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3Dプリンターの導入が、半世紀以上続く鋳型メーカーに新たな事業展開への方向性をもたらす~ 有限会社小松鋳型製作所

印刷ページ表示 更新日:2026年1月30日更新

3Dプリンターの導入が、半世紀以上続く鋳型メーカーに新たな事業展開への方向性をもたらす

​​ ~ 有限会社 小松鋳型製作所​​

<令和5年度 成長戦略ファンド採択事業>​

事業名

自社ブランドの食品金型と食材のセット販売に向けた開発・販路開拓事業

商品名

WAKUWAKUMOLD-ANIMAL

キャッチコピー

想いを立体へ、イメージを形に。​

開発の経緯

昭和34年に(株)小松製作所(現  コマツ)鋳造部の協力工場としてスタートした小松鋳型製作所は、以来半世紀以上にわたり、鋳造用鋳型の専門メーカーとして歩んできている。2007年、他社に先駆けて3DプリンターならびにCAD、CAMを導入したことで同社に大きな転機が訪れる。これらを導入したことで、従来の木型がないとできなかった鋳型が、自由形状でのモノづくりが可能になった。どんなものをビジネスとして取り組めばよいか、その方向性を模索していたところ、3Dプリンターの導入を告知する同社のホームページを見た九州の高校生から、自分たちでデザインしたオリジナルのたい焼きの型を作ってもらえないかとの依頼が舞い込む。それに取り組んだことをきっかけとして、いろんなお菓子の焼き型づくりがスタートし、翌年は世界が厳しい状況に晒されたリーマンショックの年だったが、厨房機器メーカーから、たい焼きの型の大量注文が舞い込み、同社には追い風が吹く。​

    

◇​優秀なデザイナーが同社の最大の武器​

たい焼きの型から派生して様々な焼き型を展開してきているが、もともと同社は、鋳型のみを製造し、それを鋳造メーカーに持って行き、そこで溶かした金属を流し込んで製品を作ってもらっていた。10年余り前に、国のモノづくり補助金を活用してアルミ削り出し加工機を導入したことで、従来までの木型や金型を使用することによる制約がなくなり、これまで以上にバラエティーに富んだ表現が可能な型を短納期でできるように。そうしたタイミングで、井家社長の知人で金沢美大出身のデザイナーに入社してもらうことができ、CADによるデザイン展開を本格的にモノづくりに反映させられるようになる。三次元によるデザイン展開に長けたデザイナーが自社にいることは、同社のモノづくりにおける最大の強みでもある。

      

◇​ワクワクモールドに込めた思い​

これまでいろんなお客様からの思い入れや、こだわりの強いデザイン案を見てきている中で、一枚の二次元のイラストからどんな立体的なデザインへと変化していくのか、実は依頼者だけでなく、作り手である同社のスタッフも、どんなものができあがるのだろうかとワクワクしながら取り組んでいる。最初のたたき台となるイラストから、デザインを起こし、3Dプリンターで立体模型を提示し、微調整を繰り返しながら最終の型デザインが決まり、完成品ができるまでの間、多い時は何十回もお客様とのやりとりをするが、その都度互いにワクワクしながら出来上がることから、食品向け焼き型デザインを『ワクワクモールド』のブランド名にする。 

◇こんな感じをデータ化する難しさ​

紙に描かれたイラストがサイズ感も特に指定なく送られてくるケースが多い。二次元のイラストを三次元の立体形状に作り替える作業が最も苦労するところで、時間と手間も要する。時にはデザイナーに立体モデルを作ってもらい、そのモデル通りに型を作って欲しいと送られてくるケースもある。そうすると、その手作りモデルのカーブ曲面をデータ化するにあたり、0.1ミリ単位で微調整しながら、現物の手作りモデルをデータ化するのに大変苦労したという。あるいはまた、お客様の描いている線が何ミリの線なのか、そこまで意識して描いていないため、それをデータ上でどう表現するか、お菓子の場合はある程度の太さにしないと、その線がお菓子に表現できないことから、そのあたりの塩梅の調整も苦労するところ。そんな苦労を乗り越えながら、これまでに300種類以上の焼き型を世に送り出している。

      

焼き型だけでなく、焼き台とのセット販売に

同社の削り出し手法は、アルミのブロックを加工機で数十時間あまりかけて削り出すだけで型が完成するため短納期を実現。近年は、押しキャラのお菓子を販売したいとのニーズが高く、そのためには人気がある間に販売しないとブームが去ることから、スピード感が求められ、そうした場合は削り出し手法が最適とのこと。当初は、でき上がった焼き型のみを発送していたが、次第に焼き台も一緒に頼めないかとの声が多くなってきたことから、今は焼き台と焼き型をセットにして販売している。なおかつ、初めてキッチンカーで販売するといった初心者の方向けに、製粉メーカーの協力を得て、焼き方の指導までオプションサービスとして行っている。一般的なたい焼きの焼き台の場合は、ガスの焼き台と焼き型の1セットで60万円ぐらいから販売している。

            

◇デザイン力、短納期で他社の追随を許さず​ 

同社のような食品向けの焼き型を製造販売しているメーカーは、全国で数社程度と限られる。しかも大部分が従来の木型から製造する手法のところが多いことから、タイムリーに短納期で対応できる加工機での削り出しで製造できる同社の優位性は明らか。先述の通り、三次元のデザインデータを作成できるデザイン力で、3Dプリンターで模型を提案でき、加工機による削り出し手法による短納期は、他社にない強みであり、そうした先行投資が奏功し、現在の売上は10年前に比べて5倍にまで伸びてきている。既存の鋳型事業だけではなく、他の事業の確立を目指し、3Dプリンターをいち早く導入した先代の先見性の賜物でもある。

      

◇営業は展示会とホームページ​

営業活動の一環として、食品関連の見本市や展示会に年に2~3回程度出展している。ここでの名刺交換、商談がのちの成約につながるケースが多く、同社のワクワクモールド事業において、見本市への参加は非常に効果的。それを補完するのがホームページでの情報発信で、焼き型を作りたいお客様がその情報を探し求めて同社のホームページに辿り着くため、購入意欲の高いお客様からの問い合わせはほぼ成約につながる。同社は、焼き型を販売して終わりではなく、アフターメンテナンスはもちろんのこと、何度で何分焼成するとどんな焼き上がりになるか、焼成温度や材料の配合をいろいろ組み合わせながら、自社の厨房で実際に焼き上げる実験を日々行っており、お客様のあらゆるニーズに応えられるよう企業努力も惜しまない。

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新たな用途開発で、さらなる飛躍

これまで、クッキー、たい焼き、ワッフルケーキ、フィナンシェ、カヌレなど、様々な焼き菓子の焼き型を製造販売してきているが、ここへきてオリジナルのペットボトルの型ができないかといった日用品分野の問い合わせが入るように。そう考えると、お菓子にこだわることなく、型を使って作るものであれば、どんなものでも対応できるCADを使った三次元のデザイン力、3Dプリンターでの模型提案、加工機での短納期の削り出しの3本柱を武器に、同社のワクワクモールドにおける新たな用途分野を開拓し、さらなる飛躍につなげてもらいたい。

           

       井家  美紀  取締役             井家  洋  代表取締役

 

事業者概要

 ・商 号 有限会社 小松鋳型製作所
 ・代表者 代表取締役 井家 洋​ 下谷内 充
 ・本 社 小松市矢田新町へ39-1
 ・TEL 0761-43-0826
 ・URL https://komatsu-igata.com


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