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醸しのものづくりで能登の魅力を高め 持続可能な企業活動に勇往邁進!

印刷用ページを表示する更新日:2021年3月1日更新

数馬酒造 株式会社

  明治2年、能登の地で創業した数馬酒造。5代目蔵元・数馬嘉一郎社長は、「能登を醸す」を経営理念に、新しい時代の酒蔵の在り方を追求すると同時に、能登の地でSDGsを実践する企業として、2015年には季節雇用の杜氏制の酒造りから社員がメインの酒造りに移行。その後、わずか5年でIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)SAKE部門純米酒カテゴリにおいて金賞およびリージョナルトロフィーを受賞し、世界に認められる。酒造業界に新風を吹き込んだ同社が、「竹葉 日本酒で仕込んだ加賀棒茶リキュール」を商品化。地域資源を活かした独自色の強い取り組みが評価され、令和2年度プレミアム石川ブランドに認定される。SDGsを経営指針に据える数馬社長にお話を伺った。

能登の自然に感謝し、その恩恵を導き出す

 24歳で社長に就任して以来、昔ながらの酒蔵という商いから永続できる企業へと脱皮すべく、あらゆる見直しに着手する。その考え方の柱は、能登で育った酒米を使い、能登の水で仕込み、100%能登産の原材料でビジネスモデルを構築すること。2014年から能登に点在する耕作放棄地を蘇らせることを目標に、パートナー農家の協力のもと耕作放棄地の開墾をスタート。耕作放棄地を水田に変え、さらに米の栽培を行うプロジェクトを先頭に立って推進し、2021年現在までに東京ドームおよそ5個分にあたる耕作放棄地の削減に成功する。その延長線上で、能登島の住民が20年ぶりに能登島の耕作放棄地を水田に生まれ変わらせ、育った酒米を原料に醸造した「純米 能登島」を商品化。農家も同社も能登島の自然も喜ぶビジネスモデルを実現。ちなみに、一升瓶1本分の「純米 能登島」を飲むことで、畳2枚分の能登島の水田が守られるという。

数馬酒造1   数馬酒造2

持続可能なものづくり体制の構築

 「子供の頃から、杜氏さんや蔵人さんたちが仕込みの時期になると蔵に泊まり込みで働いてくださる様子を見てきました。」と述懐する。「持続可能なものづくり」を掲げる上で、従来の労働体制を見直す必要性を感じていた。とはいえ、いきなり180度方向転換できるはずもなく、さまざまな調整を時間をかけて進めながら、2015年に満を持して季節雇用の杜氏制の酒造りから社員がメインとなる酒造りへと切り替えた。醸造責任者に大学で醸造学を学んだ社員を据え、社員が一丸となり英知を結集し、試行錯誤を繰り返しながらチームワークで行う酒造りに日々邁進する。

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能登全体を視野に入れたSDGsへの取り組み

 働き方改革を着々と進めていく中で、石川県が認定するワークライフバランス企業宣言や男女共同参画推進企業にも手を挙げ、誰もが働きやすい職場環境づくりにも注力。他にもSDGsの一貫として、廃園になった保育園の建物を活用して同社の祖業でもある醤油醸造施設にリニューアル。それに続いて、2019年には、能登町柳田地区にある廃業したワイナリー設備を同社のリキュール製造施設として利活用する。そうした取り組みをしていた時期に、金沢市内の経営者の集まりの席で、数馬社長が自社のSDGsへの取り組みについて講演する機会があった。そこに参加していた(株)茶のみ仲間の西上寛社長から、加賀棒茶※を日本酒で仕込むリキュールづくりを提案される。西上社長は、日本茶は古いものではなく、現代の暮らしの中においても必要不可欠なものとして、日本茶のある生活を提案しながら、伝統産業や産地を守ることを企業理念としていて、このような想いが数馬酒造の取り組みと共鳴した。

※加賀棒茶は石川県茶商工業協同組合の地域団体商標です。

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日本酒で仕込んだ加賀棒茶リキュールの誕生

 早速、試験醸造をスタートさせ、使用する棒茶の品種や量、日本酒に浸す時間、引き揚げた後の風味の変化など、あらゆる項目について開発担当者が試行錯誤を繰り返し、半年余りを要してリキュール蔵移転後初のコラボレーションによる「竹葉 日本酒で仕込んだ加賀棒茶リキュール」が誕生する。日本酒で仕込んだ加賀棒茶のリキュールは、県内でも初の試みだっただけに、様々な壁にぶつかったであろうことは想像に難くない。念のため加賀棒茶について説明すると、加賀地方を発祥とする茶葉ではなく茎を伝統製法によって焙じあげたほうじ茶のこと。独特の芳しい香りが特徴で、昔から石川県民に親しまれてきている。日本酒で仕込んだ加賀棒茶リキュールは、加賀棒茶の柔らかでほのかに甘く香ばしいかおりが心地よく、口に含むと棒茶の旨味とともにすっきりとした日本酒の味わいが楽しめる。

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数馬酒造のSDGsへの取り組みが華開く

 本業の清酒事業を軸足に、持続可能な能登の未来を創るため、能登の自然と文化、そして産業を次世代につなぐことが同社の使命と捉え、自分たちにできることは何かを追求し、この視点が数馬酒造の商いの枝葉として広がりを見せている。そうした活動の成果として、「竹葉 日本酒で仕込んだ加賀棒茶リキュール」が令和2年度のプレミアム石川ブランドに認定された。「2018年の竹葉 能登牛純米に続いて2回目の受賞で、社員を挙げて大変嬉しく思っており、日頃の取り組みをご評価いただけたことに感謝しています。」と顔をほころばす。この受賞に続いて、同社の「竹葉 生酛純米奥能登」がインターナショナルワインチャレンジ(IWC)の純米酒部門において、金賞・リージョナルトロフィーを受賞。能登の酒蔵では初の金賞受賞とあって、「嬉しかったと同時にほっとした。」と素直な気持ちを吐露。従来の酒造りではなく、若い社員たちが暗中模索で試行錯誤しながらの酒造りにチャレンジしてきていただけに、IWCの金賞を受賞したことは、社員をメインにした酒造りに大きく舵を切った数馬社長にすれば、胸を撫で下ろすことができた安堵の賞に他ならない。

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    谷本知事に受賞報告(写真右が数馬氏)

厳しい時こそ次なるステップへの足固め

 コロナ禍で飲食・宿泊業が大きなダメージを受けている中で、当然のことながら同社の売上減は否めない。「経営者として人が動かなくなる社会が現実になるリスクを想定していなかったことは、大いなる反省点です。」と自らに厳しい評価を下す。その一方、「コロナ禍で自社を見直す時間ができたことで、自分たちのビジョンやミッション、理念について社員さんと共に再確認するいい機会になりました。」と満足げに語る。「能登」「醸す」は同社にとって不可欠なもの。能登にあるすべてのものの魅力を最大限引き出すこと、自社の活動が能登の繁栄に少しでも結びつくことを意識した経営を社員と共に肝に銘じる。世界農業遺産に認定された「能登の里山里海」には、まだまだ多くの可能性があり、そこに光りをあて、磨きをかけ、価値ある商品に生まれ変わらせる、そんな能登の魅力創造業が、数馬酒造の目指す次なるステップであろう。

数馬酒造 本社外観   数馬社長     

本社外観                    数馬社長       

会社情報

 
社名数馬酒造株式会社  
代表者代表取締役  数馬 嘉一郎
住所

石川県鳳至郡能登町宇出津へ-36

TEL0768-62-1200
URL

https://chikuha.co.jp/