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諦めないモノづくりの魂、チャレンジ精神を発揮し、下水道維持管理ロボット「スーパーミニモグプラス」を開発!

印刷ページ表示 更新日:2021年12月1日更新

株式会社 北菱

   日本の高度経済成長に伴って全国に普及した下水道だが、敷設から50年を超え、その老朽化がいま自治体にとって頭の痛い問題になっている。人口減少が進み税収増が見込めない時代にあって、救世主として脚光を浴び始めたのが、下水道管の中に溜まった堆積物や汚れなどを人間に代わって除去作業する下水道維持管理ロボット「スーパーミニモグプラス」だ。この分野で全国シェアトップを争うのが、小松市に本社を置く(株)北菱(代表者 谷口直樹)である。令和3年度のプレミアム石川ブランドに認定された同社製品について、岸野外茂彦次長、宗方航也次長にお話を伺った。

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スーパーミニモグプラス

長く地道な研究開発の道程を経て、漸く花開く

 同社がこの分野に着手したのは、遡ること37年前の1984年である。その頃は、下水道の保守管理が確立しておらず、とある建設会社から下水道管理の仕事への協力依頼を受けたのが端緒。文字通りゼロからのスタートで、何度も改良を繰り返し、部品の破損やケーブルが切れるなどのトラブルに度々見舞われながら、世の中にないモノを作るというチャレンジ精神、お客様のニーズに応えたいという情熱が開発スタッフの背中を押し、約1年後、下水道管専用カメラロボットの国産第一号機である「北菱キャッチカメラ(HCC450)」が誕生する。同社の事業は、溶接板金による建設機械部品の製造がメインで、売上の8割を占める。一方で下水道事業部門は、37年前から大きな伸びはなかったものの、やめることなく継続して取り組んできた地道な努力が、7~8年あまり前から日の目を見る。大都市圏を中心に、国の予算もつけられ下水道管の延命化工事が増加したことに伴い、年々需要が伸びてきている。かつては道路を掘って新しい管に取り替えていたが、これは費用が嵩むため、近年は堀削せずに下水道管を維持管理する手法にシフト。同社にとって追い風が吹き始める。

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下水道専用カメラロボット

北菱にしかないモノづくり、独創技術で高付加価値化

  ところが、下水道管もコスト削減を目的に口径が小型化されたため、同社のロボットが管内に入れないことに。そこで、ロボット本体のより一層の小型・軽量化に取り組む。小型化してもパワフルに稼働し環境負荷のないエアモーターの採用と同社の独自技術を駆使し、先端部分のアームが360度無制限に回転(同社の独創技術)することで管全周方向のゴミ除去が可能となった。これらの工夫により、商品価格の大幅な低減化(ロボット本体600万円)を実現した下水道管専用ロボット「スーパーミニモグ」が誕生する。ロボット本体の小型化により、口径15cmの管内にも投入できるようになり、これが最大の強みとなる。その後も改良を重ね、機械といえども見た目の美しさも性能アピールに重要なことから、県の専門家派遣制度を活用し、ロボット本体の形状デザインを見直し、「スーパーミニモグプラス」が誕生する。本体のスリム化で丸みをおびた美しいデザインが評価され、グッドデザイン賞ならびに県のエコデザイン賞を受賞する。先述の下水道管の延命化(更生)工事の場合は、管内部の掃除をしたあと樹脂の膜で覆って補強していくため、家庭からの枝管の本管への出口を塞いでしまう。もともとはそこに穴を開けて汚水が流れるようにする機械(穿孔機)でもある。しかも、穴を開けて終わりではなく、切り口の毛羽立ちまでアタッチメントを交換することで、きれいに磨いて仕上げるという優れものだ。

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これからが本領発揮の時

  下水道関連機器のシェアは、全国ベースでは競合社と半々ではあるが、ロボットのアフターメンテナンスまでできる会社は他になく同社の強み。「下水道管以外にも、老朽化していくパイプには、水道管もあればガス管もあります。これになるともっともっと小さなロボットでないと中に入れません。そうした不可能なものを可能にしていく挑戦こそが、当社の創業以来受け継がれているチャレンジ精神です。」と宗方さんは力を込める。「スタートした頃は殆ど需要がなかったにもかかわらず、諦めずに事業を継続してきた。これからは日本中の下水道管はもとより水道管も寿命を迎えるところばかりになるため、延命化工事の伸びは天文学的なものがあり、これからが本番です。」と岸野さんは胸を張る。

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   設計風景              下水ロボットデモカー

小型軽量・低価格化・独創技術で海外も視野に

  ロボット本体の小型軽量化、低価格化に合わせ、ロボットを操作するコントローラーのコンパクト化にも成功。現在はアタッシュケースぐらいのサイズだが、将来的には、タブレットサイズにまで進化させていく取り組みの真っ最中。コンパクトで持ち運びが便利になったことから、JICAと地銀のサポートを受け、海外市場への輸出も射程内に。下水道普及率が高く、保守管理の需要が出始めているマレーシアへの進出を皮切りに、東南アジア各国に売り込んでいく腹づもりだ。

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                       小型化されたコントローラー

「MADE IN HOKURYO」ブランドの確立に向け邁進

  2019年に、地方の一企業である同社が、三菱航空エンジンとの取引に漕ぎ着けたことは、同社の技術力の高さを物語る証拠でもある。「昭和48年に下請けだけでなく、自社製品を作りたいとの初代社長の熱い思いが今日の北菱の基礎であり、先代社長が北菱にしかできないモノづくりに力を注ぎ、チャレンジ精神、独創技術、継続は力なりの社風が受け継がれて今日の我が社があります。下水道維持管理ロボットと言えば北菱のスーパーミニモグプラスと言われるよう「MADE IN HOKURYO」ブランドを確立し、北菱の技術で世界に夢を広げてもらいたい。 

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航空機エンジン部品

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岸野外茂彦 次長       宗方航也 次長

会社情報

 
社名 株式会社 北菱  
代表者 谷口 直樹
住所 石川県小松市長田町イ18 
TEL 0761-21-3311
URL https://kabu-hokuryo.com

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