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【巻頭特集】工程の見直しや多能工化で月100時間の残業をゼロに

印刷用ページを表示する更新日:2018年10月17日更新

【巻頭特集】持続的な成長や人材の確保・定着に向け、働き方改革の推進を

石川県内の有効求人倍率は2倍近い水準が続き、製造業などさまざまな産業で人手不足感が広がっている。一方で人口減少や高齢化による労働力不足に対応しようと今年6月には働き方改革関連法が成立。魅力ある職場づくりによって人材の採用、定着、活用を図り、成長につなげようと、働き方の見直しに力を入れる企業も増えてきた。一口に働き方改革と言ってもその中身は多岐にわたるが、今回の特集では長時間労働の是正、働きやすい職場づくりに取り組む県内企業3社の事例を紹介する。

抜本的に見直すため掲げる目標は高く

吉田孝之社長と吉田瑛亮専務の写真 工作機械や産業機械などに組み込まれるばねを製造する加賀発条では、年間2万アイテムを最低1個から製造する多品種少量生産が特徴だ。約20年前には月100時間の残業が当たり前だったが、働き方改革を進めることで、現在まで6年以上にわたって残業時間ゼロを継続している。
 改革のきっかけは、ISO9001、ISO14001に続き、労働環境の安全管理に関する国際規格OHSAS(オーサス)18001の取得に取り組んだことだった。働いている時間を短くすれば、その分、事故も減る。吉田孝之社長はそう考え、まずは月20時間を目標に掲げた。一気に80%の削減を目指したのは、「精神論で何とかするのではなく、抜本的に仕事を見直したかったから」効率化を進めるため最新機種に更新した、ばねを巻くコイリングマシンの写真。(吉田社長)だ。
 まずは、残業発生につながる原因を徹底的に究明し、作業工程を見直したほか、ばねを巻くコイリングマシン、複雑な形状を作り出すフォーミングマシンなどの設備を最新の高性能機器に更新し、生産性を向上させた。この間、設備投資にあたって借入条件を有利にするため、財務体質の改善にも励んだ。

仕事が終われば全社員が有給休暇取得

 月20時間という目標が達成される頃、一人一人の裁量に任せていると能力の高い人ほど残業代が減り、不満が募るという問題が持ち上がった。残業の少ない有能な社員には賞与を手厚くするなど対策を打ったが、なかなか社員の理解が得られなかった。そこで導入したのが、残業時間の事前申告制だ。個人ではなく、工程ごとにチームで仕事の進ちょくを管理するよう改めた上で、残業が必要な場合はチームとして申告させ、だらだらとした残業を一掃した。
 それでも前工程に比べて後工程を担うチームでは納期を守るために残業が発生しがちだったため、最終的には社員の多能工化を進め、工程間の垣根を越えて仕事を助け合える仕組みを作った。工程ごとに配置していた責任者を一人に集約し、工場全体を見渡して人材の配置を最適化するようにした。この結果、2012年5月に残業時間ゼロを達成した。これと前後して2010年にOHSAS18001の認証を取得したほか、2015年に北陸の企業としては初めて安全衛生優良企業に認定された。
加賀発条の工場の女性社員の写真。ばねの製造は人手に頼る作業も多い。 現在ではさらに取り組みを進め、月1、2回ある土曜日の出勤日について、金曜日までにその週の仕事が終わっていれば、その日に全社員が有給休暇を取得できるようにした。また、プレミアムフライデーの開始に合わせ、月に1度、所定労働時間を15分短縮。将来的には所定労働時間そのものを15分短縮することを目指している。
 「人の一生は短い。仕事だけではもったいないので、いろんなことにチャレンジしてほしい」と話す吉田社長。社員の健康、安全を守りながら社業を発展させる仕組み作りにこれからも注力していく考えだ。

企業情報

企業名 加賀発条(株)
創業・設立 設立 1990年8月
事業内容 各種ばね製造、ワイヤー加工

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関連情報

関連URL 情報誌ISICO vol.102
備考 情報誌「ISICO」vol.102より抜粋
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掲載号 vol.102