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【巻頭特集】新規参入や農商工連携で「食」「農」ビジネスの未来が変わる Case.01 規格外のトマトを活用し、レトルトカレーを商品化

印刷ページ表示 更新日:2012年1月16日更新

巻頭特集

食の安全・安心に対する関心の高まり、あるいは食料自給率の低下などを背景に、「食」や「農」をキーワードとした事業が、将来有望なビジネス分野として注目を集めている。食品や農産物に関する地域資源に恵まれた石川県内でも、こうした取り組みが活発化してきた。農商工連携や新分野進出をサポートする「いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)」や「建設業複業化支援プログラム」を活用して、新事業にチャレンジしている2社を紹介する。

ヘルシーカレーなど4タイプを展開

トマトカレー 活性化ファンドを利用して農商工連携に取り組んでいるのは小松市農業協同組合( JA 小松市)である。活性化ファンドは総額200億円で創設され、その運用益で地域資源を活用した産業創出を支援する仕組みだ。JA小松市は、小松市内で加工食品の製造を手がける桃宝食品(株)(取締役会長五十嵐日出夫)、食品に関する幅広い研究実績を持つ北陸学院大学短期大学部新澤研究室と協力し、小松産のトマトを使ったレトルトカレーのラインアップ拡充、販路開拓に挑戦する。
 JA小松市は、今回の事業に先立ち、平成19年からトマトカレーの開発をスタート。平成20年には県立翠星高校の設備を利用してレトルトカレーを試作し、JA 小松市の直売所「JAあぐり」で試験的に販売したところ、11月には630食を3日間で、12月には310食を5日間で完売した。これに確かな手応えを感じ、今年は桃宝食品に加工を委託。店頭でも好評を博している。
 トマトカレーは水を一切使わずに、トマトの水分だけで作られているのが特徴だ。一袋につき中玉サイズのトマト1 個のほか、地元で採れたニンジンやタマネギ、サツマイモなどを使用。トマトのほどよい酸味とカレー本来のスパイシーな辛さのバランスが絶妙な味わいとなっている。
JA小松市トマト部会の飴山善信部会長 今回の事業では、このカレーをベースに、カロリーを抑えた「ヘルシートマトカレー」、トマト本来の味と香りを一層際だたせた「プレミアムトマトカレー」、ぼたん肉を入れてボリューム感を出した「ワイルドトマトカレー」の3種類を新たに開発する計画だ。
 これらはJAあぐりのほか、小松市内に来春開設される「こまつ道の駅(仮称)」(小松市蓮代寺町)、南加賀地区にある23カ所の農産品直売所での販売を見込んでおり、JA 小松市道の駅準備室の東浩一室長は「地場農産加工品の目玉にしたい」と期待をかける。

付加価値アップで農家の所得向上へ

 そもそも小松市は年間約1,600tの出荷量を誇る北陸三県一のトマト産地である。その多くは県内や関西の市場に出荷され、品質に対する評価も高い。しかし、近年、トマトの価格は低迷しており、産地間の競争も激しさを増すばかり。市内に70戸あるトマト農家の高齢化、後継者不足も深刻化している。
 加工食品の開発は、こうした課題の解決策の一つとして考えられたアイデアだ。
 野菜を生産する際、味に問題はないものの、形がいびつだったり、傷が付いていたりして出荷できない規格外品が必ず発生する。こうしたトマトの一部はこれまでも安値で直売してきたが、経済的には大きな損失となってしまう。そこで、そのまま販売するのではなく、加工することで付加価値を付け、農家の所得向上につなげるのがカレーを開発した狙いだ。
 また、JA小松市園芸課の南野照夫課長は「トマトカレーが売れることで、JA小松市園芸課の南野照夫課長(写真右)と道の駅準備室の東浩一室長トマトそのものや産地のPRにもつながる」と波及効果にも期待する。
 今後、試作やニーズ調査、試験販売などに取りかかり、平成23年7月までに全商品の本格販売をスタートさせる予定となっている。

企業情報

企業名 JA小松市
創業・設立 設立 昭和47年3月
事業内容 信用、共済、購買、営農販売事業

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備考 情報誌「ISICO」vol.48より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.48


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