ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 石川ブランド製品認定制度 > 「心」のこもったビジネスで、セーフシティ実現に邁進!

本文

「心」のこもったビジネスで、セーフシティ実現に邁進!

印刷ページ表示 更新日:2021年3月1日更新

ダイワ通信 株式会社

   新型コロナウイルス感染症が世界中に拡大し、マスクと手指消毒用アルコールが、ドラッグストアの店頭から消えたのが令和2年3月のこと。と同時に、感染が疑われる発熱者と健常者を識別するための検温が定着する。

   その検温とマスク着用を瞬時に識別し、入室管理に威力を発揮しているAI体温測定顔認証端末『FACE FOUR』を発売し、一躍脚光を浴びているのが、金沢市に本社を置くダイワ通信株式会社である。同社の岩本秀成社長にお話を伺った。

コロナ禍に対応した新商品を発売

  同社では、アクセスコントローラーとして、入室時に顔認証する装置を既に自社商品として販売していた。令和2年2月、中国で高熱が出る感染症が発生したとの情報を得ると、即座に温度検知センサーを発注。従来からの顔認証装置に温度検知センサーを組み合わせることで、顔認証と体温計測を瞬時にでき、なおかつ音声で「正常な体温です」「マスクをしてください」と喋るAI体温測定顔認証端末『FACE FOUR』を商品化する。

   使用しているパーツは、一部輸入しているものもあるが、それらを全て野々市市の工場で組み立てているメイドイン石川の商品。令和2年5月から受注をスタートし、6月から出荷を開始する。

   現在では、(株)リコーと綜合警備保障(株)(ALSOK)がメインの卸先で、その他多くの警備会社や医療商社等を通じて全国に販売されている。

ダイワ通信 FACE FOURダイワ通信 FACE FOUR

販売状況の推移

  「当初はどれぐらい出るか見当もつかなかったことと、温度センサーが世界中で取り合いになっていたこともあり、とりあえず2千台分だけ確保して走り出しました。」と振り返る。ところが、1ヶ月足らずで2千台の受注を突破したため、かなりの需要が見込めると判断し、その後1万2千台分のパーツを確保。令和2年11月時点での販売台数は、8千台を突破しており、令和3年3月頃までに1万2千台を超えると予測している。

ダイワ通信3

人に続いて熊用も開発中

  同社では、石川県立大学の大井徹教授と「FACE BEAR(熊認証)」の開発を進めている。近年、住宅街に熊が出没し、けが人が出ていることから、熊の出現を感知して危険を知らせる一助になればとの発想で、令和3年春の発売に向け、5万枚あまりの熊の画像データを収集し、実証実験を繰り返している。

ダイワ通信4

セキュリティー事業を譲り受けたことが躍進の端緒

  同社がセキュリティー分野に本格的に参入したのは、(株)シーピーユーのセキュリティー事業を譲り受けたことがスタート。5名の技術者と共に譲り受けた部署が、現在は55名になり、大きく成長している。もちろん、今日まで伸びてくることができた背景には、内灘町長を務めた岩本社長の父親の人脈に依るところが大きく、「多くの皆さんに応援していただけからこそ今日がある。」と感謝することしきり。譲り受けた当時のセキュリティー部門は、年商1億3千万円だったが、それから7年で40億円を超えるまでに成長している。

ダイワ通信5

国家戦略特区のオープンラボに参画

  IT、IoT、AI時代の到来で人々の暮らしが大きく変わり、テクノロジーを用いて誰もが安全で、安心して便利に暮らせるセーフシティの仕組みづくりのサポートを、次なるビジネスの柱にしたいと考えている。セーフシティでは、街全体を監視カメラで一括管理でき、顔認証システムがビッグデータと連動し、過去の犯罪歴の有無が瞬時に分かり、危険人物と特定されれば、その人の行動を監視し、犯罪を未然に防ぎ、人々の安全を守る。また、AIを用いた自動運転によるAIタクシーが街中を走り、人の安全な輸送に貢献し、今までにない世界が実現する。さらに買い物は、入店して商品をピックアップすると顔認証で決済され、現金やカードが無くても買い物ができる便利な世界になる。そうした新しい未来を創り出すことを目指し、自治体と協働で進めていく考えだ。

プレミアム石川ブランドを受賞

  「石川県のプレミアム石川ブランドに選んでいただけたことは、コロナ禍にあって、自社の製品力を評価していただけた証で、私自身も大変嬉しかったですし、社員たちにも大きな励みになりました。この賞をいただいたことに恥じない会社に邁進すべく気を引き締めています。当社はもちろんですが、石川県から全国に新製品だけでなく、さまざまなことを発信していける企業がたくさん出てくることを願うと共に、石川、金沢が日本を代表するネームバリューに育つことにつながればと願っています。」と感慨も一入のよう。

ダイワ通信6

さらなる新製品も発売

   東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、従来の『FACE FOUR』は、屋内では正確な体温検知ができるが、屋外になると風や外気温の影響を受け、正確さに欠ける。そこで、新たに手首を装置のセンサー部にかざすことで、屋外でも正確に体温が検知できる新機種『FACE FOURプラス』を発売した。これは顔で正確に検温できなかった場合に、「手首をかざしてください」とアナウンスし、手首で検温する機能がプラスされた優れもの。

新商品開発のポイント

  「私自身はアイデアだけでここまできた人間だと思っています。何かと何かを一緒にしたらどうなるだろう。そうした角度から物事を常に考えています。」と謙遜する。異なるものを融合することで、どんなイノベーションが起こるのか、全てそういう発想が原点にあり、始まりは漠然としていても、それを突き詰めていくことで、新たな発見につながる可能性を導き出してきた岩本氏の感性の賜物である。

次代に向けて

 コロナ禍に必要とされる商品を発売できたことで、業績も好調の様子。「創業以来、度重なる危機があり、その都度大変でした。とりわけ、リーマンショックの時は、倒産の危機に直面した経験もあるだけに、常に環境に柔軟に対応できる体制を整えておく必要性を痛感し、構えてきたことが奏功したと思っています。今後の荒波に備え、無借金経営を目標に掲げて邁進していたところ、今回の好調な業績のおかげで、前倒しで実現できそうです。」と顔をほころばす。

  携帯事業からスタートし、インターネットの世界に関わってきて、防犯カメラとネットがつながることに魅力を感じ、(株)シーピーユーからセキュリティー事業を譲り受けたことでビジネスの領域が大きく広がった。「父親の幅広い人脈のおかげで、多くの方々に支えられて今日があることへの感謝を忘れず、セーフシティ構想の実現に当社が大きく貢献できるよう走り続けたい。」と、情熱溢れる言葉で取材を結ぶ。

ダイワ通信 本社外観    岩本社長

   本社外観                     岩本社長

会社情報

 
社名 ダイワ通信 株式会社  
代表者 代表取締役社長  岩本秀成
住所 石川県金沢市入江2-180 
TEL 076-291-4000
URL https://www.daiwawa.com

いしかわ商品カタログサイトへのリンク

DGnetサイトへのリンク