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日本最大の椅子再生工場の技術力を駆使し、廃棄・廃番品をアップサイクルした再生品に!
~ 株式会社 エフラボ
<令和6年度 成長戦略ファンド採択事業>
◇事業名
業務用家具の補修・製造過程で出る廃棄品再販システムの構築
◇商品名
C・LABO
◇キャッチコピー
REMADE IN 能登
◇再生品販売に取り組んだ背景
2007年、業務用のイス、ソファ類の補修・修理に特化した椅子再生専門工場として、七尾市中島町で創業した(株)エフラボ。現在では、本社工場のほか、首都圏の需要に対応する山梨工場をはじめ、全国に137社の協力工場を有する日本最大規模の体制を誇る。そんな中で、特注のソファやOEM生産も手掛けるようになり、受注量の増大に伴い、様々な理由での廃棄が増大し、保管する倉庫の確保や廃棄費用が大きな課題に。数多のメーカーの製品を扱っている中で、未使用の新品やカタログ落ちしていく廃番品が次々と発生し、そうした廃棄品が倉庫に溢れる状況に直面し、これをうまく再生し、欲しい人にリーズナブルな価格で販売できないかという思いが木村工場長の頭の中に常にあった。そんなタイミングで、環境に配慮した企業活動、SDGsを指向する大手取引先からも「廃棄ゼロ」「カーボンニュートラルに向けた取り組み」を求められるようになり、廃棄する部材を再利用し、廃棄品・廃番品をアップサイクルし、欲しい人に提供する仕組みを構築すべく、成長戦略ファンドを活用し、未使用家具またはB品家具を格安で提供する取り組みとして「C・LABO」を立ち上げる。

◇色や生地のオーダー可能な再生品
イスに関しては、素材である木、イスに張る生地が大量に余っていることから、塗装色や生地の色を選んでもらい、その注文に応じて仕上げた再生品を再販している。メーカー側も「廃棄ゼロ」を求めているため、廃番や廃棄になったイスからメーカーのタグなどを全て取り除き、再生品として世に送り出している。環境に優しい企業活動への関心の高まりと共に、再生品の販売に協力的な企業も増えてきた。メーカーで不要になった未仕上げの在庫品については、格安で譲り受け、同社の工賃・手間賃がプラスされて販売価格が決まるため、新品のメーカー品と同等の商品が半値に近い価格で購入できる。メーカーは環境に優しい企業を標榜でき、消費者はいいものを割安に買え、同社は捨てていたものが売上になる、三方良しの好循環が生まれる。



◇職人集団が同社の宝
同社には国家資格を有する職人が多数在籍している。創業当時は、定年退職したベテランのシルバー人材を採用しながら若手職人を育成し、ベテランの人たちが退職していった現在は、当時の若手が40代の中堅職人として育ってきている。同社の工場入口には、1級椅子張り技能士4名、2級椅子張り技能士5名、家具手加工2級技能士2名、建築施工管理技士2級4名、職業訓練指導員3名、2級建築士1名、インテリア家具コンシェルジュ2級2名の氏名が掲げられている。優秀な職人を絶え間なく育成していくことが、同社にとっての重要な課題であると同時に、最大の武器にもなっており、有資格者を含め40名あまりの職人集団が同社の宝である。こうした既存の職人技だけでなく、最新のCAD・CAMスキャナーシステム、NCルーターなどの最新機器も導入している。今後はAIやITも融合した新しい時代のモノづくりにも取り組んでいく考えだ。能登半島地震で人口減少が顕著に進んでいることから、人手不足は深刻である。「わが社単独で求人や人材育成と言っても容易ではないため、地域の企業さんとヨコのつながりを深めていく中で、互いに協力できるところは互助の精神で取り組み始めています。」と木村工場長は力を込める。同社は、国内に日本人の職人の技を残し、事業全体を管理できる人材を育てていくことに注力しており、外国人労働者の採用は念頭にない。

◇販路開拓が課題
誰が聞いても素晴らしい取り組みであるが、肝心の販路開拓で新たな壁に直面している。昨年、ホームページで再生品の販売をスタートしたばかりで、年間売上はまだ100万円程度。ホームページの作り方や、SEO対策など工夫が必要で、まだまだこれからのよう。どんな売り方、販売方法がこの商品に相応しいのか、試行錯誤の只中である。廃番になった商品が大型倉庫を埋め尽くしている状況を何とか少しずつでも再生品とし販売していかないと、倉庫がいくつあっても足りない。実質的に新品であるが、メーカーが廃番とした時点で、その商品は型落ちの古い商品になると同時に、数が揃わない等の理由があって廃番になるため、一般的な家具の商流には載らなくなる。同社は作る力、修理する力はあるが、販売する営業力がないため、販路開拓に苦戦中。BtoBは景気に左右されて波があるため、法人需要が低迷した時に、BtoCの個人客の需要を取り込んでカバーできるよう、ホームページの充実、SNSの活用、求人の仕方、広告宣伝の在り方等々を日々の業務と並行しながら、それらのノウハウを地道に蓄積していくことの大切さを、木村工場長は自らに言い聞かせるように語る。

◇工場を開放しての販売会にも挑戦
エフラボの工場を知ってもらう、来てもらうことを目的に、地元の人たちに年1回、工場を開放しての販売会をFacebookで告知して開催している。それ以外の告知はしていないものの、開催日には約100名が来場する。「ただ私たちは職人集団のため、商品を販売すると言っても、誰がどうやって販売したらいいか分からない手探り状態で、まず販売するノウハウがないため高いハードルだったが、昨年と今年と2回やってみた。七尾にエフラボという会社があることを少しでも認知してもらえればとの思いもある。」と谷内マネージャーは顔をほころばす。
◇国内最大の再生技術を全国に
石川県は全国のほぼ真ん中にあるため、関東・関西であれば1日で配送できる運送面でのメリットが強みにもなっている。バブル期からしばらくは使い捨ての時代だったが、コロナ禍を経て、地球環境に対するSDGs意識の高まり、物価高下での「もったいない」精神の醸成などが相まって、使い捨てではなく修理してもう一度使おうと考える人が増えてきている。直すという作業に定価はなく、損傷具合もバラバラなため、一つひとつ修理して再生品に仕上げる工程の付加価値を、再販価格に反映し、なおかつ顧客に割安感を与える価格設定が腕の見せ所でもある。工場内に修理予定のさまざまなイスやソファがズラリと並んでいるが、よく見ると超一流ホテルや旅館、公共施設からの修理依頼品ばかりで、いかに同社の直す力がすごいか、その証左を見せつけられる。大量生産の流通課題であるB品や不良品・廃棄品を生まれ変わらせ、地球環境への微力ながらの貢献、廃棄していた家具で売上創出、若手人材の育成の場として活用することが、C・LABOの目的であり、七尾から全国に地球環境に優しいモノづくりを発信すると同時に、日本一のファクトリーとして邁進してもらいたい。

谷内マネージャー 木村工場長
◇事業者概要
・商 号 株式会社 エフラボ
・代表者 代表取締役 松井正尚 下谷内 充
・本 社 七尾市中島町小牧19 1009番地3
・TEL 0767-66-2111
・URL https://f-labo.jp