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世界農業遺産の能登半島に自生する松 その可能性を独自の切り口で発信! ​~ 株式会社ランドスケープ開発

印刷ページ表示 更新日:2025年1月10日更新

世界農業遺産の能登半島に自生する松 その可能性を独自の切り口で発信! ~ 株式会社ランドスケープ開発

<令和4年度 いしかわ中小企業チャレンジ支援ファンド採択事業>​

事業名

 松葉を使用した総合的な商品開発・販売​

商品名

 枝付き松葉、松葉パウダーなど

キャッチコピー

  能登の「地から」マツの「チカラ」を届けたい

開発の経緯

福岡県でプロスポーツ選手として活躍していた五十嵐一聡さんは、令和3年に現役を引退したのを機に、奥さんの父が経営する会社・ランドスケープ開発に入社する。能登の大自然を目の当たりにし、能登の魅力ある商品を全国に発信し、なおかつ商いにつながるような新たなビジネスができないか、よそ者目線で思案する日々を送っていた。そんなある日、松茸狩りに誘われ、松茸がどうしてできるのかを興味本位で調べた時に松葉の効能を知ることに。これがきっかけとなって松に注目し、商品化に向けての思考錯誤の日々が始まる。地元の人間にとっては、当たり前のように目の前に自生している松の木の松葉が、五十嵐さんの視点と行動力で、魅力ある商品に変身する。

◇松の葉をすり潰しお茶に

松の葉の成分分析を民間の研究機関で実施すると同時に、松の葉にまつわる歴史を調べたところ、昔は松の葉を煎じたお茶が飲まれていたことが分かる。人が体内に入れても問題ないことから、最初に取り組んだのが、松の葉を粉末にし、お茶として飲用するもの。粉末にする際に、臼の役割をする機械で粉状にするのだが、すりつぶす際に摩擦熱が発生し、松の葉に含まれる油分でダマになり、なかなかうまく挽くことができなかった。そこで、京都宇治のお茶の産地を廻って、摩擦熱の発生しない機械があることを知る。宇治抹茶の業界で使われている粉砕の時に熱を持たない機械を導入し、乾燥時間も試行錯誤を繰り返した結果、商品として提供できる松の葉の粉末づくりに辿り着く。ネット販売を始めて1年余りで軌道に乗り始めてきたことから、会社が所有する空倉庫を改装して自社工場を構え、商品を自社で製造している。

 

◇松葉の粉を使った商品ラインナップを充実

それに続いて、松葉の粉を煮出すティーパック、松の葉のエキス入り化粧水(雑貨としての扱い)、松葉粉末と能登の海洋深層水から精製した塩を混ぜた松葉塩、自然の松の枝、乾燥松葉など、次々と商品ラインナップを増やしてきている。

能登の大自然の中に自生している、公害に侵されていない自然の松葉が原料のため、安心・安全は言うまでもない。昔から民間療法的に使われてきているため、人体には無害であることは周知の事実ではあるが、薬事法の関係で、効果効能を謳えないところが辛いところ。ホームページに生の松の枝葉、乾燥松葉、松ぼっくりが商品として掲載されている。生の松の枝や松ぼっくりは、インテリアとして飾る人もいれば、松に関する本の中には、松ぼっくりの中に、癌が治る漢方薬的な成分があるとの説もあり、そうしたことを信じて購入する人もあるようだ。

◇有名人の一言でアクセス急増

朝の情報番組で、人気俳優が松葉ジュースを愛飲していると話していたことを耳にし、これはチャンスと、松葉ジュースで検索すると、自社のホームページに辿り着けるよういろいろと仕掛けをし、アクセスが急増している。有名人が一言語るだけで、想定外の反響があり、一回試してみようかという心理になるようだ。松葉ジュースの原料となる松葉はどこにでも落ちているように思うが、例えば、都会の公園の松葉には維持管理のためにいろんな農薬が噴霧されている。安心安全な自然の中に自生している松は、実は都会にはそんなに簡単にはない。でも、能登の広大な山林には見渡す限り自生している。世界農業遺産に登録された能登の里山里海である能登半島で自生している松となれば、付加価値の高い松の商品になるのだ。

 

◇松葉スモークで新たな顧客層を開拓

乾燥松葉は、砕いてお茶に混ぜて飲むのが主流だが、同社が推奨している新商品は松葉スモークである。見た目はタバコのようだが、松葉しか使っていないため、ニコチンはゼロ。乾燥松葉を紙フィルターで巻いてタバコ状にし、火をつけてタバコのように吸うもの。純粋に松の葉の成分のみをゆっくり吸うことで、リラックスできる商品で、アマゾンの同社サイトで、この松葉スモークは売れ筋商品に。市販されている禁煙ガムには松葉の成分が含有されていて、この成分は体内にあるニコチンを体外へ排出する機能があるそうで、禁煙したい人にも気になる商品かもしれない。タバコの形でタバコと同様の吸い方はするが、タバコの成分は全く含まれない安心・安全なスモークが楽しめることをインスタグラム等で発信したところ、松葉に関心のある層から反響があるとのこと。

                      

◇能登に目が向いている好機を最大限活用

ピンチはチャンスと言われるが、能登半島地震で全国の目が能登に向いていることで、同社のECビジネスには追い風となり、既存の松愛好者だけでなく、応援購入の流れもあって、順調に注文が入るようになってきている。世界農業遺産の能登半島に自生する松という表現の仕方で、県外の人には特別な松のような価値を感じてもらえるようだ。ネット通販では、松葉パウダー、生の松葉、乾燥松葉が人気ベスト3とのこと。生の松葉は毎月定期販売も行っていて、定期購入者も増えている。松愛好者に加えて、健康に関心のある層に向けて、裾野を広げる施策を講じていくことがこれからの課題である。科学的な成分分析ならびに研究論文が発表され、効果効能が謳えることになれば、もう一段階ステップアップする商品に昇華するだけに、いかにしてその域に辿り着くか、壁は高いが、高いからこそやり甲斐にもつながる。現時点ではささやかな新たな柱であるが、本体の造園・建設業を支えられるぐらいにまで成長させることが五十嵐さんの目標であり、「何でもやればできる」をモットーとする五十嵐さんの松ビジネスの今後の広がりが楽しみである。

  

EC部門責任者 五十嵐一聡さん

事業者概要

 ・商 号 株式会社ランドスケープ開発
 ・代表者 代表取締役 下谷内 充​ 下谷内 充
 ・本 社 鳳珠郡能登町字宇出津ラ字155番地
 ・TEL 0768-62-1331 
 ・URL https://www.landscapedevelopment.online​


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