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能登ヒバの魅力を最大限活用し、森と地域に豊かさを!~ 加賀木材株式会社

印刷ページ表示 更新日:2025年3月17日更新

能登ヒバの魅力を最大限活用し、森と地域に豊かさを!​​ ~ 加賀木材株式会社

<令和3年度 いしかわ中小企業チャレンジ支援ファンド採択事業>​

事業名

能登ヒバの持つ効果効能を活かした快適な空間を作るDIY商品の開発、販路開拓事業 

商品名

バスヒバくん、かべヒバくん

開発の経緯

同社の増江世圭社長の「創業以来、恩恵を受けてきている木の源である山に恩返しをしたい。」との強い思いが原動力となってスタートした新規事業。その第一弾として、山に放置されている杉の小径木や根曲材を活用した不燃木材の開発に着手し、10年余の歳月をかけスギ集成不燃材「もえんげん®」を製品化。平成24年に国土交通大臣認定という厳しい基準をクリア。それに続いて、能登ヒバ材の一般消費者向け商品の開発に取り組み、能登ヒバの成分であるヒノキチオールを自社工場で抽出し、エッセンシャルオイルやエッセンシャルウォーターなどを「NOTOHIBAKARA 」ブランドで次々と商品化してきている。そうした中でもアロマディフューザーは、空間の除菌をしながら能登ヒバの優しい香りを漂わせることから、金沢市内のホテルロビーなどに置かれ、利用客から好評を得ている。同シリーズの新商品として、購入者が自ら組み立てるDIY商品として、お風呂で能登ヒバの香りを楽しめる「バスヒバくん」が誕生する。​

   

◇バスヒバくんのこだわり​

ヒノキ風呂は高価なため誰でも気軽にと言うわけにはいかないが、ヒノキチオールを含む能登ヒバの板を、ユニットバスの壁面に強力な磁石で貼り付けることで、能登ヒバの香り漂うお風呂を楽しめるアイデア商品。能登ヒバの板に磁石を貼り付け、それを好きなレイアウトで壁面に貼り付けることができるのが特徴。気分によって貼り方を変えることも磁石のため容易にできる。(ユニットバスのタイプにより貼れないものがあります)。ヒノキチオールが含まれている木材のため、湿気の多い浴室で使用してもカビや苔が生える心配もなく、購入者が自宅のお風呂を自分の手で木質化して楽しむことができる商品。

   

◇バスヒバくん商品化後の課題​

当初の使用試験では、浴室で使用し、湿気を含む→乾燥する→湿気を含むといった日々の入浴環境で使用して問題なかったが、ある程度の数が出るようになって、能登ヒバの板材に使用している木の部位によって、水分を含んだ後に乾燥する過程を繰り返すうち、板材が反って磁石で壁面に付けることができない事例が発生した。そのため、能登ヒバを製材する段階で、木目を見極め、反りが発生しにくい部位を選んで使用するよう製造現場と情報共有し、板材が反る不良発生率を極力低減させるべく努めている。

                      

◇カベヒバくんの試作中​

次なる商品として、能登ヒバの柱を製材する際に発生する四角端材をランダムに組み合わせ、壁に貼り付けてインテリア装飾にする「カベヒバくん」の試作を進めている。現状では、高さの異なる四角端材のみの組み合わせ。丸や三角の形の端材もあると変化が出せるが、そうした加工は外注になるため、コストがアップする難点がある。また、賃貸物件では、壁に貼り付けてしまうと、退去時に原状回復するための費用負担が生まれることから、貼ってもきれいに剥せる接着剤の有無が鍵を握る。四角端材の場合は、子供がぶつかった時に角で怪我をする恐れもあるため、角を丸く処理する必要性も感じている。

  

◇展示会や商談会で認知度アップに努める​ 

全国的には、ヒバと言えば青森ヒバが知られているのに対し、能登ヒバの知名度はまだまだ低いのが現状。そのため、NOTOHIBAKARA事業部リーダーの小島遼太郎さんは、毎月のように県外へ出かけていき、展示・商談会で能登ヒバの商品をアピールし、そこで出会った方々にリピーターになってもらえるようクーポンを渡し、次は自社のECサイトに来てもらえるよう力を入れている。令和6年12月には、大阪の阪急百貨店で能登ヒバのワークショップを開催し、7年1月には千葉県流山市で能登ヒバの雑貨商品の販売会と、ほぼ毎月のように各地を飛び回って、能登ヒバの認知度アップと自社商品の販促に余念がない。

  

◇能登半島地震の復興支援で注目​

能登半島地震が発生したことで、能登に全国からの注目が集まり、復興支援の観点もあり、同社のNOTOHIBAKARAのオンラインショップへのアクセス数が急増している。そもそも商品単価が建築材料に比べると安価なため、同社の売上全体に占める割合はまだ僅かなものの、同事業部だけを見ると、震災後の伸びは顕著である。「能登を応援するとの思いから、県外での販売会やワークショップにおいても、お客さんの反応が以前とは全く異なり、応援購入してもらえることが本当にありがたいです。」と感謝する。そうした復興支援の一例として、大手飲料メーカーが同社のデフューザーを主要な拠点に導入してくれたとのこと。​

  

◇地域貢献、木育にも注力

同社の能登ヒバから抽出したオイルやウォーターの瓶詰作業は、障害者支援の一環として、志賀町の障害者就労支援施設に依頼し、障害者の職業支援にも一役買っている。また、金沢公衆浴場組合が毎年10月10日に開催している銭湯の日に、お風呂に浮かす能登ヒバのチップを同社が納めている。そのほかにも植林活動やクラウドファンディングで自社商品を販売し、その売上を石川県森林組合連合会に寄附し、林業を側面からサポートしている。さらには、小さな時から木に親しんでもらう木育の一環として、同社が運営しているNOTOHIBAKARA ベーカリーの内装材はもちろんWoodStylecafeでは子供の遊具も能登ヒバの積み木などを揃えている。「日々の生活癒しと潤いを与えてくれる木の魅力を小さい時から感じてもらうことの重要性を鑑み、志賀工場で開催する自社イベントには、志賀町、七尾市、中能登町の保育園や小学校の子供たちを招待して開催します。現地に来てもらうことで、知ってもらい、興味を持ってもらうことにつながれば嬉しいです。」と小島さんは顔を綻ばす。

  

◇SDGsな企業活動に邁進

次なる能登ヒバを活用した商品として、「健康」をキーワードに、近年「整う」ブームで人気のサウナに注目し、能登ヒバ材を後付けで設置して、能登ヒバの香りを楽しんでもらえるパーツの開発や、屋外で使うバレルサウナの外部は同社のもえんげん®で組み立て、内部は能登ヒバ材で仕上げ、入ると健康になれるサウナの商品化を計画中。将来を見据えた時、林業の担い手となる若い人をいかに確保して育てていくかが最重要課題である。クリアしなければならない壁を一つひとつ乗り越えながら、将来的には自社で能登ヒバが自生する山を所有し、そこで働きながら生活できる、循環型のコミュニテイーを形成できる自社の山林を持つ、林業の六次産業化が大きな目標でもある。​

  

 

NOTOHIBAKARA事業部

林 亮男さん  小島 遼太郎リーダー

事業者概要

 ・商 号 加賀木材株式会社
 ・代表者 代表取締役社長 増江 世圭​​ 下谷内 充
 ・本 社 金沢市湊2-21
 ・TEL 076-238-4131
 ・URL https://www.noto-hiba.com


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