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率直に疑問を投げ掛け、相互理解の潤滑油に

印刷ページ表示 更新日:2012年1月16日更新

トライアングル

産学官連携をより活発に、より円滑に推進するため大学と企業を橋渡しするコーディネーターを紹介します。

金沢医科大学研究推進センター
産学連携コーディネータ
増田 浩子氏

大学初のコーディネータとして連携の推進役を担う

増田浩子氏 写真 建学の精神の一つとして社会への貢献を掲げる金沢医科大学では、その一環として平成17年以降、産学官連携の取り組みを本格化させている。これまで、大手製薬企業と協力して行う基礎研究や医薬品の臨床評価など、限定的だった連携をより幅広く、より強化しようと、昨年5月から増田浩子氏が産学連携コーディネータとして着任した。
 増田氏は金沢大学大学院で分子生物学を学んだ後、県工業試験場や研究成果活用プラザ石川(現・JSTイノベーションプラザ石川)に勤務。産学官連携による共同研究及び研究成果の活用や社会還元を戦略的に行う研究成果活用プラザ石川では、企業や大学、研究機関が協力して進めるプロジェクトの最前線に携わってきた。
 現在は大学と企業の橋渡し役として実務の推進にあたるほか、400名を超える研究者の得意とする技術分野を見極め、シーズを発掘するために学内のセミナーに積極的に参加したり、学内で知的財産に関するセミナーを開催するなど、精力的に飛び回っている。
 着任から約1年が経過して、取り扱う案件の成果も徐々に見えはじめてきた。例えば、その一つが、血流を促して足のむくみや静脈りゅうを軽減するストッキングの開発である。これは、平成19年に包括協定を交わした(株)繊維リソースいしかわからの依頼を受けて取り組んでいるもので、弾性に富んだ特殊な糸で作った試作品について人での評価データを集め、フィードバックしている。
 実際に産学官連携を進めていく際には、「企業側と大学側、お互いの理解が深まるよう、時に大学の立場で、時に企業の立場で率直に疑問を投げ掛けるなどして、コミュニケーションの潤滑油の役割を果たせるよう心がけている」という。

県内企業を招いて技術説明会を計画

 金沢医科大学では、金融機関が主催するビジネスフェアへの出展、ホームページ上での研究者データベースの公開など、情報発信にも力を入れている。先に紹介した繊維リソースいしかわのほかにも、金沢工業大学や(有)金沢大学ティ・エル・オー、ISICOなどとも連携体制を構築した。また、「これから学内で、医療系の機械を製造している県内企業などを招いて技術説明会を行い、研究者とのマッチングを図りたい」と計画している。
 昨年には大学内の発明の特許化などについての規程も整備。増田氏は、今年4月から大学の発明の特許化や大学が所有する特許の維持・管理、企業との契約などを専門に扱う北陸先端科学技術大学院大学IPオペレーションセンターで技術スタッフとして勤務しており、「今後、金沢医科大学で生まれた研究成果を産業界へ還元していくときに、このノウハウを生かしていきたい」と考えている。
 高齢化が進み、健康や福祉が新産業のキーワードとされる中、医工連携は今後ますます重要性を帯びてくる。金沢医科大学の研究の中でも、母体の血液に含まれる胎児赤血球を利用した胎児の遺伝子検査、人の後方からメガネに反射して目に悪影響を及ぼす紫外線を低減するためのレンズのコーティング方法の開発など、注目すべきものが多い。増田氏の存在感も、今後、一段と増していくに違いない。

企業情報

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創業・設立 創業
事業内容 -

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備考 情報誌「ISICO」vol.41より転載
添付ファイル
掲載号 vol.41


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