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連綿と受け継がれる伝統の技に 時代のニーズを加味し、 新たなJAPAN(漆)商品を欧州に発信!~ 株式会社 能作

印刷ページ表示 更新日:2026年10月1日更新

連綿と受け継がれる伝統の技に 時代のニーズを加味し、新たなJAPAN(漆)商品を欧州に発信!​
~ 株式会社 能作​​

令和5年度 成長戦略ファンド採択事業

事業名

欧州の富裕層の生活様式に合ったテーブルウェア等の開発・海外販路開拓

商品名 漆器の能作 八代 岡 能之​
キャッチコピー 暮らしと漆器を心でつなぐ​

  

海外展開への端緒​​

 1780年(安永9年)に創業した漆器の能作は、以来246年、現代表の岡能之氏に至るまで、八代にわたり、金沢漆器の伝統の技とものづくりの心を連綿と受け継ぎ、三方良しの商いに邁進してきている。現会長で七代目の岡能久氏が、2000年に石川県ヨーロッパ伝統工芸研修団に参加し、ドイツのヘキスト窯、デンマークのロイヤルコペンハーゲン窯、イギリスのウェッジウッド窯を訪問し、欧州の貴族の人たちに長年愛されている陶磁器と金沢漆器の相性の良さを確信したことが、海外展開に挑戦する端緒となる。

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海外で販売する難しさ​​

 平成14年、石川県の海外展開補助事業を活用し、フランクフルトメッセに初出展。ヨーロッパ最大の家庭用品の展示会で金沢漆器の魅力を発信すべく、念入りな事前準備と展示手法など様々な工夫を凝らしたものの、漆器に馴染みの薄い欧州の人たちに魅力を伝えることの難しさを実感する。それから4年後の平成18年、ヨーロッパの富裕層への接点を模索すべく、モナコのモンテカルロトラベルマーケットに出展し、高級蒔絵漆器を展示するも、期待していた成約には結びつかなかった。そんなタイミングで、金沢ファッション産業創造機構の藤村機構長に紹介されたイタリア・ミラノ在住のオノラート氏との出会いが、その後のヨーロッパでの展開の突破口となる。​

五穀の君    

​​海外展開の取り組みの流れ​

 平成19年、ミラノのサンアドレア通りで宝飾品を扱うオノラート氏の店で、第1回NOSAKUミラノ展を開催。販売には手応えを感じたものの、欧州のライフスタイルに合った商品開発の必要性を痛感する。商品を売るだけでなくその商品が使われる場を一緒に提案していくことの重要性と、欧州の人たちも金ぴかや赤の派手なものではなく、私たち日本人が素敵だと思うものを素敵だと感じていることに気づく。平成20年には、オーストリア・ウィーンの在オーストリア日本大使公邸を会場に、約60名の富裕層を招待し、各界の著名人に金沢漆器の魅力に触れてもらう。翌21年にはフランス・パリでNOSAKUパリ展を開催し、5つ星ホテルのシェフやジャーナリストなど約200名の各界の著名人が来場。パリでの漆サロンはその後も続き、平成25年にはパリ日本文化会館にて、「加賀百万石を受け継ぐー商家と文化のかかわり―」と題し、岡会長が講演を行った。

    

​ドイツ・ミュンスター塗物博物館との交流​

 館長のDr.コプリンと岡会長は旧知の仲で、能作に代々伝わる漆精製の鉢を寄贈し、同館に展示されている。同館に展示されている漆器は、ベトナム製のいわゆるラッカー塗装のものが大部分で、JAPAN=漆の本物が少ない。平成29年にはミュンスター塗物博物館「友の会」一行が来沢し、岡会長宅を訪れ、加賀蒔絵の実演と江戸時代から伝わる加賀蒔絵の名工たちの作品を鑑賞し、漆器に対する認識を新たにして帰国する。

      

現品ではなく、オーダーメイドを求める富裕層​

 スイスの貴族ダーレンベルク氏からエスプレッソカップの制作を依頼される。絵柄は貴族のエンブレムがモチーフで、蒔絵で表現するカップに最適な図案を作成し、先方とやりとりを重ね、OKの出たデザインを加賀蒔絵の技法で仕上げる。翌年には馬の絵の小箱の制作を依頼され、「躍動感のある馬にして欲しい」との要望を受け、日本の風景を背景に駆ける馬を描く。これがきっかけとなり、外資系企業の会長からは富士山の蒔絵、ニューヨークから茶道を学びに来たアメリカ人には、マンハッタンの夜景を卵殻や螺鈿を使って蒔絵で表現した中次を収める。​​

    

職人を自社で育てる​​

 かつては、店頭に並んでいる現品を見て、安心して購入してもらう商いだったが、近年は「半年、一年待ちます。」と言って、好きなデザインをオーダーメイドする欧米の顧客が増えている。「本当に自分の欲しい商品を時間がかかっても待ってくださるお客様が増えてきて、商いの感触が随分と変わってきました。」と岡会長は顔を綻ばす。こうした従来の金沢漆器の蒔絵にはないデザインを依頼されても、それに柔軟に対応し、加賀蒔絵・金沢漆器の技法で応えられるのは、自社で職人を大切に育ててきている長年の努力の積み重ねと、職人自らの日々の技術研鑽の賜物に他ならない。

    

​自らを高める努力が肝心​

 金沢漆器の商いをしているから、金沢漆器のことだけ知っていればいいというものではない。岡会長は若い時から茶道、能楽、謡に勤しみ、自らの素養を高める努力を怠らず、伝統工芸全般に対する造詣の深さは、自他ともに認める存在である。また、半世紀近くにわたって白山さんの一日詣りを欠かさず続けてきて、現在は白山比め神社の氏子総代を務める。このように幅広い分野にわたる経験と豊富な知見が、欧米の富裕層に対して、自信を持って金沢漆器の本物の魅力を発信する源泉となっていることは言うまでもない。

 

時代に合わせて変化する暖簾の強み​​

 北陸新幹線の開業効果で、来沢するインバウンドの観光客が急増したことも、広坂の地にある能作にとっては追い風。欧米からの観光客は、高額な買い物をすることがたびたびある。これまでの海外展開事業と欧米からの観光客への店頭販売が、同社の売上全体の30%を占めるまでに。海外展開は、通常商社経由で商品を輸出するのが一般的であるのに対し、同社の場合は、出会ったご縁、そしてその人脈を巧みに活用し、岡会長夫妻が二人三脚で、金沢漆器にまつわる周辺の文化的な魅力や奥行きまでも披露しながら開拓してきた、七代目岡能久氏のあきんど人生の集大成と言っても過言ではない。

  

 



      七代目 岡  能久  会長

事業者概要

商 号 株式会社 能作
代表者 代表取締役社長  岡 能之
本 社 金沢市広坂1-1-60
TEL 076-263-8121
URL https://nosaku1780.jp/​

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