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「発酵食大学」と「おたすけママン」で女性の仕事と子育ての両立をサポート!
~ 株式会社ウーマンスタイル
<令和5年度 成長戦略ファンド採択事業>
◇事業名
麹を使った調味料(カレー麹)の商品開発
◇商品名
発酵カレー麹
◇キャッチコピー
女性の声を企業のチカラに。
◇ウーマンスタイル誕生
2000年から6年間、成田由里さんはご主人の転勤先の広島で、子育てをしながら在宅でも働くことのできる、自由度の高い勤務スタイルの会社に勤める。インターネットが普及し始めた頃で、全国各地にいるデザイナーやコピーライター等々の特技を持った働き手にネットを介して仕事を依頼し、いろんな働き方ができることを経験する。地元の金沢に戻ることになり、自らが経験した自由度の高い働き方のできる会社を金沢でもやれないだろうかと考え、仕事と子育ての両立を後押しすると同時に、女性目線の商品開発を企業に提案することを目的に、2008年にウーマンスタイルを起業する。

◇発酵食大学設立の端緒
遡ること10年余り前、金沢市の(株)ヤマト醤油味噌が塩麹を発売するにあたり、主婦層にこの新商品をどのように周知するか、その手法について同社の山本晴一社長から相談を受け、成田さんは主婦を集めて「糀部」という部活動をすることを提案する。早速、主婦を集めて定期的に部活動を開催し、塩麹についての知識を深め、実際に塩麹を使ったメニューを作り、自分たちで調理して食べるといった部活動の運営を始める。タイミングよくテレビ番組で塩麹が取り上げられ、全国的なブームとなり、部活動にも波及効果があった。「毎年同じことをやっていても進歩がないから、何か新しいことを考えて欲しい。」と山本社長から新たな依頼が。石川県には味噌、醤油、酢、漬物、魚醤といったユニークな発酵食品が数多くあるが、いずれも中小企業のため、情報発信が十分ではない。そうした発酵食品の素晴らしさを若い女性目線で見直し、そのメリットを訴求していくことを思い立つ。
◇新規事業として発酵食大学を設立
それまでは麹に限定していたが、取り組む枠を「発酵」に広げ、石川県をキャンパスに見立て、発酵のことを勉強し、発酵食なら金沢だ!全国から金沢へ来てもらおうとのイメージで、「発酵食大学」金沢本校を設立することに思いが至る。北陸新幹線が開業する2年前のことで、「北陸新幹線も開業するから、それは面白いアイデアだ!」と山本社長も賛同。ところが、「自分たちは物知り博士として協力するから、これはウーマンスタイルの事業として自社でやってほしい。その替わり協力する発酵食メーカーを集めるよ。」と、成田さんになかった人脈のサポートを得る。全国から金沢に発酵食を学びに来るプラットホームに育てて行くべく、山本社長の声掛けで、福光屋、高野酢造、金城納豆、四十万谷本舗、ホリ乳業、六星(順不同)の協賛企業が集まる。

◇発酵食を本格的に学ぶ大学院も
そこから専門外のカリキュラムの作成、自社の授業として参加者の受講料で賄える価格設定などを組み立てていく。決して安い受講料ではないが、健康食ブーム、塩麹に端を発した発酵食への関心の高まりが追い風となり、当初はホームページ経由で、最近はインスタグラム経由で発酵食大学のことを知り、全国各地から申し込みが。発酵食大学がスタートして13年目を迎えるが、この間延べ3千人あまりが受講。発酵食大学をスタートした翌年には、石川県立大学の先生の協力を得て、発酵食を楽しむ大学とは異なり、発酵をアカデミックに学ぶ大学院を設ける。すると、発酵食を本格的に学べるところが他にないため、全国から申し込みがあり、とりわけ首都圏と関西圏の人たちの申し込みが多いことから、金沢まで来なくても学べるよう東京校と京都校を設ける。30代から60代の女性が多く、なかでも50代の子育てが終わり、第二の人生を自分の好きなことをやりたいと意欲的な女性が多い。発酵食大学には気軽に自宅で学べるオンライン講座の通信部もあり、人数的にはここが最も多い。

