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ターゲットを見据え、求人票の情報を充実 職員にも魅力をアピールして理解促進 ~(株)六星

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【第2特集】無料で使える採用活動の強い味方 ハローワークの徹底活用を

中小企業にとって採用活動の強い味方と言えるのが、無料で利用できるハローワークだ。とはいえ、「求人票を出しても、なかなか応募がなくて」と悩んでいる採用担当者も多いだろう。そこでISICOでは昨年と今年、「求人票作成講座(全4回)」を開催し、ハローワークをフル活用するためのノウハウを伝授した。ここでは受講後に採用に成功した県内2社の取り組みと人材アドバイザーからのメッセージを紹介する。​

正社員1を含む11人 1年間で採用

 六星は、県内はもちろん、国内でも指折りの6次産業化のトップランナーだ。高齢化や後継者不足によって、農作業ができなくなった農家から耕作を請け負う水田の面積は、県下最大規模となる170ヘクタールを誇る。収穫した米などを使って、自社で餅や総菜を加工。4つの直売店は、土日はもちろん、平日でも大勢の人でにぎわっている。
 そんな同社では北陸新幹線が開業した2015年以降、生産・加工・販売の各現場で人手不足感が一気に強まった。また、将来会社の核となる正社員の採用も課題となっていた。そのため、ハローワークのほか、フリーペーパーや新聞の求人広告、求人サイトを利用して採用活動に取り組んでいたが、思ったような成果は得られなかった。
 総菜の調理に携わるスタッフの写真何か新たな手を打ちたいと考えていた同社の浅野泰隆取締役(営業・採用担当)が受講したのが、2021年にISICOが開催した「ハローワーク求人票作成講座」だった。浅野取締役が講座で学んだことを生かして求人票の内容を見直すなどした結果、ここ1年でハローワークを経由して約30人の応募があり、正社員1人を含む11人を採用した。
 浅野取締役は「まだ充足はしていないが、以前に比べて随分と応募してくれる人が増え、人材を確保できるようになった」と手応えを話す。

文字数制限いっぱいまで情報を詳しく記載

 では、どのような取り組みが実を結んだのか。ここからは具体的に紹介しよう。
 まず実践したのが、ハローワークに掲出する求人票の内容の充実だ。ほとんどの企業の求人票は、職種や給与、労働時間、休日などの項目を端的に記載するにとどまっている。同社も決して例外ではなかった。しかし、これでは求職者の知りたい情報としては不十分だ。そこで浅野取締役は、仕事の内容や会社の魅力、働き方、キャリア形成の道筋、扱っている食品へのこだわり、職場の雰囲気などについて、文字数の許す限り、詳しく記載した。
 店舗の立地や店内の様子、どんな人がこの職場に向いているのかなど、求人票の項目として設定されていない内容については、多くの企業が空白のままにしている「特記事項」という欄を活用した。
 インターネットで検索した際に真っ先に表示される職種の欄は、単に「販売・店内調理」とするのではなく、「#販売・店内調理#未経験OK#正社員#金沢市」といった具合に、文字数制限いっぱいに情報を詰め込んだ。
 より詳細でリアルな情報を提供するため、浅野取締役は現場の社員にヒアリングしたり原案を作らせたりして情報収集に努めた。

文言を工夫し求める人材を絞り込み

六星の直営店で働くスタッフの写真 求人票を作成する際、意識したのは採用ターゲットを明確にしたことだ。ハローワークでは原則として性別や年齢を制限することはできない。そこで書き方を工夫して、求めている人材への訴求力を高めた。
 例えば、生産部門の社員を募集する求人票では、体力のある若手をターゲットに「平均年齢30代が活躍中」と記載した。また、社会人経験を持つ女性が力を発揮する販売・店内調理業務の場合は
「値下げ競争とは一線を画すストーリーのある商品の販売や店舗運営に携わりませんか?」と呼び掛け、「流通小売業や食品製造業に従事された経験をお持ちの方」が向いていることをアピールした。
 求人票の内容をベースに情報を掲載することで、有料求人サイトからの応募増にもつながった。
 「釣りに例えると、今までの求人活動は不特定多数の魚種を狙って大きな網を仕掛けるようなやり方でした。でも網はスカスカでどの魚も捕まえることができませんでした。今は釣りたい魚を絞って一本釣りしているような感じです。うまくいかなければその原因を考え、仕掛けを替えることもできるので、受け身でなく攻めの採用ができるようになりました」(浅野取締役)。

ハローワークに足運びネットワークづくり

 求人票の充実だけでなく、その周知活動にも力を入れた。周知活動とは統括と呼ばれる役職者をはじめ、ハローワークの職員を訪ね、会社の魅力や仕事の内容についてPRする取り組みだ。浅野泰隆取締役(営業・採用担当)の写真求職者と接する職員らとコミュニケーションを取り、より深い情報を提供しておけば、これはと思う相談者に自社のことを紹介してくれるチャンスも増える。
 さらに、ハローワークの会議室で求職者と面談できるサービスを利用し、「お仕事相談会」を開催。六星について知ってもらうのはもちろん、求人票の掲載内容をブラッシュアップするため、求職者のニーズや動向を把握する機会にもなっている。
 「まだまだ理想的な採用活動ができているわけではありませんが、ようやくそのスタート地点に立てたと思います」。浅野取締役はそう話し、今後もハローワークを軸にオリジナルの採用手法を確立し、いい人材を獲得して会社の成長につなげていこうと意欲を燃やしている。

企業情報

企業名 株式会社 六星
創業・設立 創業 1977年6月
事業内容 農産物の生産、加工、販売

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関連URL 情報誌ISICO vol.123
備考 情報誌「ISICO」vol.123より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.123


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