がしっかりとするリキュール「能登のころ柿のお酒」を是非お試しあれ!

「能登のころ柿のお酒」が好評だったことから、次なる商品開発にも取り組み、梅酒を配合した「ころ太郎と梅子」を商品化。日本酒ベースのリキュールは、飲んだ後に甘みが残ることから、もう少しすっきりとした飲み口の方がいいとの顧客の声を受け、日本酒ではなく焼酎をベースにした干し柿シリーズ第二弾である。ドライな飲み口に梅酒を加えることでほのかな甘みをプラスしている。

こうした地元のフルーツを使ったお酒を商品化することで、(株)サカイダフルーツは、野菜やフルーツを販売するだけでなく、地元産品に付加価値をつけた加工商品開発にも取り組む企業であることをアピールすることにもつながればと考えている。

能登のころ柿のお酒と、ころ太郎と梅子

コロナ禍にあってドライブスルー販売を実施

同社の主要取引先は、百貨店と飲食店のため、令和2年はコロナ禍で売上にも大きな影響が出ている。そんな中、東京の八百屋がドライブスルー形式で野菜を販売しているニュースを目にした一孟さんは、これなら自分たちにもやれると即行動を起こし、令和2年の4月から5月にかけて、新鮮な野菜と果物を詰め合わせて、1箱3千円のドライブスルー方式で販売したところ、多い日で1日に100台以上の利用があったという。

令和3年に入り、首都圏が緊急事態宣言下になったタイミングで、ドライブスルー販売を再開して欲しいとの要望を受け、2回目のドライブスルー販売を実施したとのこと。

サカイダフルーツのドライブスルー販売 サカイダフルーツのドライブスルー販売

生産者と消費者をつなぐパイプ役

近年、道の駅などで、野菜のパッケージに顔写真を入れた農家の顔が見える販売方法が多くなっているが、一孟さんとしては、それだけでは消費者の方がピンと来ないと感じている。農家の人たちの並々ならぬ野菜づくりにかけるこだわりや日々の農作業の大変さなど、もう一段階掘り下げた形で生産者である農家と消費者をつなぐ役割を果たせないか模索中。そんな思いの一つとして、農作業風景を撮影してきて、その動画を売り場で流しながらお客さんに生産現場の空気感を伝えることもやり始めている。「何事も実際に体験してみると、思い入れが全く違ってくることから、農家の協力を得て親子で農業体験的なイベントも企画してみたい。」と笑顔に。

農家も野菜も未来に連れて行く、旗ふる八百屋として、生産者との人脈を広げながら、加賀野菜や地元産フルーツの認知度アップにつながる情報発信ならびに商品開発にと、新しい時代の新しい八百屋のあり方を追求する一孟さんの取り組みが大きく花開く日はそう遠くなさそうだ。

農作業風景 サカイダフルーツ 小池田 取締役 
                 小池田 取締役

会社概要

 ・商 号 株式会社サカイダフルーツ
 ・住 所 金沢市武蔵町16-10
 ・代表者 代表取締役  小池田 均
 ・TEL (076)260-6112
 ・URL https://sakaidafruits.com


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