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創業100年のノウハウを駆使し、独自のミートフリー豆腐パティを開発 ​~ 羽二重豆腐株式会社

印刷ページ表示 更新日:2025年1月9日更新

創業100年のノウハウを駆使し、独自のミートフリー豆腐パティを開発~ 羽二重豆腐株式会社

<令和3年度 いしかわ中小企業チャレンジ支援ファンド採択事業>​

事業名

 独自技術で開発する「ミートフリー豆腐パティ」の海外販路開拓 

商品名

 ミートフリー豆腐パティ TofuBurger

キャッチコピー

 大豆と100年 金沢の美味しさを全世界へ!​

開発の経緯

1923年の創業以来、大豆を原料とする様々な商品を世に送り出し、2023年に創業100年の節目を迎えた羽二重豆腐株式会社。同社は全国の業務用の「がんもどき」を生産している食品メーカーだ。現在では、60種類以上の大豆関連商品を製造販売し、日本人の食生活を健康食材で下支えしている。令和の時代に入り、海外におけるからだに優しい日本食人気の高まりや、インバウンド客がこぞって日本食の店に長蛇の列をつく光景が、頻繁にテレビで紹介されるようになった。こうした現象は、日本食に対する外国人の関心の高さの証左でもあり、そうした時代のニーズを受け、同社は海外への輸出に本格的に取り組むことに。第一弾として、欧米人に人気のファーストフードであるハンバーガーのパティを、肉ではなくミートフリーの大豆由来のパティに置き換える商品開発がスタートする。食品を輸出するにあたって、同社が既に取得していたISO9001だけでなく、食品の国際認証である食品安全マネジメントシステムFSSC22000も取得。

   

◇商品化への道のり

アメリカにおいて、従来の肉のパティではなく、植物系のパティがブームになり、同社が4年余り前にアメリカのスーパーなどを視察した際、Beyond Meetを謳った食品がかなり増えてきている状況を目の当たりにする。ただ、そうした食品を試食してみると、正直あまり美味しくなかった。既に市販されている他社の商品は、粒状の大豆タンパクを使用し、それで肉の食感、ほぐれ感を表現していた。それと同じ製法で作ったのでは価格競争に陥るため、差別化する必要性を感じ、あえて粒状の大豆タンパクを使わずに、大豆の粉、水、油を混ぜることで乳化したベースができ、そこに企業秘密のある素材(大豆加工品)と調味料を加えることで、粒状の大豆タンパクは使用していないものの、肉を食べた時の食感やほぐれ感を再現したミートフリー豆腐パティが完成する。欧米人は歯ごたえのある固めの肉を好むことから、日本人の好む柔らかい食感のパティではなく、ガッツリと食べ応えのあるパティに仕上げている。この商品開発は全て自社内で完結しているとのこと。新商品を外国人に知ってもらう、試食してもらうことを目的に、県が主催する海外での商談会等に出展し、試食してもらったところ好評を得て、少しずつ商談に結び付いている。

   

◇商品が完成したタイミングでコロナ禍に

インバウンド需要の高まりもあったことから、そうした需要も見込んで完成させた商品だが、折悪しくそのタイミングでコロナ禍になり、3年余りストップしていた。ようやくコロナ禍が明けた令和5年に入ってから少しずつ動きが出てきているとのこと。コロナ禍の間、海外へ行けなくなったため、国内で開催される商談会や、地元でISICOや金沢商工会議所、石川県食品協会が開催する商談会に積極的に参加し、インバウンド向けの新たな食品として、大豆から作られた健康にいいヘルシー食材で、肉に比べて罪悪感が少なく、ヴィーガン、ベジタリアンのお客様にも対応できる点をアピールしたところ、地元ホテルの目に止まり、「むき海老のチリソース ソイバーグとともに」というメニューとして提供されている。他にも地元商社等を通じて、順調に全国の市場に広がり始めている。大豆加工品は、日本の精進料理において、古くから肉や魚の代用に使われてきており、日本人には馴染みのある食材でもあり、海外に向けた商品展開の可能性は大いに期待できる。

 

むき海老のチリソース ソイバーグとともに 

  

              展示・商談会での同社ブース

◇これからの事業展開

市場開拓の面では、アメリカに出向き、現地の問屋に安全・安心でミートフリーの食材であることをアピールして商談が成立するケースもあれば、問屋を介して海外へ輸出するケースも増えている。コロナ禍の間は、パソコンの画面越しにリモート商談を何回かやったものの、やはり対面で商談しないとなかなか思いが伝わらず、結果につながらないことも経験する。その意味で、コロナ禍が明け、対面で会うことができ、自由に行き来できる状況に戻ったことから、積極的に市場開拓に邁進中。令和5年の1年間では、アメリカ、イギリス、フランス、ベルギー、東南アジア、オーストラリアへ5ケース(約2,000個)輸出。いずれの国でも食べたお客さんから好評を得ているとのこと。ただ、ミートフリー豆腐パティに含まれる添加物について、海外の国ごとに食品添加物の規制が異なり、それにひっかかる国もあることが輸出におけるネックである。輸出の取り組みは、県やジェトロのサポートを受けて、セミナー等に参加して勉強を重ね、ゼロからスタートした事業だけに、ようやく少し先が見え始めてきていることに安堵の表情が窺える。食品工場としてのレベルアップと海外展開するために必要なハードルとして、2つの国際認証を取得しており、商談時には、取引条件として要求される国際認証でもあることから、認証の継続に向けて全社を挙げて邁進しているところで、そう遠くない将来には新工場建設につながる事業展開を標榜する。年間約500トンもの大豆を使って、60種類を超える豆腐関連商品を、130名の社員で全国に送り出してきている同社の「大豆製品を全世界へ!」とのキャッチフレーズが現実となる日が楽しみである。

  

  

生産管理部 籾山 知志さん                     

事業者概要

 ・商 号 羽二重豆腐株式会社
 ・代表者 代表取締役社長 藤原英二
 ・本 社 金沢市西金沢2丁目162番地
 ・TEL 076-249-1173
 ・URL https://habutae.co.jp​


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