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牛首紬=着物という固定観念を打破し、現代的デザインセンスの洋装が爆誕! ~ 西山産業開発株式会社

印刷ページ表示 更新日:2025年1月8日更新

牛首紬=着物という固定観念を打破し、現代的デザインセンスの洋装が爆誕! ~ 西山産業開発株式会社

 

<令和3年度 いしかわ中小企業チャレンジ支援ファンド採択事業>

事業名

 洋装新ブランド「ARLNATA(アルルナータ)」を活用した商品開発及び販路開拓事業

商品名 

 牛首紬を活用した洋装製品

キャッチコピー

 伝統を現代(いま)に纏う

開発の経緯

石川県を代表する伝統的工芸品の一つである牛首紬。着物ばなれと言われて久しい環境下にあって、新たな可能性を模索する中、2009年2月にジェトロミラノ展に出展し、海外バイヤーに牛首紬の可能性を問う初の海外チャレンジを行い、テキスタイルとして海外のメゾンから高評価を得る。パリコレで有名ブランドのドレス素材の一部として採用されるも、それ以上の進展はなかった。2011年9月には、世界のファッションに影響力のある繊維見本市の最高峰「プルミエール・ビジョン(パリ)」の独創的な手仕事をコンセプトに特設された「メゾンデクセブション」に世界13社の中の1社として特別招待出品。以後5年間特別優遇されたスペースで自社商品をアピール。「誰もが牛首紬の色合いや肌触りを高評価してくれたが、一般的な生地の数倍の高価格がネックになり、成約には繋がらなかった。」と西山社長は振り返る。最後の年となる2016年の会場に、当時エルメスのデザイナーだった寺西俊輔氏が来場し、牛首紬の色合いや風合いに衝撃を受けたことが、今回のモノづくりコラボレーションの端緒となる。

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◇寺西俊輔氏のモノづくりにかける情熱​

ヨーロッパでデザイナーとして活躍していた寺西氏は、プルミエール・ビジョンで初めて牛首紬と出逢い、その色彩の豊かさに衝撃を受ける。テキスタイルに関わる仕事をしていながら、日本の伝統の布と向き合う機会が持てなかったことへの違和感を覚え、会場を後にすると、ネットで牛首紬をはじめ日本各地の伝統的織物産地の情報を収集し、日本の手仕事に覚醒する。その後、西山産業を訪れ、西山社長から牛首紬の魅力と現状を具に聞き、伝統ある布地に現代のデザインセンスをプラスした洋装製品を開発するコラボレーションで意気投合し、牛首紬の生地を提供することに。プルミエール・ビジョンへの出展を途中でやめず、5回目まで出展し、そこに偶然にも寺西氏が来場した奇跡の出会いが、牛首紬の新たな可能性を発信するモノづくりにつながる。2019年、寺西氏は牛首紬だけでなく、結城紬、大島紬の3大産地とのコラボレーションをスタートし、その後も各地の産地を訪ね、現在では国内13の織物産地とのコラボレーションによる新たな洋装シリーズを世に送り出している。

新たなブランドARLNATA(アルルナータ)を立ち上げ​

寺西氏は、産地を巡る中で、精緻な柄を産み出す卓越した職人技に対する畏敬の念を抱く一方で、ラグジュアリーであるべき素材が、それに相応しい形で用いられていないことや、限られた人にしか知られていない事実、こうした産地の存在自体が危ぶまれている現状に直面し、日本の伝統織物の存在を世の中に発信する必要性を痛感する。現代のライフスタイルに合わせたモノづくりを通じ、伝統技術の新たな価値を発信すべく、「新た(ARATA)(ALATA)」と「あなた(ANATA)」を掛け合わせた造語ARLNATA(アルルナータ)プロジェクトが立ち上がる。 

 

◇牛首紬の着物を卒業した人たちが洋装を見て回帰​

長年にわたり牛首紬の着物を愛用してきた得意客の中に、年齢を重ねると共に「着物は卒業しました。」と言われることが多くなっていたことに西山社長は一抹の不安と寂しさを感じていた。ところが、牛首紬を着物ではなく、ジャケットやコート、ワンピースといった洋装で新たに展開したことで、展示会でアルルナータの商品を目にしたそうした顧客から、「これなら私着られるかも・・。」との嬉しい声が聞かれ、再び牛首紬のファンに戻ってくる動きが出てきている。と同時に、以前から商品化しているストール類も、着物の中で並べていてもなかなか動かなかったが、アルルナータの洋装ができたことで、ついで買いの需要も生まれるなど、今回のチャレンジは西山社長にとって嬉しい誤算に。

 

◇さらなる事業展開​

牛首紬の付加価値の高いモノづくり、価格に納得して購入する富裕層の顧客に向けて、好きな反物を白山市の本社で選んでもらい、それを東京の寺西氏のショップ(MIZEN)に持って行き、採寸してオーダーする流れを創り出していくため、来年早々には、白山市の本社の一角に「アルルナータ×牛首紬」の新たなアンテナショップを開設する。富裕層の顧客に牛首紬の産地に足を運んでもらい、職人の仕事風景を見て、この地の美味しい料理を堪能し、産地の空気感を体感してもらう、そんな富裕層向けの特別なツアーも計画中。一見、質素に見える紬地の中に、高い精神性を持つ職人の手仕事が散りばめられている奥深い魅力に惹かれた寺西氏と、牛首紬を次代につなげていくべく邁進してきた西山社長。二人のモノづくりに賭ける情熱が、実際の商品として展示された展示会が、去る11月に金沢市のしいのき迎賓館で開かれたが、寺西氏がモデルの富永愛さんのためにデザインしたジャケット、コートが会場内において、ひときわ異彩を放ち、その存在感は圧巻で、同じ牛首紬の反物から着物と洋装で、こんなにもアピール度が違うのかと驚かされる。寺西氏のデザインセンスが新たな命を牛首紬に吹き込んだ見事なコラボレーションに他ならない。現在、寺西氏のショップ「MIZEN」は、全国13の産地で展開しているが、将来的には世界の主要都市にショップを構え、世界の富裕層から注文が入るようになれば、自ずと各産地も潤う好循環が生まれるわけで、大きな夢の実現に向け着々と歩が進められている。

 西山 博之 社長

 

事業者概要

 ・商 号 西山産業開発株式会社
 ・代表者 代表取締役 西山 博之
 ・本 社 石川県白山市部入道町ト40
 ・TEL 076-273-2382
 ・URL https://ushikubi.co.jp​


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