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食卓に豊かな福を呼ぶ ふぐ出汁茶漬け ~ 有限会社エー・ケー・フーズ

印刷ページ表示 更新日:2021年12月9日更新

食卓に豊かな福を呼ぶ ふぐ出汁茶漬け

 

     <令和2年度いしかわ中小企業チャレンジ支援ファンド採択事業>

事業名

 水揚げ日本一を誇る「能登ふぐ」を使った日本一美味しい「ふぐ出汁茶漬け」の開発と販路開拓事業

商品名

 日本一美味しい ふぐ出汁茶漬け

有限会社エー・ケー・フーズは、咲季亭の店名で、金沢市で20年以上前から、新鮮な旬の食材を使い、お店で手作りすることにこだわった会席弁当の専門店として知られる。同社代表取締役の西谷信江さんは、最近になって、能登沖で水揚げされるふぐの漁獲量が日本一であることを知る。地元の人にはあまり知られていないことから、日本一の漁獲量を誇る能登ふぐの美味しさを地元の人たちに知ってもらいたいとの思いで、能登ふぐを使った出汁茶漬けの開発を思い立つ。

ふぐの調理は手間がかかる上に、コロナ禍が人手不足に拍車をかけている地元の旅館や料理店などで、ふぐの出汁を簡単に使えるよう、業務用(出汁と薬味)と一般販売用(ご飯付き)の冷凍食品の開発をスタートする。日頃から会席弁当の製造を手がけていることから、知り合いのふぐの調理師免許を有する料理人にアドバイスをもらいながら試作を繰り返し、ふぐならではの豊かな香りの出汁スープに、炙った切り身、彩りの薬味、あおさなども入れ、出汁スープの味を微調整しながら納得のいくふぐ出汁茶漬けが完成し、試食会では異口同音に「美味しい」と大好評を得る。

咲季亭の会席弁当 咲季亭の会席弁当 咲季亭の会席弁当

二度に分けての解凍が必要に

出汁と薬味の業務用の販売では特に問題はなかったが、次のステップとして、一般販売用商品であるご飯付きのふぐ出汁茶漬けを冷凍販売するため、容器を探していく中で、コンビニなどで麺類が上下に分けて入れられている丼型の二段容器を使うことに。下にはふぐ出汁のスープを入れ、上段の容器にはごはんと具材、薬味を入れて冷凍する。

ここで問題になったのは、ごはんや具材が500Wの電子レンジの場合、4分半で食べられる状態になるが、冷凍された出汁のスープはさらに3分温めないとお茶漬けとしてかけられる温度に達しないこと。そのため、パッケージ全体をまず4分半温めたところで、上部のご飯と具材の入った容器のみを取り出し、出汁の入った下の容器をさらに3分温めてもらう二段階の解凍が必要になる。レンチン商品は、一定時間温めることで簡単に食べられることが売りであるが、解凍時間の違いから二度手間が発生するという課題が。

ふぐ出汁茶漬け ふぐ出汁茶漬け

卸すことの難しさ、冷凍食品の利点と難しさ

発売当初、スーパーマーケット カジマートやJA金沢市ほがらか村 本店に商品を納めていた。冷凍食品は賞味期限が長く、冷凍庫に保存しておけばいつでもレンジで温めて食べられる利点がある一方で、店舗に卸す場合は、自社での販売価格に各店舗のマージンがプラスされて1,000円近い売価となり、なかなか売れにくい現実に直面する。

もう一つのネックは、能登のふぐを使った商品として、能登地区の道の駅や旅館のお土産にもぴったりなのだが、何しろ冷凍食品のため日持ちはするが、持ち帰るとなると、クーラーボックスなどの保冷容器が必要となり簡便ではなく、宅配便を使うとクール便を使わざるを得ないことから、送料の1,000円余が販売価格にプラスとなり、さらに高くなって売りづらくなるという課題もあぶり出されてきた。

ふぐ出汁茶漬け

販売しやすく、買いやすいレトルト化も研究中

スーパーの店頭でも、お土産品でも、まとめ買いしやすいパッケージや価格帯の商品にすることを考えた場合、現在のご飯を付けた冷凍食品とは別に、ふぐ出汁のお茶漬けのスープと具材をレトルトパック化し、常温保存できる形にすることが、手軽に購入してもらうための近道ではないかと検討中。とはいえ、レトルト食品づくりは未知の分野のため、レトルトパックにするための製造方法やレトルト技術について専門家に相談し、どのような進め方がベストなのか、これからアドバイスを受け、方向性を検討することにしている。

レトルトパックになれば、道の駅、スーパー、温泉旅館のお土産コーナーなど、どこにでも置いてもらえ、価格帯も500円~600円前後に設定できれば、販路がぐんと広がる可能性が高く、その方向を模索し始めたところ。

ふぐ出汁茶漬け

 

売れる商品へもう一工夫

同社では20年以上にわたり、手作り会席弁当を柱に、ハンバーグ、ステーキ、旬の野菜等々のフローズン商品も豊富に品揃えている。そうしたフローズン技術を応用し、今回の「ふぐ出汁茶漬け」の開発に取り組んだが、販路ならびに販売方法を考えた時に、冷凍食品だけではなく、レトルト商品にしたものもラインナップに追加できれば、利用する用途が広がり、販路が増え、置いてもらえる場所もあちこちに想定できることから、咲季亭の新たな看板商品に育つことが期待できる。

レトルト商品化に向けて取り組むにあたり、これから様々な課題や壁にぶつかることは想像に難くないが、これまでの経験と英知を発揮し、実現に向けて邁進してもらいたい。

 

西谷信江社長   ふぐ出汁茶漬けパンフレット 
 西谷 代表取締役

会社概要

 ・商 号 有限会社エー・ケー・フーズ
       (店名 咲季亭)
 ・住 所 金沢市玉鉾3-48
 ・代表者 代表取締役 西谷 信江
 ・TEL 076-292-3324
 ・URL 咲季亭 https://saki-tei.com/


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