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規格外品を「加賀れんこんちっぷ」に 軽い食感と素朴な味わいで人気急上昇

印刷用ページを表示する更新日:2018年4月4日更新

チャンスをつかみ、未来をひらく
Seize a chance and open a bright future.​

金沢市の河北潟干拓地は加賀野菜の一つである「加賀れんこん」の一大生産地だ。この干拓地にある3ヘクタールの畑で農薬や化学肥料を使わない安全・安心な農業を実践しているのが蓮だよりである。12年前に脱サラしてレンコン作りを始めた川端崇文(たかのり)代表は、精魂込めて育てた加賀れんこんを無駄にしたくないと、規格外品を菓子に加工するなど、新たな事業にも積極的に取り組んでいる。​​

発売から6年で売り上げが50倍に

素揚げした加賀れんこんを能登の塩でシンプルに味付けをした「加賀れんこんちっぷ」の写真

 蓮だよりが商品化したのは、自社の畑で栽培した加賀れんこんを薄くスライスして素揚げし、軽く塩味を付けた「加賀れんこんちっぷ」だ。パリパリとした軽やかな食感で、レンコンの素朴な味わいを楽しめる。ビタミンCやミネラル、食物繊維も豊富に含まれており栄養抜群。おやつやおつまみとしてぴったりだ。
 平成24年度に発売して以降、東京・銀座にある石川県のアンテナショップ「いしかわ百万石物語 江戸本店」や東京駅のショッピングスポット「グランスタ」、伊勢丹などに販路が広がっているほか、県内でも道の駅こまつ木場潟、香林坊大和、金沢駅のAガイヤ、JAの直売所などでも販売する。
 川端代表が「試食したお客様はかなりの確率で購入してくれます」と話すように、そのおいしさが好評で、年間販売数は当初の200袋から10,000袋へと右肩上がりに伸びている。

あえて厚みをそろえず、食感に変化

加賀れんこんちっぷのパッケージ写真 レンコンチップスは生産農家で親しまれている家庭の味だ。以前から、自宅で作ったものを直売所や取引先で配っていたところ、大変評判がよく、「商品化してほしい」との声が多数寄せられたことから開発に乗り出した。
 商品化にあたっては活性化ファンドの助成金を活用し、何度も試作を重ねて使用する油の種類や適正な揚げ具合を見極めたほか、栄養成分表示、賞味期限の設定に必要な各種検査を行った。
 こだわりの一つがレンコンの厚みだ。販売量の拡大に伴って、現在は自動フライヤーや自動包装機を導入するなど、製造工程も機械化を進めているが、レンコンをスライスする作業だけは今でも人の手で行っている。あえてレンコンの厚みを均一にしないようにして、食感に変化を持たせることが狙いだ。
 味付けに使っているのは能登の塩で、これも人の手で振っている。多少、味に濃淡ができたとしても手作りの良さを感じてもらおうというわけだ。

脱サラしてレンコン農家に転身

川端崇文代表の写真 そもそも川端代表は今から12年前、28歳の時に、まったくの素人から脱サラしてレンコン農家に転身した。きっかけは、人生の3分の1に差し掛かる28歳が今後を決める最後の転機になると書かれた一冊の本との出会いだった。自分が本当にやりたいことを模索する中でたどり着いたのが生まれ育った金沢市才田町でも盛んだったレンコン栽培だった。
 家族の反対を押し切って会社を辞めた川端代表は河北潟干拓地を歩き回って、レンコン農家に弟子入りを志願した。何日も通い詰めるうち、「後々、畑を買うのなら、手伝ってもいいぞ」と声を掛けてくれる農家に出会った。最初の半年間は修業のためにと無給、無休で働き続けたが、「それでも楽しくてしょうがなかった」と川端代表は当時を振り返る。
 その後、マイカーを売り払い、生命保険を解約するなどして工面した資金で畑を購入してからは自分なりのレンコン作りを追求する日々が続く。こだわっているのは、土づくりだ。加賀れんこんが本来持つ味わいを堪能できるよう、農薬や化学肥料は一切使わず、微生物の力を利用して土壌改良に努めている。平成29年度には環境に優しい安全・安心な生産方法によって作られた農産物に対して石川県がお墨付きを与える「特別栽培農産物」の認証を受けた。
 販売は直販が中心で、当初は東京の有名レストランにダイレクトメールのように加賀れんこんを送るなどしてPRした。こうした取り組みが功を奏し、現在はシェフの間に口コミで評判が広がっている。
 また、JAの共同販売制度に頼らず、自力で販路を開拓していくには、ブランド化や付加価値の向上が必要だ。例えば、加賀れんこんを氷温熟成することで粘り気や食味をアップさせ、長期保存を可能にしたこともその一つである。

一次加工施設の整備も視野に

 加工品の開発もブランド化や高付加価値化といった考えの延長線上にあり、今春からは加賀れんこんちっぷ風味のドレッシングを発売する。
 さらに、加賀れんこんには、ポリフェノールなど美容に有用な成分が含まれていることから、平成29年度からは再び活性化ファンドの採択を受け、せっけんや化粧水、パックなどの商品化にもチャレンジする。
 加工品の開発をより効率的に進めるため、川端代表が視野に入れるのが一次加工施設の整備だ。
加賀れんこんちっぷを製造するために導入した自動フライヤーの写真 「レンコンを使って加工品を作るにしても、まずパウダー状やペースト状にしたり、カットしたりしなければ、製造することができません。現在は県外の一次加工施設を利用しているのですが、小ロットでは引き受けてもらえない、送料がかさんでコストが高くなるといったデメリットがあります。自前で一次加工ができれば、そうした問題の解決につながるだけでなく、他の農家の助けにもなります」(川端代表)。
 一次加工施設が建設される頃には、加工品のバリエーションをもっと増やして加賀れんこん専門店を併設する計画もある。「やりたいことがいっぱいある」。そう目を輝かせる川端代表のこれからに、ますます注目が集まりそうだ。 

企業情報

企業名 農事組合法人 蓮だより
創業・設立 設立 平成18年2月
事業内容 加賀れんこんの栽培、加賀れんこん加工食品の製造・販売

企業情報詳細の表示

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備考 情報誌「ISICO」vol.99より抜粋
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掲載号 vol.99