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農薬・化学肥料不使用の金澤美人れんこんをすりおろし冷凍れんこんキューブに!

印刷ページ表示 更新日:2021年12月1日更新

農事組合法人One

   近年、様々な場面で目にし、耳にするようになった言葉にSDGs(持続可能な開発目標)がある。この考え方を日本人の食を支える農業において、土づくりからはじまる循環型環境農法として実践する農事組合法人One。自社で生産する金澤美人れんこん(加賀れんこん)をすりおろして冷凍した「すりおろし冷凍れんこんキューブ」を商品化し、令和3年度のプレミアム石川ブランドに認定される。同社副代表の宮野義隆さんにお話を伺った。                     

安全、安心な農業に邁進

 代々米農家の宮野家は、長男の一さんは米づくり、次男の義隆さんはれんこん栽培に取り組む。米づくりは冬場に仕事がなく、れんこん栽培は夏場に仕事がないため、互いに手がすいている時期に作業を手伝っていたことから、2013年に農事組合法人One(みんなの心を一つに、二つの事業を一つに)を設立。化学肥料や農薬を一切使用せず、酵素入り鶏糞を使った安心・安全な土づくりからスタートし、安全な育成に努め、ベストな実りのタイミングで収穫する。こうした一連の循環型環境農法を確立し、維持継続すべく邁進している。と同時に、どんな情熱と思いを持って農業に取り組み、収穫したものを世の中に送り出しているかを、ホームページで情報発信。「自分たちの作ったお米や野菜を問屋さんに扱いたいと思ってもらうためには、何をどうすればいいか、自分たちの農業に取り組む姿勢、情熱を理解していただき、いろんな方々のお力をお借りし、そうしたご縁の輪の広がりで、たくさんのお客様ができ、本当に皆さんのおかげです。」と笑顔で語る。

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お客様の声が商品化のきっかけ

 同社では、スーパーの店頭で金澤美人れんこんを試食販売する際に、すりおろしたれんこんをホットプレートで焼き、ソースをかけたものを試食してもらっている。その時に、お客さんから「れんこんは食べたいけど、1本は量が多すぎるし、すりおろすのが大変だから、すりおろしたものはないの?」との声をたびたび耳にしていた。とはいえ、飲食店などへの業務用として、以前からすりおろしたれんこんのペーストを冷凍して1kgのパックを販売しているが、さすがに一般家庭でこの量は使い切れない。何とか小分けにできないだろうか、と思ったことが商品化のきっかけ。実は、宮野さん宅では、昔からすりおろしたれんこんを製氷器に入れ冷凍して使っており、この発想で商品化がスタートする。

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れんこんの常在菌をいかになくすか

  商品化に向けた試行錯誤の過程で最も苦労したのは、れんこんは泥の中で栽培するため、土中の常在菌が付着している。これら食中毒の原因となる菌が、掘り出した収穫時からすりおろして冷凍するまでの間のどの工程で最も多いかを調べ、特定できた工程でいかにして殺菌するか、食品加工会社、検査機関と一緒になり、食中毒が絶対に発生しない殺菌処理方法ならびに冷凍手法を確立するのに1年あまりを要する。加熱調理することで菌は死滅するものの、全てのお客さんがそうするとは限らず、万が一にも火を通さずに口にして事故が起きてからでは取り返しがつかないことから、念には念を入れ、殺菌には万全を期している。

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栄養価豊富なれんこんを食卓に

 れんこんには、美肌効果・抗酸化作用・免疫力アップに効果的なビタミンC、動脈硬化予防にはたらくパントテン酸、血圧を下げるカリウム、他の野菜にはあまり含まれていないマンガンが含有されている。すりおろし冷凍れんこんキューブであれば、冷凍庫から出して必要な量だけすぐ使え、残った分はまた冷凍保存すれば、いつでもまた使える利便性と手軽さこの上なしの商品。れんこんは他県でも栽培されているが、すりおろして食べるのは金沢独特の食べ方とか。金沢では、昔から産後の母親に、母乳が出やすくなるようにれんこんのすりながし汁を食べさせる風習がある。そうした栄養価の高さに目をつけ、赤ちゃんの離乳食にも手軽に使え、農薬・化学肥料不使用の安心安全な冷凍れんこんキューブとしてもアピールしている。

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効率的な栽培方法も開発

 従来までの青果用れんこんは、栽培する水位が深く、泥水に浸かっての収穫作業は、時間と手間がかかるため、効率が著しく低下してしまう。そうした中から掘り起こし、見映えが悪く、成育不足のいわゆる規格外のれんこんを加工用にしていた。そこで、栽培する水位を浅くし、作業効率をアップさせることで、コストを抑えられる加工専用のれんこん栽培法にも取り組み始めている。水位が浅くなる分、青果用ほど大きくならず形も悪いものの、味は全く同じで、加工する分には全く問題なく、収穫作業が楽になり、効率よく掘り出すことができる。

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売れ行き好調なスタート

 冷凍食品のコーナーにある野菜は、さといも、ブロッコリー、ほうれん草などだが、ほとんどが輸入材料であり、国産はほんの一部、しかもすりおろしたれんこんの冷凍品は、国内に競合する商品がない。そうしたことを踏まえ、冷凍庫から出せばすぐ料理に使えるすりおろしたれんこんとして、1パック12キューブ入りで695円(税別)という価格設定に。金沢市内では、2021年春から同社の本社直売所、カジマート、六星むっつぼしマーケットで販売を開始し、初回生産の300パックを完売。この10月から第二弾の製造が始まっている。「この商品が、プレミアム石川ブランドに認定されたことで、県外に持っていく時に、石川県が認めてくれた商品として売り込みやすくなりました。これは、デザイナーさん、加工会社さん、当社スタッフから成るチームでいただけた賞です。と同時に、受賞できたおかげで自社商品を多方面に発信していただくこともできました。」と感謝することしきり。

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農業の働き方改革にも邁進

 農作業におけるデジタル化にも積極的に取り組んでいる。れんこん畑の水温がスマートフォンで随時確認できると同時に、温度変化のデータを集積していくことで、将来的に、温度・湿度・水温・天候などの情報データをAIに入れることで、いつどんな作業をするのが最適なのかを教えてくれるソフトができるのではないかと期待をかける。また、トヨタの生産方式を6年余り前から導入し、社員が畑に作業に入る時と作業を終えて出る時に、センサーが感知し、その情報がマートフォンに届く。日々の作業についても、各自のスマートフォンに、今日はこの田圃とこの田圃の除草作業をやって下さいといった指示が届く。田圃に入る時にセンサーが社員を感知し、音声で「作業開始して下さい」とのアナウンスが流れるとのことで、作業工程のムダを省き、効率をアップする農業の働き方改革を実践し、金沢市才田町産の宮野野菜・宮野米の魅力アップに余念がない。

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                副代表 宮野 義隆 氏

会社情報

 
社名 農事組合法人One  
代表者 宮野 一
住所 石川県金沢市才田は68
TEL 076-255-1581
URL https://www.one2013.com​

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