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【巻頭特集】CASE.01 ISICOの「求人票作成講座」を受け、ハローワークで採用に成功 ~丸文通商(株)

印刷ページ表示 更新日:2023年7月28日更新

県内企業の成功事例から学ぶ!人材の採用・定着のポイント

北陸財務局が6月に発表した「北陸3県の法人企業景気予測調査」によれば、企業の景況は上向き、設備投資への意欲が高まる一方、人手不足の傾向がますます強まっている。企業の成長の源泉は人材であり、その採用や定着は企業の浮沈をかけた大きな問題だ。人材の採用や定着を強化するにはどのような手立てが有効なのか。今回の特集では、ハローワークの求人票を改善して専門人材の採用に成功した事例と、自由度が高く、コミュニケーションの取りやすい職場環境づくりを進めた事例を通して、その手掛かりを紹介したい。​

Iターン転職者含め2人の社内SEが入社

 求人誌や求人サイト、人材紹介など、採用にもさまざまな手段があるが、中小企業にとって強い味方となってくれるのが無料で利用できるハローワークだ。ISICOではハローワークをフル活用できるようにと「求人票作成講座(全4回)」を一昨年から開催し、好評を得ている。
 昨年の講座を受講し、成果を挙げた企業の一つが丸文通商だ。同社はここ1年でハローワークを通じて、社内SE(システムエンジニア)2人の採用に成功した。このうち1人は福島県からのIターン転職だった。
小荒一良課長の写真 「社内SEを募集したのは、社員が使う情報システムの企画・開発・運用などを手掛けるために立ち上げたICT統括室を増強するためです。求人票作成講座のことはISICOのメールマガジンで知りました。SEのような基幹職(特定分野のスペシャリスト)はハローワークで集めるのが難しく、これまでは人材紹介会社を利用して募集してきたのですが今回はなかなかマッチングせず、講座を受けてみました。受講の際は半信半疑だったのですが、思いがけない場所からいい人材が応募してきてくれてびっくりしました」。そう笑顔を見せるのは同社人事課の小荒一良課長だ。

職場へヒアリングし、求職者目線で情報を充実

 どのような取り組みが実を結んだのか、具体的に紹介しよう。
 最大のポイントと言えるのが、ハローワークに掲出する求人票の内容の充実だ。ほとんどの求人票は職種や給与、労働時間、休日などの項目を端的に記載しているだけだ。とはいえ、これでは求職者の知りたい情報が網羅されているとは言えない。そこで小荒課長は求職者の目線を意識しながら、募集の経緯や人材を求めている職場の現状、業務内容について文字数の許す限り、詳しく記載した。求めている人材像や入社後の人材育成の方法など、求人票の項目に設定されていない内容は、多くの企業が空欄のままにしている「求人に関する特記事項」というスペースを活用して書き込んだ。
 インターネットで検索した際に真っ先に表示される職種の欄も、従来は「社内SE」と記載するだけだったが、「社内SE/基幹職採用/金沢市勤務/未経験応募可」と情報を増やした。
 「読み手の目線に立ち、どんな情報を知りたいか考えながら書きました。講師が参加企業1社1社にしっかりと向き合い、求人票をチェックしてくれたのがありがたかったですね」(小荒課長)。
 詳細でリアルな情報を記載するため、ICT統括室のメンバーにヒアリングしたほか、採用を見送った際もその理由をしっかりと把握し、求人票作成の参考とした。

入社後がイメージできる内容で求職者の心をつかむ

鈴木尚也さんの写真 今回、社内SEとして採用された鈴木尚也さんは福島県出身で、地元の半導体メーカーで生産プロセスを設計するSEとして勤務していた。同じSEとはいえ、社内SEとしては未経験だったため、職種の欄に「未経験応募可」と記載されていたことが詳細情報を開くきっかけになった。
 「他社の求人票は情報が漠然としたものばかりでしたが、丸文通商は仕事の内容や進め方、手厚いサポートや仕事を通じて学べることなどが詳しく書かれていたのが好印象で、応募の後押しになりました。入社後の様子がイメージしやすかったので、今もギャップを感じずに、仕事に取り組むことができています」と充実感を漂わせる。

職員への周知活動が実り応募前の会社見学者が増加

 小荒課長は講師からのアドバイスを受け、ハローワークへの周知活動にも初めてチャレンジした。周知活動とは、求人票が受理された後、ハローワークの職業相談部門の責任者らを訪ね、会社の強みや仕事の内容についてPRする取り組みだ。
 「応募しようか迷っている求職者に、ハローワークの職員が会社見学を勧めてくれるケースが増えるなど、効果を実感しています。求職者の動きについてリアルな情報が得られるのもメリットです」と話す小荒課長。社内SEのほか、ハローワーク経由で事務職8人の採用にも成功し、1件の求人に対して平均2、3人だった応募者も7、8人に増加した。
丸文通商本社の外観写真 同社は医療機器や科学機器の販売にとどまらず、機器の保守やメンテナンス、ソリューション提案もワンストップで対応できる点を強みに成長を続ける。2023年3月期は過去最高となる売上高280億円を達成した。8年後の設立70周年には従業員数500人、売上高500億円の目標を掲げる。今年度も十数人を中途採用する計画で、引き続きハローワークを活用しながら、採用活動を展開する考えだ。

 

企業情報

企業名 丸文通商 株式会社
創業・設立 設立 1961年3月
事業内容 医用機器・分析科学機器・産業機械販売・機器保守サービス

企業情報詳細の表示

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関連URL 情報誌ISICO vol.129
備考 情報誌「ISICO」vol.129より抜粋
添付ファイル
掲載号 vol.129


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