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規格外品の加賀棒茶を粉砕加工し、自然に還る・巡る・癒しのお香に ~ 合同会社球体光学研究社

印刷ページ表示 更新日:2022年12月21日更新

規格外品の加賀棒茶を粉砕加工し、自然に還る・巡る・癒しのお香に

 

<令和3年度 いしかわ中小企業チャレンジ支援ファンド採択事業>

事業名

 石川県産加賀棒茶を活用したお香の開発並びに九谷焼茶香炉と
 組み合わせた新しい香りの楽しみ方を提供する販路開拓事業

商品名

 お香と九谷焼製香炉セット「環香 (WAKA)」

開発の経緯

地元のインクメーカーで16年社長を務めたのち、モノづくりの情熱が冷めやらぬ松浦宏明氏は、合同会社球体光学研究社を設立。2020年6月、加賀棒茶の香りが非常に香ばしいことに興味を持ち、製茶工場を見学した際、焙煎工程で機械からこぼれ出る棒茶の端材が破棄されると聞く。不適格品として破棄されるお茶も成分は同じ。加熱、香りというキーワードから、その端材を活用し、加賀棒茶の香りを活かしたお香にできるのでは?との発想に至る。

加賀棒茶の端材 加賀棒茶を粉砕 加賀棒茶を粉砕後にプレス加工

棒茶をお香にする商品化の道程

前職の時代から様々な試験研究で石川県工業試験場の開放試験室を活用していたことから、早速加賀棒茶の端材を固めてお香にする試作に取り掛かる。最初は焙煎する前の生の棒茶の茎部分を粉砕し、プレス加工で固めようとするも、焙煎前のものは固形化できなかった。コーヒー豆でも試すが、焙煎前のものは固形化できない。焙煎の工程で熱をかけることで、茎に含まれる糖分とアミノ酸がメイラード反応を起こし、これによって高分子化合物が合成され固形化できることが分かる。

メイラード反応の有無で、固形化の可否が決まることが分かり、特許を申請。加賀棒茶の粉砕後の粒径、プレス圧、加圧時間等々を組み合わせ、お香を楽しむ最適な温度、香りの持続性を左右する密度、内部への熱伝導性等について実験を重ね、約1年を要して商品化。お香と香炉の総称である「環香」をこのほど商標登録した。

九谷焼香炉 九谷焼香炉 九谷焼香炉

火を使わないヒーターの開発

香炉については地元の伝統的工芸品である九谷焼にこだわったが、火を使わない安全な香炉にするため、超小型面ヒーターの開発に取り組む。お香を焚くには200度前後の熱が必要となるが、コンセント式だと持ち歩けない。使いたい時にどこでもお香を楽しむには、誰もが持っているモバイルバッテリーを利用することを思いつく。

限られた面積内で所定の温度まで上がるNI~Cr(ニッケルクロム)の配合割合、線の配置密度、シリコンラバーヒーターとステンレス板の接着剤、W(タングステン)密度などの設計を繰り返し、50×55ミリの超小型ヒーターが完成する。火を使わないことから安全性が高く、ホテルや旅館の客室やフロントなどで、お香の香りでおもてなしができる。スマートフォンのアプリと連携させれば、スイッチのオン・オフも自在のため、遠隔操作も可能。

ヒーター 九谷焼香炉 九谷焼香炉セット

今後の方向性

地元の伝統的工芸品である九谷焼に拘り、なおかつ作家の手による一点物のため、販売価格が25,000~35,000円と高価で、事業者や富裕層が主なターゲットの商品になっている。商品として一般の人が気軽に買えるリーズナブルな価格にすることが最重要課題。既に量産化に向けて金型を製作し、手頃な価格で購入できる試作品に取り組んでいる。

香炉の蓋の取っ手部分に干支のオブジェを付けるバリエーション展開することで、自分の干支の香炉なら欲しいとの購買意欲を刺激する。さらに、白地の香炉に絵付けや金箔を貼るといった体験販売も視野に入れ、提携してもらえる店を探しているところ。またヒーター部分の仕入価格もかなりウエイトを占めていることから、小型軽量化を進め、価格も抑える方向でメーカーと交渉中。さまざまな企業努力を積み重ね、販売価格を1万円程度にまで抑えることができれば、観光土産品としての販路やネット通販の道も拓けるに違いない。

環香(わか) 松浦宏明代表

             松浦宏明 代表

会社メモ

 ・商 号 合同会社球体光学研究社
 ・代表者 松浦宏明
 ・住 所 小松市芦田町2-50-1
 ・TEL 0761-24-4071
 ・URL https://waka-ishikawa.jp


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