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珪藻土のペーパータオルボックス 加賀友禅の技法で鮮やかに彩色 ~奥田染色(株)

印刷ページ表示 更新日:2022年11月25日更新

​首都圏での販路拡大をISICOがサポート
東京インターナショナル・ギフト・ショーに出展

ISICOは9月7日から3日間、東京ビッグサイトで開かれた「東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2022」に出展した。これは、ISICOが県内中小企業の新商品を首都圏に売り込むために取り組んでいる事業で、今回は28社が出展し、独自の技術や工夫を凝らした商品をバイヤーらにアピールした。巻頭特集では、出展企業3社の取り組みのほか、展示会の集客に向けたノウハウを紹介する。​

暮らしに彩りを添え飛び散る水滴を吸水

珪藻土ペーパータオルボックス「吸(SUI)」の写真。 加賀友禅や各種染色加工品を製造する奥田染色は、珪藻土ペーパータオルボックス「吸(SUI)」をギフト・ショーでお披露目した。上ぶたが珪藻土でできており、加賀友禅の技法で色とりどりの文様を彩色した。珪藻土は吸水性や速乾性に優れ、濡れた手でペーパータオルを取った際に飛び散る水滴をきれいに吸い取ってくれる。本体には調湿性、防臭性が高く、着物を収納するたんすにも使われる桐を採用した。
 上ぶたの加賀友禅は、糊置きや彩色に型を使う型染めの技法を用いている。和装の文様には、例えば牡丹(ぼたん)ならば美や富貴、菖蒲(しょうぶ)には魔除けなどの意味があり、これらを組み合わせて2種類をデザインした。
 上ぶたの裏側にアロマオイルを垂らせば、アロマストーンとしての役割も果たす。ティッシュケースボックスとしても使える。
 同社の北村和子取締役プロダクトマネージャーはこの商品を企画した狙いについて、「着物離れの時代と言われるが、インテリアや雑貨に興味のある30代、40代の女性に生活に取り入れてもらい、加賀友禅を知ってもらうきっかけになれば」と話す。

環境に優しく、衛生的 通販会社や呉服店から注目

 加賀友禅と珪藻土という異色の組み合わせは、数年前に建材メーカーから珪藻土のバスマットに染色をできないかと注文を受けたことから始まった。同社ではこれまで、織物だけでなく木材や和紙といった天然素材を染色した経験があり、半年間の試行錯誤の上、珪藻土に適した糊や染料を独自に開発した。インクジェット印刷で絵柄を施した既存品と違い、水を弾かず、珪藻土の機能性を損なわずに染色できるのが特長だ。
北村和子取締役プロダクトマネージャーの写真。 その後、珪藻土を使った自社オリジナル商品として企画したのがペーパータオルボックスである。コロナ禍の中でペーパータオルの使用頻度が高まっているが、多くの収納ボックスはプラスチック製で、水滴が溜まったままになっている。そんな状態を目にした北村取締役が、もっと環境に優しく、衛生的なものができればと構想を練り、バスマット開発で培ったノウハウを生かして製造した。開発にはISICOのいしかわ中小企業チャレンジ支援ファンドの助成金を活用した。
 同社がギフト・ショーへ出展するのは、およそ10年ぶりだ。「出展前の準備から、アフターフォローのやり方まで細かく教えてもらえた。単独で出展するよりも費用も安くて助かった」と話す北村取締役。3日間を通じて、通販会社や呉服店などから新たな商材として注目を集め、確かな手応えを感じた。「来場者から寄せられた意見を踏まえてパッケージなどを検討したい」と話し、12月の発売を見据え、着々と準備を進めている。

企業情報

企業名 奥田染色 株式会社
創業・設立 創業 1905年2月
事業内容 加賀友禅、旗・幕・のぼり・のれんなどの製造販売、インテリア塗装

企業情報詳細の表示

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関連URL 情報誌ISICO vol.125
備考 情報誌「ISICO」vol.125より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.125


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