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石川県には、キラリと光る技術を持つ企業がたくさんあります。
そういった技術力を認められ、県外企業からも幅広く受注にせいこうしているものづくり企業の成長戦略を紹介します。
土肥研磨工業の主力は建設機械などに組み込まれる旋回軸受だ。オリジナルの高周波焼入機による熱処理や高精度の研削技術には定評がある。各国内建設機械メーカーと取引があるほか、ボブキャット(米)やキャタピラーUK(英)など、海外メーカーからも受注。特に小型建設機械の分野では、国内シェアの90%を誇っている。
「売り上げがどん底だった4年前から事業の“選択と集中”を進め、最も当社の強みを発揮できる旋回軸受に経営資源を振り向けました」と土肥志朗社長が語るように、同社では工場の新築や工作機械の更新・導入など、設備投資を積極的に進めてきた。この間、建設機械需要が急増したこともあって、業績は見事にV字を描き、いまだその勢いは衰える気配もない。
一方、物流機械システムや立体パーキングシステムの関連装置も一つの柱になっている。こうした装置にも旋回軸受が組み込まれているのだが、安定受注の理由はそれだけではない。約60社の協力企業と連携して設計から板金溶接、機械加工、組立まで一貫して請け負えるところが重宝がられているのだ。
小型建設機械へのニーズはまだまだ伸びると見られている。同社では原材料の価格高騰、供給不足を受けて、今年4月から中国・太原から鍛造材を輸入している。1年前から指導を続けてきたという土肥社長は「品質は日本製と遜色ありません」と胸を張る。さらに、中国・大連にも供給ルートを確保し、今後の需要増にも対応できるよう万全の体制を整えている。
企業名 | 土肥研磨工業 株式会社 |
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創業・設立 | 設立 昭和39年3月 |
事業内容 | 建設機械・産業機械用部品、物流機械システム・パーキングシステム関連装置の製造 |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.30より抜粋 |
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掲載号 | vol.30 |