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羽毛に匹敵する暖かさ、軽さを、地球環境に優しくホコリの出ない合繊で実現!!

印刷ページ表示 更新日:2022年12月22日更新

金田繊維株式会社

コロナ禍になった直後、国内のドラッグストアからマスクが消え、中国製の不織布マスクが高額で転売されていたことは記憶に新しい。自社のレース編み技術を応用し、不織布マスクの耳ゴムを製造し、コロナ禍にあって右肩上がりの金田繊維株式会社が、自社の糸加工技術を応用し、羽毛に匹敵する暖かさ、軽さを実現するミルフィーユ構造でホコリの出ない新素材「Nomi Warmer」を開発。令和4年度プレミアム石川ブランドに認定される。同社の金田友彰代表取締役にお話を伺った。

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合繊の組み合わせで、羽毛に負けない人工繊維を開発

遡ること10年余り前、鳥インフルエンザが全国で流行し、何百万羽もの水鳥が殺処分され、天然羽毛の価格が跳ね上がった。そんな過去の事例があったことから、ある大手原糸メーカーから同社に、人工物で羽毛の代用になるような人工羽毛を作れないかとの打診を受ける。合繊の織物で、風合いがふわふわで保温性の高い商品を作るにはどうすればいいか。それから数年の歳月を経て、シート状に編んだものを何層にも重ねることで、羽毛に匹敵するふわふわ感、空気層が多くできることで温もりが蓄えられ、熱を逃さない構造にできるだろうとの方向性に辿り着く。100種類あまりの素材で試作を繰り返した中から、テイジンの高性能PTT繊維であるソロテックス長繊維を特殊撚糸セットして嵩高を確保した特性糸に加えて、旭化成ベンベルグ(キュプラ)長繊維(吸放湿性能)を特殊編立の柱に使用する組み合わせがベストマッチであることを発見する。

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ミルフィーユ構造への道を拓き、商品化へ

糸の組み合わせは決まったものの、このシート状の生地をどのようにしてミルフィーユ状の構造にするかは定かではなかった。ふとん店に持ち込み、このシートを中綿の代用にしてふとんの試作を依頼するも、なかなか商品化につながらず足踏み状態が続く。コロナ禍になる前年、「シート状のロールをいくつか並べ、それを一緒に引っ張って重ねたものをさらにロールに巻き付けたらいいのではないか。」とのアイデアを顧客から授かる。何層にも重ねた生地ロールを完成させてメーカーに持参したところ、「これならふとんにもできるし、洋服の中綿の代用にもなる。」との太鼓判を得る。ホコリが出ず、天然羽毛と異なりニオイがなく、アレルギーフリー、自然環境に優しく、SDGsにぴったりな素材として高く評価され、大手スポーツ用品メーカーのジャケット等の中綿素材として同社の「Nomi Warmer」が採用され、既に商品が店頭に並んでいる。

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瓢箪から駒を出す

商品化にこぎつけたことから、多くの人に自社商品を知ってもらいたいと考え、小松空港での商品展示を県に申し込んだところ、石川ブランドへの応募を提案される。金田氏自身は、石川ブランドへの応募は全く考えていなかったものの、受賞できれば空港で展示できる可能性が高まることを知り、促されるまま応募したところ、令和4年度プレミアム石川ブランドの認定を受ける。「10年あまりの試行錯誤を経て、ようやく日の目を見た商品だけに、受賞できた感慨は一入でした。」と顔をほころばす。

天然羽毛に匹敵する「Nomi Warmer」の特徴

ホコリが出ないダストフリーな素材であることが、天然羽毛や綿との最大の違い。軽さと暖かさの点でも天然ダウンに匹敵するものがあり、「Nomi Warmer」を中綿に使用したジャケットを着ると、わずか27秒で2.2度上昇することが検証されている。人工中綿生地そのものが非常に伸縮性に富み、天然羽毛と異なりシート状の生地であるため、中綿の解離や偏りがないことからキルト縫製が不要。通常のダウンジャケットのように羽毛の偏りを防ぐキルティング加工が必要ないため、デザイン面での自由度が高く、よりファッション性・ストレッチ性のある商品づくりを実現。人工繊維のため、獣毛アレルギー発症の問題もなく、動物保護にもつながり地球環境にも優しい素材。価格面でも、天然羽毛に匹敵する機能を有しながら3分の1程度に抑えられることも強み。

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大きな可能性を秘めたヒット商品の可能性大

当初の目的であった天然羽毛の代替需要を取り込む観点から、寝具類への商品展開を志向している。原料であるソロテックスはリサイクル系ポリエステルで、ベンベルグは端材・副産物であるコットンリンターを利用しているもので、SDGsの観点からも非常にエコな素材。令和4年10月、東京ビッグサイトで開かれたジャパンファッションエキスポ会場の大手商社ブースでの「Nomi Warmer」の展示が、ヤフーニュースのトピックスで紹介され、大きな反響があったという。あくまでも同社の製品は中間素材であるため、アパレルメーカーやスポーツウェアメーカー、寝具メーカー等々が販売するウインター向け商品の中に、人工中綿として幅広く使ってもらえないと商売にならない。そのため、商社の営業力を活用して多方面への販路を開拓中。大手商社が「Nomi Warmer」の素材としての大きな可能性・潜在力・環境負荷軽減をいち早く察知し、商品化が本格化しており、表からは見えないものの、なくてはならない黒子として、大きな可能性に期待したい。

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金田 友彰 代表取締役 

会社情報

 
社名 金田繊維株式会社
本社住所

能美市下ノ江町申100

TEL

​0761-55-1150

URL http://www.kanedaseni.jp/

 


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