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女性目線・主婦目線で塗師屋女将の本領を発信 ―ストーリーのあるモノづくりがコンセプト- ~藤八屋

印刷ページ表示 更新日:2017年12月20日更新

輪島塗の器 輪島塗の器 

女性目線・主婦目線で塗師屋女将の本領を発信 ―ストーリーのあるモノづくりがコンセプト- 

<平成24年度活性化ファンド採択事業>

事業名

 技術の融合による「NEW WAVE」ブランド展開事業

商品名

 漆布地を使用した輪島塗の器「NEW WAVE」

藤八屋 藤八屋

キャッチコピー

 「温もりある器で 心からのおもてなし!」

開発の経緯

2012年2月、食の祭典「Cook It Raw」が石川県で開催された。その際、ビストロの世界のトップシェフと地元の工芸家がコラボレーションして器を創作。そしてその器に料理を盛り付けるというCook It Rawの大会に藤八屋も抜擢された。“日本海に昇る朝陽”を本朱(カーマイン)と“日本海に沈む夕陽”をうるみ(ワインレッド)の彩漆で上塗。この“デザインは、日本海に昇る朝陽”と“日本海に沈む夕陽”がコンセプトで、「NEW WAVE」というネーミングは、次々と寄せ来る新しい波、そしてもうひとつ、純永さんが輪島塗に抱く新しい波動が根底にある。形状の異なるウェーブは木地職人がひとつ・ひとつ丹念に手作業で削り出すことでなめらかに表現されている。

漆に顔料や彩粉(チタン粉を染料で染色した)を朱合漆に調合することで、うるみ・洗朱・白・芥子・若草・緑・青緑・など彩漆が調合され、その漆で上塗することにより、カラ―バリエイション豊かな『NEW WAVE』が誕生。平成24年度石川県産業化資源活用推進ファンドの認定を受ける。

新規性

一口に輪島塗と言っても、職人の技術レベルで大きく異なる。その一例が、洋にも対応した皆好椀(皆に好まれる)や口好椀(口当たりが良い)を手にするとすぐ解る。その椀は、上縁から底に至るまで最大限薄く削られていて、親指と人差し指で椀を挟んでみると互いの指の圧力を感じられる極薄さだ。ここまで薄くしても堅牢さは兼ね備えている。藤八屋の工房には伝統工芸士が4名在籍、そんな職場は稀で、技術の高さの証左でもある。この薄さで底広のモダンなお椀は、スープ類は勿論、前菜からデザートまで多様な楽しみ方ができる。

従来のように汁碗は汁碗としてしか使えないという常識を覆し、自由な発想で気ままに使えるテーブルウェアシリーズを展開している点が同社のモノづくりの真骨頂。また、同社の商品は、いずれも最低4色(黒・本朱・洗朱・うるみ)の彩漆で塗られ、彩漆選びの楽しみがある。同形でこれほど多様な彩漆展開をしている点も同社の特徴と言える。

藤八屋 藤八屋

希望小売価格

 NEW WAVE (直径24cm) 36,000円(税別)

販売方法

輪島本店、工房長屋店、ならびに東京ショースペース「MONOVA」(新宿パークタワー OZONE4階)で購入できる。

こだわり

藤八屋の商品には全てストーリーがある。その原点となったのは、純永さんに長男が誕生した時、輪島病院からプラスチックの箱に入ったへその緒を渡された。へその緒は、お母さんのお腹の中にいる時にへその緒を通じ、赤ちゃんに栄養や酸素を送る形ある唯一の絆で、母と子にとって何より大切な宝物。そんなへその緒がプラスチックケースに入っているのを残念に思い、輪島塗で臍帯納箱を作りへその緒を入れた。その時から純永さんの女性ならではのモノづくりがスタートした。今では輪島病院で生まれた赤ちゃんには輪島塗の臍帯納箱に入ったへその緒が贈られている。これは輪島市に働きかけた純永さんの努力の賜物。このように、いずれの商品もコンセプトとストーリーを明確にし、真意を語りかける、女性ならではの視点が心にくい。​

藤八屋

課題と方向性

輪島塗の販売実績が低迷する中で将来を考えた時、若い人たちにいかに輪島塗を使ってもらうかが最大の課題である。そのためには、まず輪島塗の魅力を認知してもらう情報発信が不可欠であり、同時に若い人が欲しいと思う商品開発が鍵を握る。若者はブランドの財布やバッグ、洋服には高額なお金を使うが、一万円の輪島塗のお椀はなかなか購入しない。どちらも丹誠込めて作った品だが、この違いは何なのか。本物の魅力を正しく理解さえしてもらえれば、日本人の魂に訴える事が出来るはず。そうした観点から、若い人たちに実際に輪島塗を日常生活で使ってもらい、感じたことをモノづくりにフィードバックし、時代が求める商品開発に繋げていく試みをスタートさせた。

その一例が、丸の内朝大学の地域プロデューサーの輪島塗チームに参加し受講生との交流を深め、彼らの外から見た輪島塗に対するアドバイスに真摯に耳を傾け、輪島塗地元チームと何らかの形で輪島塗の新しい取り組みにつなげるべく、試行錯誤中だ。と同時に、お客様のどんな些細な声をも、明日の新たな輪島塗のブランド構築に繋がると信じて耳を傾け、輪島塗をベースに「藤八屋」をブランドとして確立すべく積極果敢な攻めの戦略に余念がない。

藤八屋

 塩士 純永さん

会社概要

 ・名 称 藤八屋

 ・住 所 輪島市河井町1-28-3

 ・TEL (0768)22-0770

 ・URL http://www.tohachiya.com


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