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ISICOでは、企業の事業転換をバックアップするための中小企業事業転換計画策定支援事業で、企業の成長を後押ししています。
制度を利用して事業の拡大に成功した企業の取り組みを紹介します。
ホリカワ工業は、コマツで長年にわたって金型製作に携わってきた堀川昇一社長が設立した企業である。堀川社長が石川県の技術アドバイザーに任命されるなど、高い技術力を持っており、薄板を加工するブレーキプレスの金型や多品種少量の特殊金型を受注している。また、金型のメンテナンスにも注力し、短納期、低コスト化を実現した。
「創業以来、地元への貢献を最優先に考えています」と話す堀川社長。実際、同社の仕事は、大手メーカーに頼むと割高になる製品や請け負ってもらえない製品が多くを占める。「初めて製造するような金型もたくさんあるが、こうした仕事をやり遂げることが次の仕事につながる上、社員の技術力向上にも役立つ」と難易度の高い注文も、積極的に受け入れている。
新規の取引先も着々と増え、バス車体製造最大手のジェイ・バス(株)とも取引し、バスの屋根部分に曲げ加工を施す金型を納めている。
金型だけでなく、部品加工も事業の柱の一つだ。部品加工においても金型同様に、細くて長い部品への穴開け加工や斜面加工など、他社があまり手がけないような仕事に取り組んでいる。
たった一人での創業だったが、業容は順調に拡大している。それに合わせて、石川県やISICOの制度を利用しながら、設備の充実を図ってきた。
平成16年度には、同社の経営革新計画が、中小企業経営革新支援法に基づく認定を受けた。認定企業への低利融資により、昨年11月には、敷地面積1,529平方メートル、延床面積525平方メートルの新工場を建設した。
新工場には、ISICOの設備貸与制度を活用して、NC研削盤を導入した。NC研削盤は、ブレーキプレス金型の先端を加工するのに欠かせない設備であり、同時に、この設備によって、古くて傷んだ金型を再研磨できるため、中小企業からのメンテナンス需要に対応できるようになった。
このほか同社では、昨年度から専門家派遣事業によって、経営・技術全般にわたる指導を受け、積極的に経営の改善、技術の向上を図っている。堀川社長は、「今後も難易度の高い金型、部品加工に挑戦しながら、メンテナンス分野の充実も図り、さらなる成長へとつなげたい」と意欲を燃やしている。
企業名 | 株式会社 ホリカワ工業 |
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創業・設立 | 設立 平成13年10月 |
事業内容 | ブレーキプレス金型・特殊金型の設計・製作、プレス部品加工 |
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備考 | 情報誌「ISICO」vol.31より抜粋 |
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掲載号 | vol.31 |