本文
ISICOが香林坊大和(金沢市)の地下1階食品売り場で運営する「石川のこだわりショップ かがやき屋本店」は、3月4日でオープンから2 周年を迎えました。かがやき屋本店は、県内企業のアンテナショップとして「新商品をPRし、販促につなげる」「消費者のつぶやきや評価を商品の改良に生かしてもらう」「百貨店等のバイヤーとマッチングを図る」といった役割を担っています。今回の巻頭特集ではかがやき屋を活用し、販路の拡大や商品の改良に取り組み、成果を挙げている3社を紹介します。
昭和22年の創業以来、卸専門であんづくりに取り組んできた真田製あん。近年、和菓子離れが進んでいることから、あんの魅力を直接消費者にPRし、食べる機会を増やしてもらおうと、小売り用の商品開発に乗り出している。
その一つが活性化ファンドを使って開発した「加賀彩りあん」だ。これは通常のあんよりも柔らかく、ジャムのように使える商品で、加賀棒茶あん、打木赤皮甘栗(うつぎあかがわあまぐり)かぼちゃあん、五郎島金時芋あんの3種類がある。パンに塗ったり、ヨーグルトやアイスクリームと合わせたりして食べるのがおすすめだ。能登大納言や能登黒豆を使った「かのこ(濡れ甘納豆)」も商品化している。
自社の販売拠点を持たない同社にとって、貴重な販路となっているのがかがやき屋本店で、試食を配ったり、実演したりできる「チャレンジコーナー」を積極的に利用し、商品のアピールに生かしている。
昨年12月、お歳暮シーズンに合わせて企画した彩りあんと最中種のセット商品は1週間で約40組を販売。営業企画部の真田兼吾さんは「出店中は普段の倍は売れます。利用するたびにファンが増える手応えを感じています」と笑顔を見せる。
かがやき屋本店での販売やISICOの販路開拓アドバイザーの仲介によって、販路も着実に広がっており、東京や大阪の商社とも商談が進んでいる。
また、同社ではかがやき屋本店で得た販路開拓アドバイザーの意見を参考に、商品の改良に取り組んでいる。
例えば、かのこのパッケージは現在、袋が自立するスタンドパックで、一度封を切った後も開閉自在なチャック付きだが、これはチャレンジコーナーで販売した際に「陳列、保管しやすく、購入後、消費者が使いやすいものを」といった販路開拓アドバイザーの助言を参考に採用した。
また、「彩りあんの食べ方が分からない」という消費者の声を聞いてからは、ホットミルクに混ぜたり、菓子の材料にしたりとさまざまな使い方を提案するしおりを付けるようにした。
真田慎吾社長は「ジャムやマーガリンのように食卓に並ぶような商品になってほしい」と彩りあんに期待をかけ、今年は創業70周年を記念して、能登大納言を使った究極の粒あんやこしあんをラインアップに加えるほか、お試し用に小容量タイプも企画する。伝統の味を普段の食生活にマッチさせるため、これからも挑戦が続く。
企業名 | 株式会社 真田製あん |
---|---|
創業・設立 | 創業 昭和22年4月 |
事業内容 | あん類製造販売 |
関連URL | 関連URLを開く |
---|---|
備考 | 情報誌「ISICO」vol.93より抜粋 |
添付ファイル | |
掲載号 | vol.93 |