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無添加ひとすじ~本物の加賀野菜の美味しさを食卓へ~
<平成24年度活性化ファンド採択事業>
◇事業名
加賀野菜を旬の時期だけでなく、1年を通して食べたい!!
加賀野菜を使用した長期保存可能な商品開発と販路開拓
◇商品名
金沢の創作料理 加賀野菜シリーズ
「加賀太きゅうりのあんかけ」「源助大根のポタージュ」
◇キャッチコピー
「食べてみまっし!!金沢のおふくろの味!」
◇開発の経緯
金沢市民の食卓に欠かせない伝統の味である佃煮。地元の人なら誰もが知っている佃の佃煮でお馴染みの佃食品(株)は、昭和21年の創業以来、原料へのこだわりはもちろんのこと、安全・安心を第一に掲げ、保存料・化学調味料・着色料を一切使用しない昔ながらの無添加の商品づくりを貫いてきている。
遡ること10年あまり前から、地元特有の農産物である加賀野菜に着目し、これらを使った商品開発をスタート。これまでかぼちゃ、金時草、れんこん、さつまいもを使ったプリンや加賀野菜スープ、金沢カレー、治部煮などをレトルト商品化してきている。今回、「加賀太きゅうりのあんかけ」ならびに「源助大根のポタージュ」を商品化し、平成24年度石川県産業化資源活用推進ファンドの認定を受ける。
◇新規性
加賀太きゅうりのあんかけは、金沢の夏を代表する家庭料理であるが、太きゅうりの収穫時期が限られていることから、旬の時期からはずれると食べることができなくなる。そこで、一年を通していつでも食べたい時に食べられる商品開発を思い立ち、同社の調理技術とレトルト技術を活用し、今回の商品化にこぎつける。太きゅうりに続いて源助大根を使ったポタージュが今春から店頭に並んでいる。
レトルト食品は、顧客が食べる直前に湯煎または電子レンジで再加熱する。とりわけ太きゅうりは、袋詰めの段階で仕上がった状態だと、レトルト加工時(再加熱)に太きゅうりに火が通りすぎ型くずれしてしまう。そこで、レトルト加工時(再加熱)した段階で丁度良い柔らかさになるよう、袋詰めする前段階の理想的な火の通り加減を試行錯誤の末に見出した努力の結晶とも言える。
源助大根のポタージュ
◇こだわり
先述のとおり、商品を無添加で製造するため、調味料も全国から昔ながらの製法で作られているものを厳選している。また、同社の工場は、2010年に金沢市の保健所から『金沢HACCP』の認証を受けており、徹底した衛生管理が行われている。
この取材に対応いただいた大矢場副部長は、総菜管理士の有資格者でもあり、商品の衛生ならびに品質管理に日々目を光らせている。新商品開発の最終段階では、開発スタッフだけでなく、佃社長も加わって最終試食を行い、時には何度もやりなおしになることがあるほど厳しいチェックにパスしたものだけが商品として店頭に並ぶ。
◇調理方法
レトルトパックのまま5分間湯煎するか、別の容器に移してラップをかけ電子レンジで1~2分温めるだけで食べられる。
◇希望小売価格
加賀太きゅうりのあんかけ 1袋230g 368円(税込)
源助大根のポタージュ 1袋180g 389円(税込)
◇販売方法
金沢市内の当社売店または同社ホームページからの購入(送料別途)も可能。
◇課題と方向性
加賀太きゅうりのあんかけは、水溶き片栗粉でとじてあるため、暖かい季節は問題ないが、気温が下がる冬場は、白く固まることから、その改善策を目下研究中とのこと。加賀太きゅうりは、スーパーの店頭で、1本100円前後で販売されていることから、「価格がちょっと高いかなぁ」という声もあるようだが、同社としては、北陸新幹線の開業を見据え、加賀野菜を使った金沢土産として売り込み、首都圏の百貨店にも並べたい考えだ。さらには、お年寄りのデーケア施設や老人ホームなどでおかずとして使ってもらえるよう販売ルートの開拓も検討している。
「原料となる加賀野菜にこだわり、調味料も昔ながらの製法のものにこだわった商品づくりは、どうしてもコストが高くつくため、販売価格が割高になってしまいますが、創業以来の無添加ひとすじへの当社のこだわりを、お客様に理解していただくことにこれからも力を注いでいきたい」とこだわりのモノづくりを強調する大矢場氏である。
大矢場 和恵 企画開発部副部長
◇会社概要
・商 号 佃食品株式会社
・住 所 金沢市大場町東828
・TEL (076)258-5545
・FAX (076)258-5548