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【巻頭特集】将来有望な市場に活路求め、県内中小企業が航空機産業に挑む! エンジン部品の受注拡大へ 次世代ファンドを活用して技術磨く ~(株)二水

印刷用ページを表示する更新日:2016年9月27日更新

【巻頭特集】将来有望な市場に活路求め、県内中小企業が航空機産業に挑む!

今後成長が期待できる魅力的な市場の一つが航空機産業だ。しかし、国際規格に準拠した厳格な品質管理が求められるほか、航空機部品メーカーへの販路開拓も難しく、参入するには高いハードルがあるのも事実だ。こうした状況にあって、ISICOでは航空機産業への参入を目指す県内中小企業に対して、専門家の派遣や設備投資に対する助成、取引先のあっせんといった取り組みで支援し、これにより既に高林製作所(金沢市)、浅下鍍金(白山市)、深田熱処理工業(小松市)の3社が連携して、航空機部品の一貫共同生産に乗り出している。中小企業がチームを組んで一貫共同生産するケースは大変珍しく、全国的にも注目されている。今回はこれらの企業に続いて航空機産業への本格参入に挑戦する2社の取り組みを紹介する。

専用機を特注して試作

航空機部品の受注拡大を目指す笹田輝社長と販路拡大をサポートするISICOの本多保夫事務局参事 写真 繊維機械や工作機械に使われる歯車(ギア)を製造する二水は、ジェットエンジン用の部品製造の受注を拡大しようと、いしかわ次世代産業創造ファンドの支援等を受け、研究開発に取り組んでいる。
 ジェットエンジン用の歯車は、騒音やメンテナンス費用を抑えるために、滑らかな回転が求められる。そのため、研究開発にあたっては、内側に歯があるインターナルギアの歯面を研磨する専用機や歯車のかみ合いを検査する機械を導入した。
 一般的なインターナルギアの製造工程では歯面を研磨することはないため、専用機を特注した。二水ではこの専用機が狙い通りに加工できるか検証するとともに、より一層精度の高い歯車を製造するため、刃物や油の種類、加工条件などを変えながら試作を続けている。
 製造工程のうち、表面処理については航空機部品の製造実績を持つ浅下鍍金と連携する。また、熱処理、非破壊検査の各工程については浅下鍍金とともに航空機部品を共同生産している深田熱処理工業や高林製作所との協力を視野に入れている。
 浅下鍍金からの紹介で大手航空機装備品メーカーである住友精密工業(兵庫県)のニーズを把握することができ、これにより研究開発を進めることになった。

未知の分野に挑戦したい

 二水が航空機産業に参入したのは3年前にさかのぼる。スイスのインターナショナル・エアロ・エンジンズ(IAE)が製造するジェットエンジン用の部品を谷田合金(金沢市)から受注したのだ。同社にとってはISICOの設備貸与制度を利用して、熱処理された歯車のひずみを研磨して取り除くCNC複合立形研削盤を導入するなど、高精度の歯車を製造する体制が整った絶好のタイミングだった。
 マグネシウム鋳物というこれまで扱ったことのない材質だったが、最適の加工条件を見いだすため試行錯誤した結果、求められる品質を実現し、継続受注につなげた。
 その後、同社の笹田輝社長は航空機市場の今後の拡大を見据えると同時に、「ものづくり企業として未知の分野にチャレンジしたい」との思いを強くしたことから本格参入を決め、平成26年にはISICOの専門家派遣制度を活用してJISQ9100を取得した。笹田社長は「中小企業が単独で取得するのは難しく、ISICOの支援が助けになった」と話す。
 また、平成26年度には次世代ファンドを活用した技術開発に取り組み、技術を確立すれば住友精密工業と取引できる見込みだ。

先行企業と情報共有

航空機部品用に特注したインターナルギアの歯面を研磨する専用機 写真 「航空機業界についてまだ分からないことが多いので情報収集や人脈づくりに力を入れたい」。そう話す笹田社長にとって貴重な情報源となっているのが、先行して航空機産業に参入した県内中小企業であり、継続的に交流を図ることで航空機部品メーカーの動向やニーズに関する最新情報を得ている。笹田社長は「1社だけでは得られない情報を惜しみなく共有してくれるので参考になる」と笑顔を見せる。
 販路拡大についても意欲的である。昨年のパリ・エアショーに続き、今年のファンボロー国際航空ショーではISICOが設けるブースに出展。ISICOでもさらなる支援として、これまで県外で開拓してきた発注企業の中から、航空機部品を手がけるメーカー数社をあっせんするなどのサポートを行っている。
 航空機部品が二水の売り上げに占める割合はまだまだ少ない。とはいえ、笹田社長は歯車の製造技術に磨きをかけると同時に、「安定受注を目指して営業活動に注力し、将来は経営の柱にしたい」と意欲を燃やしている。

参入を目指す企業をISICOが支援

 ISICOでは県内中小企業に専門家を派遣して航空機部品の製造に必要な認証の取得を支援しており、これまでに14社が航空宇宙分野の品質マネジメントシステム「JISQ9100」を取得、4社が熱処理や表面処理、非破壊検査など特殊工程を管理するための国際認証「Nadcap」を取得している。
 また、新規参入にあたって必要となる設備投資については、いしかわ次世代産業創造ファンドやJAPAN ブランド育成支援事業、ものづくり補助金、国内立地推進事業費補助金といった助成制度によってサポートしている。
 国内外の展示会への出展を通して販路開拓も後押ししており、今年7月には「ファンボロー国際航空ショー」(イギリス)で県内外の企業12社の技術をアピールした。今年10月には「国際航空宇宙展」(東京)、来年6月には世界最大の国際航空宇宙展「パリ・エアショー」(フランス)にも出展する。これに加え、県内中小企業とISICOが長年にわたり関係を温めてきた国内の航空機部品メーカーをマッチングさせ、受注に結びつけた例も多々ある。今年10月には海外企業との取引を目指し、県内中小企業とともにカナダの航空機部品メーカーを視察する予定だ。

企業情報

企業名 株式会社 二水
創業・設立 設立 昭和39年4月
事業内容 繊維機械部品、工作機械部品、航空機部品などの製造

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備考 情報誌「ISICO」vol.89より抜粋
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掲載号 vol.89