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【巻頭特集】“健康” をキーワードに徹底した専門性の強化で地域社会に貢献

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巻頭特集
変化を見据えた一手を”先見的ビジネスモデル”で描く

自社のノウハウとネットワークを生かし
現場の問題に挑戦

ノウハウを生かし事業の柱を3本に

アルプ病理研究所では、地域の医療機関のニーズに応えている 写真 アルプは「まごころで健康を」をモットーに掲げ、地域の健康を多角的に支える企業として、成長を続けている。昭和49年の創業以来、臨床検査事業を皮切りに、食品衛生検査事業、調剤薬局事業と、次々に事業の柱を育て、業績を右肩上がりに伸ばしてきた。その企業戦略は、事業の中で培ってきたノウハウやネットワークを生かすと同時に、時代の流れや社会のニーズを先取りして、的確なタイミングで事業化してきたことが特徴となっている。
 同社が設立当初から手がける臨床検査とは、患者の血液や尿などを分析するもので、病気を診断するためのデータとして活用されている。現在では、日常的に行われているこの検査も、同社が創業した約30年前は、医療機関にもあまり認知されていないニッチ産業だった。その後、医療・診断技術の高度化にともなってニーズが高まり、現在、同社の営業エリアは、石川県、富山県、新潟県、群馬県、埼玉県の各県に広がっている。
 食中毒の原因菌などを調べる食品衛生検査は、臨床検査で必要とされた微生物検査のノウハウを応用して、平成9年に立ち上げた事業だ。同社の古賀久敬社長は「その前年に大阪で発生したO-157集団食中毒事件で、食に対する大きな不安が消費者に広がった。それが大きなヒントになった」と経緯を振り返る。
 調剤薬局事業は、医薬分業の全国的な広がりを受けて、平成11年からスタート。「アルプ薬局」として今年11月末現在、北陸3県に33店舗を展開している。
 医薬分業は、患者が医師から薬の処方せんを受け取り、薬局で処方せんと引き換えに薬を受け取る制度。北陸3県の医薬分業率が全国に比べて大幅に低かったことも、事業化に踏み切った理由の一つである。店舗展開にあたっては、医師との間に築いてきた信頼関係が、役に立った。

3つの研究所を設立し、専門性を強化

古賀社長 写真 事業を多角化する一方で、他社との差別化を図るため、専門性の強化にも力を入れてきた。このことを象徴するのが、同社が設立した3つの研究所だろう。
 その一つ、アルプ医業経営研究所では、医療改革によって経営環境が厳しくなる中、医業経営コンサルタントが医療機関の経営指導に当たっている。
 アルプ病理研究所では、金沢大学から研究者や技術者を迎え、がん細胞の検査や遺伝子検査など、これまで大学病院などでしかできなかった高度な検査を請け負っている。
 アルプ食の安全研究所では、食品工場や飲食店といった施設の点検業務や改善指導からスタッフの衛生教育まで、専門家がトータルにサポート。今年5月に、残留農薬などの規制を強化するポジティブリスト制度が施行されると、「LC/MS/MS(液体ガスクロマトグラフ質量分析計)」といった最新の検査機器を導入して、複雑化するニーズに応えている。

事業の組み合わせで相乗効果

NPO法人HACCPシステム研究会 写真 多角化と専門化によって、事業は順調に拡大してきたが、経営を取り巻く環境にはマイナス材料もある。例えば、臨床検査業界では、医療費抑制の政策に沿って検査料が下がり続け、再編、淘汰が加速している。
 そこで古賀社長が注力するのは、「開業支援プロジェクト」である。
 このプロジェクトは、臨床検査、調剤薬局、医業経営コンサルティングといった事業と、建築を請け負う同社の関連会社である(株)アルプデザインとの連携で、医療機関の新規開業を総合的にサポートしようというものだ。
 古賀社長は「経営基盤をさらに強化するには、今ある資源を組み合わせて、相乗効果を引き出すことが大切」と、今後の受注アップに期待を寄せている。

国際交流を発展させ、いずれは中国でも展開へ

 他にも、アルプでは、二つのNPO法人をサポートしている。同社の理念の一つである、地域社会への貢献を具体化しているところも特徴的である。
 サポートしている一つは、平成10年から活動している北陸HACCPシステム研究会である。同会は、石川県立大学の研究者らと協力して、HACCPによる衛生管理の普及と人材育成を目指して活動を続けている。
 もう一つは、同社の創業者である古賀克己会長が理事長を務める、日本海国際交流センターだ。約8年前から活動しており、中国遼寧省・大連市と産官学で交流を進めている。
アルプ薬局 写真 大連市との国際交流を発展させる形で、今年9月には(株)アルプネットを立ち上げた。ここでは、大連市とのビジネスに取り組む企業に対し、コンサルタント事業を行っている。
 古賀社長自身も「臨床検査など日本で必要とされた事業は、いずれ中国でもニーズが高まるはず。今後、中国での展開も考えていきたい」とグローバル化への青写真を描く。
 もちろん、国内においても、次の一手を模索しており、「展開するならば“健康” に関連した事業を立ち上げたい。機が熟せば、福祉事業への進出も選択肢の一つとして考えている」とビジネスプランを温めている。

企業情報

企業名 株式会社 アルプ
創業・設立 設立 昭和49年4月
事業内容 臨床検査、調剤薬局、食品・環境衛生検査、医業経営コンサルティング

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備考 情報誌「ISICO」vol.31より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.31


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