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加賀れんこんの生産、加工品販売を通じて持続可能な農業経営の実現に邁進! ~ JA金沢市加賀れんこん部会

印刷ページ表示 更新日:2024年1月29日更新

加賀れんこんの生産、加工品販売を通じて持続可能な農業経営の実現に邁進! ~ JA金沢市加賀れんこん部会

 

<令和4年度 いしかわ中小企業チャレンジ支援ファンド採択事業>

事業名

 加賀れんこんの規格外品を使用した加工品の開発・販売を通した持続可能な生産体系の構築

商品名

 加賀れんこんチップス 加賀れんこんドーナツ

開発の経緯

知る人ぞ知る加賀野菜の代表格「加賀れんこん」は、石川県民にはお馴染みの食材であるが、その歴史は古く、遡ること350年あまり前、加賀藩五代藩主前田綱紀の頃から栽培されていると伝わる。現在の加賀れんこんは、小坂地区を中心とした鍬堀りと河北潟干拓地での水堀りで栽培されているが、味に大きな違いはなく、切った時に糸を引くねばりとコクのある風味が一番の特徴。

8月上旬から5月下旬が収穫時期で、毎年700tあまりが生産されている。加賀れんこんはブランドイメージを維持するため、商品として出荷できる条件が非常に厳しく、毎年全体の1割にあたる70tは規格外となり、一部自家消費するほかは全て廃棄処分されてきた。「自家消費するにも限界があり、形や色が悪くても、味は加賀れんこんだけに、本当に勿体ないと思い続けてきていたことから、規格外の加賀れんこんで何か加工品が作れないかと思い立ったのが、この事業の端緒です。」とJA金沢市加賀れんこん部会の北博之部会長は経緯を語る。

加賀れんこん畑 加賀れんこん

商品化における課題

にんじん、大根、さつまいも、じゃがいもといった野菜は、多少の大小はあっても形はほぼ同じであるのに対し、加賀れんこんは形状が特殊な上に、大きさのばらつき幅が大きいことから、一次加工業者に加工を依頼すると、手間のかかり方が異なり、加工賃が割高になる。もともと原価の高い加賀れんこんに割高な加工賃がプラスとなり、さらに高くついてしまう。この点が加工品を開発する上で大きなネックに。

そんな中、最も加工しやすく、日持ちもするれんこんチップスに挑戦する。れんこん部会には44人の農家が加盟しているため、何か新しいことを始めるにあたっても、十人十色でさまざまな意見が飛び交うため、メンバーのベクトルを同じ方向に向くように持っていくのがなかなか大変で、北部会長の腕の見せ所でもある。

JA金沢市直売所 ほがらか村 加賀れんこん売り場

加賀れんこんチップスの商品化

加賀れんこんの美味しさをストレートに消費者に感じてもらいたいとの思いから、油を極力使わないノンフライ製法を選択し、なおかつ加賀れんこんそのものの風味を味わってもらうため、塩や人工的な添加物は一切使用せず、加賀れんこんをスライスしたものを素揚げしただけのシンプルさにこだわった「加賀れんこんチップス」を商品化して1年が経過。

JAほがらか村、小売店、イベント等でのキッチンカーでの販売など、1年間で約1000袋を販売。1袋50グラム入りで580円(税別)。一般的なポテトチップスに比べると割高だが、加賀れんこんは原価が高いゆえの努力価格。子供からお年寄りまで、加賀れんこんそのものの旨味を堪能してもらいたいとの思いから、ノンフライ、添加物不使用の安全安心な食品でもある。

加賀れんこんチップス キッチンカー

加賀れんこんドーナツ・ソーダの商品化

その次にトライしたのはチュロスだったが、加賀れんこんを摺り下ろして加工品にする工程で、なかなか形状がきれいにならなかったため断念し、ドーナツ店を運営する(株)ウフフ(金沢市)に製造委託して「加賀れんこんドーナツ」を商品化した。ドーナツにチョコレートをトッピングするなど、バリエーション展開も進めているところ。この加賀れんこんドーナツは冷凍保存し、夏場のイベント会場やJA直売所 ほがらか村前で、キッチンカーで仕上げをして試験的に販売したが、残った商品の保管方法や衛生面を考えると、継続して販売することの難しさがあることから、現在は販売を中止しているとのこと。

そのほかのキッチンカーを活用した取り組みとして、加賀レンコンを刻んで加熱することでシャキシャキとモッチリの食感を同時に楽しめるタピオカ風のレンコンの粒をドリンクに加えた「加賀れんこんソーダ」を公立小松大学と共同開発し、1杯300円(税別)で販売している。「何しろ加工品事業は取り組み始めたばかりで、生産者としてどのくらいの価格設定が妥当なのか、意見がばらばらだったものを調整し、ようやく形になったところです。」とJA金沢市園芸販売課の天野翔之さんは振り返る。

加賀れんこんドーナツ 加賀れんこんソーダ 

さらなる事業展開

加賀れんこん部会は、エコ、食育、SDGsに取り組んでいるJA内でも珍しい組織で、エコや地球環境に優しい商品というイメージを消費者にアピールできる商品開発、商品パッケージにもそんな思いを反映させている。加賀れんこんチップスが全国販売できるようになれば、これまで廃棄していた部分が、収益として会員に還元できるようになるため、いかに販路を広げていくか、それが最重要課題。

「チャレンジ支援ファンドを使わせていただいたおかげで、規格外品で商品化した売上が、スタートした初年度に比べると約25倍に伸びました。初年度の額が小さいので、まだこれは部会として満足できる数字ではないので、さらに伸ばしていきたい。」と天野さん。「れんこん部会として失敗は許されないので、初年度からあまり間口を広げず、少しずつ販路を広げつつ、お客さんの反応や口コミの評価を見ることで、石橋を叩きながら前に進め、組合員が丹精込めて栽培した加賀れんこんで、組合員が少しでも潤う仕組みを構築していきたい。」と北部会長は力を込める。

JA金沢市加賀れんこん部会 北博之部会長と天野翔之さん   加賀れんこんロゴ
 北 博之部会長と天野 翔之さん

事業者概要

 ・商 号 JA金沢市加賀れんこん部会
 ・住 所 金沢市松寺町未59-1
 ・TEL 076-237-0123
 ・URL https://www.ja-kanazawashi.or.jp/


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