本文
ISICOは9月7日から3日間、東京ビッグサイトで開かれた「東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2022」に出展した。これは、ISICOが県内中小企業の新商品を首都圏に売り込むために取り組んでいる事業で、今回は28社が出展し、独自の技術や工夫を凝らした商品をバイヤーらにアピールした。巻頭特集では、出展企業3社の取り組みのほか、展示会の集客に向けたノウハウを紹介する。
会期中、大勢の来場者でにぎわったISICOブースは、展示会ブースデザインで多くの実績を誇るSUPER PENGUIN(株)(東京都)が手掛けた。同社の代表で、展示会プロデューサーを務める竹村尚久さんに集客やディスプレーのこつなどを聞いた。
竹村 尚久さん
SUPER PENGUIN(株)
代表取締役/CEO
展示会プロデューサー/
デザイナー
今回のISICOブースは出展企業14社ずつが、中央に配置したカウンターテーブルをはさんで向き合うレイアウトにしました。つまり、出展企業は来場者が行き来する通路に背を向けているわけです。
なぜ、そんなふうにしたのか。鍵は来場者の心理にあります。出展企業のスタッフが展示台の横に立ち、待ち構えている状況では、来場者は近寄りにくくなります。そこで出展企業の皆さんには、中央のカウンターテーブルで待機してくださいと事前に伝えました。こうすると展示台の前が空くので来場者が立ち寄りやすくなるのです。
また、展示台の下の引き出しにはメイン商材以外の商品などを雑多に入れてもらいました。あれこれ見てもらって、バイヤーの滞在時間を伸ばし、にぎわいを生み出すのが狙いです。
商品をディスプレーする上で大事なのは、どんな商品で、どんな価値があるのかが、ぱっと見で伝わることです。バイヤーに自社の店舗に置いて売れるかどうかを見極めてもらうのが、展示会に出展する目的です。見ただけで伝えることが難しければ、ちゃんと説明しなければいけません。もちろん、見栄えも重要です。商品がよりよく見えるように、背景に色を付けたり、利用シーンをイメージさせるような写真を置いたりしてもよいでしょう。
バイヤーに紹介したときの感触が悪ければ、会期の途中で展示する商品を替えるのも一つの手です。今回のギフト・ショーでも価格の割に価値が伝わりにくい商品があったため、展示替えをした例がありました。時間は限られていますから、有効に使いましょう。
今年6月には出展企業各社と1時間ずつ面談しました。何がPRポイントなのか、どんな店舗に置きたいのかを伺い、ディスプレーやブース内に表示するキャッチコピーを検討するためです。このとき多く耳にしたのが「ターゲットとなる店舗が分からない」という声でした。
展示会で成果を挙げるためには、目標を明確にしておくことが大切です。自社の商品を置いてほしい店舗にターゲットを定めて足を運び、店内をよく観察してどのような商品を扱っているか把握した上で、自社の技術を生かして製造する、いわゆるマーケットインの手法で開発を進めましょう。
今の世の中はものがあふれていて、作れば売れるわけではありません。どんな店舗に扱ってほしいか、どんな暮らしをしている人に使ってほしいか、商品の魅力だけでなく、そこまでしっかりと説明できればバイヤーにも必ず響くと思います。
企業名 | SUPER PENGUIN 株式会社 |
---|---|
創業・設立 | 設立 2005年6月 |
事業内容 | 展示会ブースデザイン/展示会ブースセミナーの開催等 |
関連URL | 情報誌ISICO vol.125 |
---|---|
備考 | 情報誌「ISICO」vol.125より抜粋 |
添付ファイル | |
掲載号 | vol.125 |