◇大学の認知度アップにつながるオリジナル商品を開発
発酵食大学はモノを売っているわけではなく講座のため、知らない人には分かりにくいことから、認知度を高める一つのツールとして、店頭に置けるような商品を作ってみたいと常々思っていた。既に発酵食のレシピ本を発刊し好評を得ていたことから、それに続いて発酵食カレー麹を作ることに。カレーは子供からお年寄りまで、誰もが好きな国民食で説明の必要がない商品。市販のカレールーには四割近く油脂が含まれているため胃に負担がかかり、ヘルシーではないという欠点を解決できる商品を作りたいと考え、自社で脂質がほぼゼロに近く、小麦粉も使用しないグルテンフリーで、麹がコクを出し、石川県の魚醤(いしる)で風味と奥行きをプラスしたカレー麹を完成させる。一般的なカレールーの替わりに、一人当たり大匙1杯分のカレー麹を入れるだけで、コクのあるカレーが完成する主婦にはありがたい健康食調味料。授業料を払ってまで発酵食を勉強したいとは思わないけど、からだに良くて美味しいものは食べたいというレベルの人を掘り起こす商品でもある。
◇製造を委託する工場探しが難航
レシピは自社ですぐ完成したものの、OEMでなおかつ少ロットで製造してくれる工場がなかなか見つからず苦労する。少ロットに対応できる工場はあっても、カレーを製造するとラインにカレーの匂いが付着して、他の商品が製造できなくなるとの理由で断られるケースの連続。ネットで連日検索し続け、半年余り経過し、ようやく宮城県にある工場で製造してもらえるメドが立つ。レシピを送って試作してもらい、その試作品を100人の主婦にモニターしてもらい、味などの感想を集約し、その意見を採り入れて味を微調整し、発酵カレー麹<280g入り、1,058円(税込)>が完成し、2025年1月に販売を開始。自社オンラインショップで約4,000個、卸売販売で約2,800個を1年間で販売する。県内では、協賛企業のショップのほか、マガジーノカフェ、フォーラスの「ミホンイチ カナザワ」、いい道の駅 のと千里浜などの店頭で購入できる。未開封での賞味期限は8ヶ月。


◇おたすけママンで仕事と家事の両立を支援
家事代行サービス「おたすけママン」は、発酵食大学で発酵食を学び、料理上手で健康的な人が毎年卒業していく中で、誰かの役に立つのなら家事代行サービスをやってみたいという人が増えてきたことから、本格的に家事代行サービス「おたすけママン」をスタート。働いているため、誰かに一時的に助けて欲しい人と、子育てが終わり発酵食大学で学んで、料理をはじめとした家事全般ができる人をマッチングする事業。登録している助けに行くスタッフは40名前後、助けて欲しい登録者は400名近くいる。働くママが多い現代社会にあって、必要不可欠なサービスだけに、今後の伸びが大いに期待できる。

◇カレー麹の好評を受け、次なるシリーズ商品も
初のオリジナル商品であるカレー麹が順調な売れ行きのため、次なる新商品の開発に向けて試作中とのことで、どんな新商品が誕生するのか、今から楽しみである。女性にとって仕事と子育ての両立はいつの時代にあってもなかなか大変なテーマであり、企業や地域が一体になってサポートする体制が確立できない限りは、なかなか簡単に解決できないが、一人でも多くの働くママさんの子育てと仕事の両立をサポートするべく、18年前に産声を上げたウーマンスタイルの活動が、ここへきて充実度を増してきていることを実感すると共に、更なるチャレンジに向けて気持ちを新たにする成田さん。オリジナル商品のカレー麹を発売した流れで、そう遠くない将来に発酵食のメニューを提供するレストランをやってみたいと思い描く。発酵食大学とおたすけママンの二本柱で、成田さんを含め4名のスタッフの中に成田さんの長女が若い戦力として加わり、これまで蓄積してきた経験とノウハウに若い発想が加わり、新たなウーマンスタイルの一挙手一投足から目が離せない。

成田由里 社長
◇事業者概要
・商 号 株式会社ウーマンスタイル
・代表者 代表取締役社長 成田由里谷内 充
・本 社 金沢市新保本4丁目53
・TEL 076-227-8062
・URL https://www.woman-style.jp/