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半導体レーザと自動機械制御技術を組み合わせ 自在に形状を作り出すレーザ加工の新装置を開発!

印刷用ページを表示する更新日:2019年12月16日更新

株式会社 村谷機械製作所

昭和23年の創業以来、工作機械、産業機械の製造・販売で確固たる地位を築いている株式会社村谷機械製作所が、次世代レーザ技術と呼ばれている「半導体レーザ(DDL)」に、「自動機械制御技術」を組み合わせ、新たな装置を世に送り出す。それが産学官連携で開発に取り組み、製品化した高精度レーザクラッディングシステム[ALPION]であり、令和元年度のプレミアム石川ブランドに認定される。同社製品開発課の左今佑課長にお話を伺った。

レーザークラッディングって何?

現在の同社の主力事業は、顧客の工場の生産設備をほぼフルオーダーで、専用機を製造して納める仕事。製品では、エンジン部品の油分を除去する洗浄機やたばこのフィルターに使う紙ロールを自動で交換する機械が出荷台数ベースで主力である。そんな中、新事業分野として10年余り前から取り組み始めたのが半導体レーザだ。入社以来、レーザ分野一筋の左今課長に、レーザクラッディングとは何かを伺うと、「職人さんが、溶接棒を手に持って溶かしながら行う従来の肉盛り溶接の技術を高精度化した加工で、レーザで金属粉末を溶かすと同時に、部品の欠損部分を精密に補修することができる技術のことです。」と説明いただく。大きな部品の補修は、従来のやり方で問題ないが、小さい部品の角を補修するような場合は、レーザ以外の熱源で行うと、補修する部位以外の周辺部まで溶かすリスクがあるだけでなく、金属が高温になることで、部品にひずみが発生するデメリットがある。その点、レーザはピンポイントで加熱し、必要な箇所のみ溶接補修できることが最大のメリット。

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歯の欠損      肉盛補修     機械加工仕上   

内閣府のSIPに採択され、共同研究が加速

この開発は、世の中に3Dプリンターが出始める前から、大阪大学、石川県工業試験場、村谷機械製作所の3者が共同研究で進めてきたもの。最初の頃は、金属の粉を敷き、それを自社開発のレーザで溶かし、肉を盛ったりする簡単な溶接試験を繰り返していた。そんな中で、レーザの照射と同時に金属粉を吹き付けて溶接加工できないかと閃いたことがきっかけで、この装置の開発がスタート。試行錯誤を繰り返す日々が続き、ようやく試作機ができ上がる。そんなタイミングで内閣府管轄の委託研究であるSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)に、大阪大学と日本原子力機構の共同研究が採択され、そのグループの研究の一つとして同社との取り組みがあったことで、研究開発が加速する。

レーザと材料の同時投入で差別化

金属粉で肉盛り溶接することは従来からある技術で、特に海外では多くの加工機械もあることから、同じものを作っても意味が無く、差別化できる特徴が不可欠だった。いかにして差別化を図るか、来る日も来る日も考えを巡らせる。大きな部品を加工する出力の大きなレーザは機械本体も大きくなり、価格も高額になる。その上、小さな部品の加工がうまくできなくなるデメリットがあった。そうしたことから、小さな部品専用の小型で低価格のレーザ加工機の開発に注力することに。既存のレーザ発振器は、出力の高いレーザをレンズで絞って照射するのに対し、同社のレーザ発振器は、レーザを何本も用意し、自由に配置できる上に、対象物の形状に合わせて調節できる点が大きな特徴。最難関は金属粉末をいかに供給していくか、安定して供給できる供給機の開発に、3年あまりの歳月を要したという。同社独自のクラッディングシステムは特許申請中であるが、さらに高いレベルを指向し、現在も改良を続けている。

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「ALPION」に託す熱い思い

製品名の「ALPION」の由来を伺うと、何もないところから形状を創り出す錬金術(alchemy)と先駆者(pioneer)の頭文字を合体した造語とのこと。将来的には複雑な形状の造形も可能になるような装置が作れたらとの熱い思いが込められている。「子供の頃からモノづくりが好きで、同じ作るなら面白いモノを作りたい。まだどこも手がけていない、何だこれは?と思ってもらえるモノを作りたい。そんな思いで取り組みました。デザインは専門ではありませんが、自分なりにこだわりました。」と苦笑する。

諦めない、日々チャレンジあるのみ

試作したものの悪いところを微調整し、製品を評価し、また微調整する。それを日々繰り返し、ようやく納得できるものが出来上がる。この繰り返しこそがモノづくりの原点であり、左今課長の製品開発一筋の歩みでもある。これからの時代を見据えたとき、蓄積してきた技術をいかに若手に継承していくかが大きなテーマでもある。「レーザの分野に限れば、うちは何も知らないところからスタートしています。レーザと一口に言っても、加工する材料の知識、溶接の知識・技術等々さまざまなことが求められます。そうした時に専門知識を有する大学や工業試験場から知恵やアドバイスをもらえたことでこの製品が出来上がっているわけで、うち1社だけではできなかったと思います。その意味で、産学官の共同研究はとてもありがたい。」と笑顔に。他にない製品、顧客が求める専用機、オーダーメイドの機械設備の製造と、常に新しいもの、顧客が求めるもの、その視点でモノづくりを追求し、キラリと光る技術力を武器に、さらなる躍進を遂げる村谷機械製作所である。

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製品開発課 左今佑 課長

会社情報

 
社名株式会社 村谷機械製作所  
設立昭和23年10月
代表者村谷 實
住所石川県金沢市東蚊爪1-32 
TEL076-238-5115
URLhttp://muratani.co.jp/         

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