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研究開発のパートナー探しや申請書作成をISICOがサポート

印刷ページ表示 更新日:2020年2月6日更新

使って役立つ!ISICOのトリセツ​
戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)

中小企業の総合支援センターとして、経営課題の解決をサポートするISICO。
幅広い支援メニューの中から注目の取り組みをピックアップして紹介します。

経済産業省が実施する 「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)」は、中小企業・小規模事業者が大学・公設試験研究機関などと連携し、ものづくり基盤技術の高度化につながる研究開発やその事業化を支援する事業です。ISICOでは事業管理機関として、申請書の作成、研究開発や事業化に必要な連携体制の構築、事業の進捗(しんちょく)管理などの側面から、県内企業をサポートしています。

漢野救泰参事とISICOスタッフの写真。サポイン事業を利用する県内企業をバックアップします。

ISICOの管理案件 6件すべてが採択

  サポイン事業では、複合・新機能材料、精密加工、立体造形など特定の技術分野で、企業が単独では解決できない課題をテーマに掲げ、複数の企業や研究機関などが力を合わせて研究開発に取り組みます。補助事業期間は2年度または3年度で、補助金額は2年度合計で最大7,500万円、3年度合計で最大9,750万円となっています(補助率2/3以内)。補助金は、研究開発や試作に必要な設備費、原材料費、人件費、外注費、マーケティング調査費など、幅広い使途が認められています。
 2019年度は全国で304件の提案の中から137件が採択され、採択率は約45%でした。ISICOが事業管理機関となって提案した6件はすべて採択され、採択数・採択率ともに全国の中小企業支援センターの中でトップでした。

事業化に向け川下企業がアドバイス

 申請や採択後の研究開発を事業管理機関として強力にサポートするのがISICOです。例えば、「サポイン事業を活用して技術的な課題をブレークスルーしたいのだが、研究開発のパートナーが見つからない」といった場合、ISICOが連携体制の構築に協力します。
 「工科系の大学や高専、石川県工業試験場など、連携できる機関が多いのが石川県の特徴」と話すのはISICOの漢野救泰(すけやす)事務局参事です。このほかにも、国内最大規模の公的研究機関で工業試験場内にも拠点を設ける産業技術総合研究所、県とISICOが連携協定を結ぶ東京大学先端科学技術研究センターをはじめ、県内外を問わず、研究開発に最適なパートナーをマッチングします。
 また、申請書の作成に当たっては、審査の際に外部有識者などから評価されるポイントを押さえた内容になっているかなどについて、経験豊富なISICOのスタッフが吟味し、ブラッシュアップします。
 採択後、研究開発が円滑に進むようサポートするのもISICOの役割です。年に2、3回は、川下企業や外部有識者をアドバイザーとして迎えて研究開発委員会を開催し、事業の進捗状況を確認するとともに、開発の方向性についてチェックし、必要に応じて軌道修正を図ります。
 サポイン事業の公募期間は例年1月下旬から4月下旬となっています。「県内企業の皆さんに積極的に活用してほしいと思っています。お気軽にISICOにご相談ください」(漢野参事)。

 お問い合わせ
ISICO プロジェクト推進部 技術開発支援課
TEL.076-267-6291

支援企業の声

CASE 01 申請時の的確なアドバイスに感謝しています。 (株)白山 [金沢市]

内田健太郎R&D部門長の写真。 当社がサポイン事業で取り組んでいるのは、環境調和型電子冷却モジュールの開発です。電子冷却モジュールは、電気を流すことで両端に温度差が生じる熱電変換材料を用いて、ものを冷やします。従来、熱電変換材料には、ビスマスやテルルといった、レアメタルが使われていましたが、これらは非常に高価な上、資源の埋蔵地域に偏りがあるため、通信用半導体レーザーの温度調節など、限られた用途でしか使用されていません。
 一方、当社が開発しているのはマグネシウムやシリコン、スズから構成する熱電変換材料を使った電子冷却モジュールです。これらはすべて一般的な元素ですから、豊富に存在し、世界中で採掘が可能です。そのため、従来の1/2から1/5という大幅なコストダウンが可能となります。安価になれば、これまで利用されていなかった分野でも使えるようなり、当社としては車の自動運転やデータセンターで今後利用が増えるAI用高性能プロセッサーなどの冷却を主な用途として想定しています。
 ISICOの次世代ファンド事業を活用し、既に新規材料の基礎研究やモジュール化の要素技術開発を終えており、サポイン事業では、モジュール製造機や評価装置を導入し、製品化に取り組んでいます。申請書の作成時に的確なアドバイスをしてくれたり、事業の推進に向けて一緒に考えてくれたりと、ISICOには本当に感謝しています。共同研究者の皆さんも積極的に開発に携わってくれており、大いに助かっています。

CASE 02 外部の知見が研究開発の後押しになっています。 (株)東振テクニカル [小松市]

安根剛執行役員と谷口靖憲さんの写真。 当社はベアリングに組み込まれるローラーを加工するための心無(しんなし)研削盤を製造しています。ベアリングは自動車やロボットなど、さまざまな分野で用いられ、近年はより小型のものへのニーズが高まっています。小さなベアリングを作るには小径のローラーが不可欠で、これに合わせ、研削工程でローラーを支えるジグも薄肉化する必要があります。現在ジグは、鉄製の基材に、摩耗防止のための超硬合金焼結体を溶接の一種「ろう付け」によって接合することで製作しているのですが、熱によるひずみ、割れ、剥離による不良が多発し、コストが高く、製造に時間がかかることが課題となっています。
ジグのイメージ図 サポイン事業では、基材の表面に振り落とした超硬合金の粉末を、レーザー光を使って溶かし、積層造形する新たな製造法の確立に取り組んでいます。この製造法では熱の影響が少ないため、不良が少なく、低コストで、リードタイムも短縮できます。これまで困難だった1mm以下の超薄肉精密ジグの製造も可能です。また、従来と違い、1台の装置にすべての工程を集約します。技術の確立後は自社の心無し研削盤にこのジグを搭載して、小径ローラーのニーズに対応するとともに、ジグ単体の外販にも取り組みます。
 中小企業の場合、自分たちだけで研究開発を進めるのは限界があり、連携先を探すだけでも大変です。その点、サポイン事業では資金面はもちろん、ISICOの橋渡しで産業技術総合研究所が積層技術を評価してくれるなど、外部の知見が大きな後押しになっています。

企業情報

企業名 公益財団法人 石川県産業創出支援機構
創業・設立 設立 1999年4月1日
事業内容 新産業創出のための総合的支援、産学・産業間のコーディネート機関

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関連情報

関連URL 情報誌ISICO vol.109
備考 情報誌「ISICO」vol.109より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.109


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