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フランスと地元の味覚が素敵にコラボ 2020年にらみ、“Yôkan”開発 ~(株)甘納豆かわむら

印刷ページ表示 更新日:2018年10月18日更新

チャンスをつかみ、未来をひらく
Seize a chance and open a bright future.​

東京オリンピックの開催まで2年を切り、国を挙げたビッグイベントへの機運が高まっている。
県内でも金沢市が水泳フランス代表チームの事前合宿地となるなど、受け入れ準備が進んでいる。スポーツを架け橋に交流促進が期待される中、甘納豆かわむらでは、ISICOの活性化ファンドを活用し、一足早く石川とフランスをつなぐ新商品「Yô
kan」を開発。昨年10月の販売開始から1年、地元客はもちろん、増える外国人旅行客の心もつかみ、看板商品の甘納豆に続くヒット商品となっている。​

1本で2度、おいしい

おしゃれな和菓子として、地元客・観光客問わずに人気を集めている「Yokan」の写真 にし茶屋街に店を構える甘納豆かわむらの「Yôkan」はそのネーミングが示すように、従来のようかんのイメージを覆す新商品だ。一番の特徴は、1本のようかんにフランスと石川の食材がコラボレーションし、2つのおいしさを味わえる点にある。現在、ラインアップは「フランボワーズ+能登島産オリーブ」「国造ゆず(能美市)+フランス産青りんご」「地中海のレモン+加賀の紅茶」「フランスのいちご+奥能登揚げ浜塩」の4種類(1本、税別250円)。商品はスティック状になっており、押し出しながら筒に付いた糸で好きな量だけ切り分けて食べられる。
 河村洋一社長は、「甘納豆同様、Yôkanも素材のおいしさを生かした商品です。例えば、フルーツ味のようかんはぜいたくに使った果汁が主役で、それに見合った餡(あん)を加え、砂糖の甘みはじゃましない程度に抑えました」と、商品の出来栄えに胸を張る。爽やかな酸味のあるフランボワーズや、ほどよい苦味のある能登島産オリーブの葉を使うなど、これまでにない新たなようかんを楽しめると好評だ。当然、食材の組み合わせも、食べ進めていった時に味わいが深まるように工夫して選んでいる。
 砂糖はオーガニックシュガーを使うなど自然素材にもこだわり、香料や着色料、保存料を一切使っていないのも特色の一つだ。

5年後の目標額を11カ月で達成

 まさに、Yôkanは同社の商品づくりへの思いが詰まった商品であり、昨年10月に初めて店頭に並ぶと瞬く間に人気商品の仲間入りを果たした。通常はようかんの販売が落ち込む冬場も好調を維持し、売り上げは毎月右肩上がりで伸びている。同社では、5年後をめどにYôkanで年間売り上げ2,000万円を見込んでいたが、予想を越える売れ行きで販売11カ月目の今年9月で既に目標額を上回ったという。
 目立った広告を打っていないにもかかわらず、人気が加速していった背景にはSNSがある。2色に分かれた色鮮やかなようかんはインスタ映えすると評判で、若い女性が続々とSNSにアップしており、口コミの広がりが着実な販売実績につながっているようだ。加えて、地元でリピーター客をしっかりとつかんだことも、売り上げを大きく押し上げる要因となっている。

活性化ファンド採択で開発に弾み

 同社がYôkanの開発をスタートしたのは、約2年前からだ。ただ、河村社長には、それ以前から上に海外産、下に国内産の食材を使い、1本で異なる味を楽しめるスティック状ようかんのアイデアがあったという。その構想を具体化する後押しとなったのが、2017年度に訪日外国人をターゲットに土産品を開発する企業向けの東京オリンピック・パラリンピック枠を新設したISICOの活性化ファンドである。
河村洋一社長の写真 活性化ファンド採択を視野に、外国産の食材は20年に金沢市で事前合宿を行うフランス水泳代表チームにちなんでフランス産、国内産はより絞り込んで石川県産を使うことを決めた。県産食材に関しては、活性化ファンドの採択式に出席した際、同じ採択企業の(株)奥能登塩田村(珠洲市)と接点ができ、それを機にフランス産のイチゴと400年以上続く揚げ浜塩の組み合わせが生まれた。国造ゆずや能登島産オリーブの生産者と知り合ったのも、活性化ファンドを通して人的ネットワークが広がったからだ。「石川県にはいい食材がたくさんあるが、流通ルートが確立されていないものも少なくなく、試作品を作るのにも苦労しました。そんな中、活性化ファンド採択が商品化に向けて大きな弾みとなりました」と、河村社長は振り返る。

種類を増やし、法人化も視野

 同社では現在、加賀野菜の加賀れんこんや七尾市特産の中島菜などを使ったYôkanの開発に取り組んでおり、ゆくゆくは10種類程度まで増やす計画だ。ラインアップが充実し販売が軌道に乗れば、ようかん部門を独立させて法人化する青写真も描いており、新店舗を立ち上げ、Yôkan を主力としながら甘納豆かわむらでは難しかった新たな商品開発にも積極的に乗り出していく考えだという。
地域に根ざした店づくりに全力を傾けている甘納豆かわむらの店舗の写真 とはいえ、同社ではやみくもに拡大路線にかじを取っているわけではない。むしろ、大都市圏の百貨店などからイベント出展などの誘いがあっても断ることがほとんどで、にし茶屋街の実店舗で地元客を第一に考えた販売に力を注いでいる。「金沢以外で唯一、商品を出すとしたらフランスです。日本各地で味わえる“Made in Japan”ではなく、“Made in Kanazawa”の和菓子として、歴史と文化が息づく美食の街への挑戦を夢見ています」と河村社長。その未来に向けて、Yôkanの開発は同社にとって重要な一里塚と言えるだろう。

企業情報

企業名 (株)甘納豆かわむら
創業・設立 設立 2001年3月
事業内容 甘納豆やようかんなどの製造・販売

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関連URL 情報誌ISICO vol.102
備考 情報誌「ISICO」vol.102より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.102


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