本文
能登の新鮮な海の幸を特製味噌で漬け込んだオリジナル味噌漬け「極漬」を商品化
<平成26年度活性化ファンド採択事業>
◇事業名
能登半島で獲れた魚を使用した味噌漬けの開発
◇商品名
魚屋さんの極漬
◇キャッチコピー
特製味噌で 能登の魚が 激ウマに!
◇開発の経緯
能登半島を代表する漁港の町、能登町宇出津に創業から104年を数える老舗魚店(株)したひらがある。同社4代目となる下平真澄取締役は、県内はもとより関東・関西方面の寿司店や料理屋への魚の卸、店内での食堂営業、さらに2014年からは能登町内の山間部を行商して回る移動販売を月曜~金曜日の5日間行うなど、両親と共に奮闘する日々を送っている。
そんな中、近年はほとんど水揚げされることが少なくなったが、子供の頃に食べたメダイの味噌漬の美味しかったことが今も忘れられず、自分の手であの美味しい味噌漬けを復活させたいと思い立ったのが、魚屋さんの極漬を商品化するきっかけである。鮮度抜群の能登の魚を特製味噌で漬け込んだ加工食品事業を手がけるにあたり、取引銀行に相談したところ、いしかわ産業化資源活用推進ファンドの制度を知り、早速申請をし、平成26年度の同ファンドに採択される。
◇商品開発面での課題
何と言っても親子4代にわたり100年以上も魚屋を営んできているだけに、魚の目利きは他の追随を許さないだけの自信が売りである。とはいえ、食材となる魚は日々の漁獲量で価格が大きく左右されるため、仕入れ価格が日々変動し、加工品の価格設定に苦労する。
と同時に、味噌漬けの原料となる魚が大量に水揚げされた時は、それに伴って卸業務も多忙となり、県内外への発送作業に追われるため、加工品を製造するところまで手が回らず、時間がないという壁に直面する。そのため、魚の仕入れ価格の上限を決めたり、通年安定して仕入れることができる魚種に絞ることで、販売価格の問題を何とかクリアする。
◇こだわりの製法
これまで、ハタハタ、カマス、メダイなどの味噌漬けも作ってみたが、価格面で折り合いがつかないことから現在は製造しておらず、今はスルメイカ、サワラ、甘エビ、真ダコ、めがらす(イカの口)など5商品を販売している。
味噌漬けに使用する味噌は、かねてより取引のある金沢市大野のヤマト醤油味噌の白味噌を使用。一般的な味噌漬けはどうしても食べた時にアルコールを感じることから、同社ではアルコール分を完全に飛ばした純米料理酒と甘めの白味噌、本みりん、ごく少量の魚醤を独自の調合でブレンドし、文字通りしたひらオリジナルの味噌床を仕上げている。
◇安全・安心へのこだわり
鮮度が命の食品のため、3~4日あまり味噌に漬け込んだあと、できあがった商品は真空パック詰めされ、冷凍庫で保存している。県内外への発送に際しても温度管理が徹底されているクール(冷凍)便にて発送している。製造工程で合成保存料等は一切使用していない。
◇現状と今後の方向性
商品化以降、ISICO主催のビジネスマッチングに出展したり、ふるさと納税の返礼品として、少しずつ販売が増えてはいるが、価格帯がスルメイカで1パック680円(税別)と高めなため、なかなかスーパーの店頭で販売できるものではない。
一年余り楽天市場に出店してみるも、月々の経費で売上が飛んでしまう厳しい状況が続き、現在は出店していない。それでも、ネットの可能性は十分認識しており、首都圏の顧客をターゲットに能登の新鮮な魚の味噌漬けを発信し、ギフト商品として、新たな市場を開拓することを目論んでいる。
と同時に、地元においていかに販路を開拓していくか、価格面、商品の見せ方、商品の魅力をいかに消費者にアピールしていくか、解決しなければいけない課題が山積しているが、下平氏の若さと能登を愛する情熱が、必ずや道を切り拓くに違いない。
◇希望小売価格
めがらす味噌漬焼き 680円(税別)
甘えび味噌焼き 1100円(税別)
真たこ味噌漬焼き 780円(税別)
いか極漬 680円(税別)
甘えび極漬 980円(税別)
◇販売事業者
・商 号 (株)したひら
・住 所 〒927-0433 石川県鳳珠郡能登町宇出津ト字5-1
・TEL 0768-62-0078
・TEL 0768-62-3533
・URL https://shitahira.com/