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山中漆器の技術を生かした照明 美しい木目が温かな明かりを演出 ~守田漆器(株)

印刷用ページを表示する更新日:2016年9月28日更新

チャンスをつかみ、未来をひらく
Seize a chance and open a bright future.

山中漆器は木地に精緻(せいち)な模様を付けたり、透けるほどに薄く削ったりする高度なろくろ挽(び)きの技術が大きな特徴だ。この技術を生かしてランプシェード(電灯のかさ)を開発したのが創業107年を数える守田漆器である。同社ではこれまで主力だった食器や茶道具だけでなく、インテリア分野に用途を広げるとともに、海外への販路拡大にもチャレンジし、より一層の成長を目指している。

薄さ0.5ミリは椀の半分以下

美しい木目が浮かび上がり、柔らかな明かりを発する「山中ウスビキライト」 写真 守田漆器が商品化した「山中ウスビキライト」は国産のケヤキやミズメザクラを、ろくろ挽きで木材が透けるほどの薄さまで削り出して作ったランプシェードだ。最も薄い場所では通常の椀の厚さの半分以下となる0.5ミリほどで、電灯をつけると内側から温かみのある光がじわりと広がり、木目が美しく浮かび上がる。 形は丸い汁椀を伏せたようなマル型、コップを逆さにしたようなベル型など6種類があり、それぞれ木肌をそのまま生かしたナチュラルと落ち着いた色合いのブラウンの2色を展開している。山中漆器特有の加飾挽きで「千筋(せんすじ)」と呼ばれる細い溝を表面に施したものもある。
 平成27年6月から販売をスタート。自社のホームページのほか、インテリア関連の展示会などへの出展が奏功し、東京・神楽坂の漆器専門店、金沢・ひがし茶屋街の伝統工芸品ショップで常時販売するなど販路が広がっている。温かみのある光により落ち着いた雰囲気になることから、おもてなしによるサービスの向上を図ろうとするホテルや飲食店のほか、住宅を新築する個人の方などの注文が多く入り、これまでに累計で数百個を販売するなど売れ行きは順調に伸びている。同年の石川ブランド認定製品にも選ばれた。
 守田貴仁専務は「山中ウスビキライトの購入がきっかけとなり、店全体を山中漆器でトータルコーディネートしたいと食器が売れるケースもあり、相乗効果が現れている」と笑顔を見せる。

LED電球の普及で商品化が可能に

山中漆器の伝統的な技術を生かして新商品の開発に取り組む守田貴仁専務 写真 守田漆器がランプシェードの開発に乗り出した背景には、山中漆器の主力である食器や茶道具が以前ほど売れなくなってきたことが挙げられる。薄挽きや加飾挽きといった山中漆器の技術を生かしながら新しいものを作ろうといろいろと考えるうちにたどり着いたのがランプシェードだった。漆器は高熱にさらされると変形しやすいが、あまり発熱しないLED電球が出始め、今後も世界的な市場拡大が予測されることから商品化を決めた。
 食器や茶道具の製造においては豊富な経験を持つ一方、ランプシェードを手がけるのは初めてだったため、第一弾として開発した2種類については、住宅や店舗のインテリアなどを専門とするデザイナーに依頼し、第二弾となる4種類は独自でデザインした。
 開発段階における課題の一つは材料選びだった。同じように薄く削っても木材によっては光の透け具合がまったく異なり、例えばカエデを使ったものは、どんなに薄くしてもまったく透けなかった。そこでいろいろな木材を試した上で、美しく木目が透けて見えるケヤキとミズメザクラを選んだ。
 天然木のかたまりを木のゆがみや性質を見極めながら1ミリ以下の薄さに削り出していく製造工程では山中漆器の職人の技術がいかんなく発揮された。守田専務は「木を扱う技術は山中漆器の職人が日本一と自負している。形や厚みを均一にして量産するのは至難の業で、ここでしかできない」と胸を張る。
 一方、使用時には問題ないものの、輸送などの際、あまりの薄さに割れてしまうこともあり、対策に頭を悩ませた。とはいえ、厚く削っては商品の魅力が損なわれるため、最も薄い部分には光を透過する特殊な布を貼って補強することにした。さらに、箱の形状を工夫したり、スポンジを当てたりとパッケージも改良した。

国内外の展示会へ意欲的に出展

今年2月、ドイツ・フランクフルトで開催された世界最大規模の国際展示会「アンビエンテ」の様子 写真 販路開拓では、食器や茶道具とは違う販売ルートを確立するため、店舗装飾やインテリア素材の総合見本市である「JAPAN SHOP2016」のほか「第34 回JAPANTEX2015アカリ・イマージュ2015」に加え、ISICOと連携して「第80回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2015」といった展示会等に出展し、PRに努めた。「どなたも一様に“ 何これ?”と驚き、必ずと言っていいほど触っていかれます。食器を出品するいつもの展示会に比べ、2倍以上の反響が寄せられました」。守田専務はそう手応えを口にしている。
 販路開拓は国内だけにとどまらない。今年に入ってから、世界最大規模の国際展示会「アンビエンテ2016」(ドイツ)やインテリアデザインの国際見本市「メゾン・エ・オブジェ・アジア展示会」(シンガポール)に立て続けに出展。その成果として現在はシンガポールのインテリアショップと商談が進んでいて、オリジナルデザインのランプシェードのOEM生産に向け、試作に取り組んでいる。
 こうした展示会への出展や試作開発などには、ISICOの活性化ファンドの補助金を活用した。

驚きを与えられる商品を

2016年秋以降の展示会でお披露目する新商品のスタンド型ライト「キノコ」 写真 山中ウスビキライトに続いて、同社では新たにスタンド型ライト「キノコ」を開発した。その名の通りキノコの形をモチーフにしたかわいい照明で、今秋開かれる展示会で新商品としてお披露目する。今後も壁に取り付けるタイプやUSBポートを電源に使う卓上ライトなど、商品ラインアップを拡充していく計画だ。
 とりわけ海外向けとして有望視しているのがUSBポートを活用した商品だ。というのも日本の電気製品を海外で使うには、各国の電圧や電源プラグ形状に合わせた付属部品が必要となるからで、USBポートを電源とする照明であれば、どの国でもすぐに使ってもらえるというわけだ。
 「これからも皆さんに驚きを与えられるような商品を作りたい」と意欲を燃やす守田専務。インテリア分野の商品を新たな柱として育てると同時に、「ランプシェードが山中漆器の良さ、漆器を作る高度な技術を知ってもらえるきっかけになってくれれば」と期待を寄せている。

企業情報

企業名 守田漆器 株式会社
創業・設立 創業 明治42年
事業内容 山中漆器の製造・販売

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備考 情報誌「ISICO」vol.89より抜粋
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掲載号 vol.89

 


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