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ISICOでは、企業の設備投資を支援するため設備貸与制度で、企業の成長を後押ししています。
制度を利用して事業の拡大に成功した企業の取り組みを紹介します。
建設機械のトランスミッション部品、油圧シリンダー部品などを製造する曽田製作所の強みは、素材の調達に始まって、素材を調質するための熱処理、精密機械加工、高周波焼入、研磨加工までを社内で一貫生産できる点にある。熱処理と機械加工の両方を一手に引き受ける企業はまれで、発注企業にとっては、納期の短縮やコストダウン、品質向上といったメリットにつながっている。
主要取引先であるコマツとは創業間もない頃からの付き合いだ。コマツの協力企業で組織する「コマツみどり会」でも最古参となっている。
現在主力となっているトランスミッション部品は、屈指の技術力を評価されて、平成7年にコマツから生産を移管された事業だ。
海外での旺盛な建設機械需要を受けて、平成15年には工場を増築、平成17年には新工場を建設し、キャリアと呼ばれるトランスミッション部品を生産するための専用ラインを整備した。
今では、コマツの建設機械で使われているキャリアのうち、約70%を曽田製作所が製造している。建設機械の需要は今後も堅調な伸びが予想され、年内には、さらに2つのラインを増設し、増産に対応する構えだ。
また、三次元測定器などを用いた厳格な品質管理にも、定評がある。今年開催されたコマツの粟工QCサークル発表大会でも銀賞を受賞した。
業容の拡大および増産に合わせて、平成14年以降は毎年のようにISICOの設備貸与制度を活用。CNC複合旋盤やCNC旋盤、三次元測定器、センタレスグラインダー、横型マシニングセンタを導入し、生産体制を強化してきた。
また、平成14年からは製造、品質管理などの現場改善活動、業務改善活動においてISICOの専門家派遣事業を活用している。このほか、販路開拓支援事業によって、平成16年からクレーン・ショベルの加藤製作所(東京)と取引を開始し、建設機械部品を製造。設備の貸与にとどまらず、ISICOが実施する受発注のあっせん、各種改善活動に対するコンサルティングなどを通して、業績向上に役立てている。
急逝した父親の跡を継いだのは、曽田國忠社長が18歳のときのこと。あれから40数年、事業は順調に発展しており、「今後は経営と技術の両面で、後継者の育成に力を入れていきたい」と話している。
企業名 | 株式会社 曽田製作所 |
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創業・設立 | 設立 昭和10年9月 |
事業内容 | 建設機械部品(トランスミッション部品、油圧シリンダー部品、ピン、シャフト)、産業機械部品の製造 |
関連URL | 関連URLを開く |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.41より転載 |
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掲載号 | vol.41 |