ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 店ナビいしかわ > 粟津温泉開湯1300年祭に向け、 商店街を挙げて魅力発信に邁進!!

本文

粟津温泉開湯1300年祭に向け、 商店街を挙げて魅力発信に邁進!!

印刷ページ表示 更新日:2017年12月1日更新

粟津温泉商交会

粟津温泉開湯1300年祭に向け、商店街を挙げて魅力発信に邁進!-粟津温泉商交会

西暦700年頃、北陸地方で遍く信仰された泰澄大師が白山権現のお告げによって開湯したと伝えられ、開湯から1300年余の歴史を有する石川県内最古の粟津温泉。その粟津温泉の旅館と共に栄え、賑ってきた商店街が粟津温泉商交会である。現在、37軒が加盟する粟津温泉商交会の岡本邑夫会長に2018年の粟津温泉開湯1300年祭に向けた商店街活性化への取り組みを伺った。

粟津温泉商交会のあゆみ

日本が戦後の混乱から脱し、高度経済成長へと歩を進め始めた昭和34年9月、それまで任意組合であった粟津温泉商工会を発展的に解消し、68軒の加盟店でスタートを切ったのが、粟津温泉商工協同組合で、平成17年に粟津温泉商交会に名称変更し、今日に至っている。戦後の復興期から高度経済成長を経てバブル期に至るまで、北陸の湯治場として根強い人気を誇り、地元客に愛されてきた粟津温泉だが、バブル崩壊を境に宿泊客数が激減。デフレ経済下でスーパー銭湯に代表される従来なかった新たな温浴施設が急増や消費者ニーズの多様化などが相俟って、粟津温泉を取り巻く環境が激変し、現在、粟津温泉旅館協同組合に加盟する旅館は6軒と全盛時の半分以下になっている。こうした厳しい環境下に晒され、粟津温泉商交会の加盟店も37軒に減少すると同時に、商店主の高齢化が進み、後継者がいないという深刻な状況に直面している。そうした状況下にあって、商店街の活性化につなげるべく、粟津温泉商交会では以下のような取り組みを推進している。

おっしょべ祭り・太鼓の祭典が人気

粟津温泉と言えば「おっしょべ祭り」が何と言っても有名で、毎年多くの観客で賑わう歴史ある祭りである。その中でも粟津温泉商交会が主催し、プロとアマチュアの太鼓奏者を招いての「太鼓の祭典」は、温泉街に力強い音色を響かせる人気のイベントで、華麗なバチさばきが観客を魅了する。近年は太鼓の祭典に合わせ、地元のYOSAKOIソーラングループの演舞やタヒチアンダンス教室のグループも加わり、地元を挙げての一大イベントとして定着している。「華やかな衣装と元気はつらつとしたダンスパフォーマンスが、温泉街に活気と賑わいを創出してくれ毎年好評です。今後は、この祭りの賑わいを商店街の活性化につなげていくべく、さらなる工夫を凝らしていきたい」と岡本会長は熱く語る。


あわづハロウィン賑わい事業

温泉街に賑わいを創出することを目的に、10年あまり前から町の有志が中心になってハロウィンの仮装イベントが行われていたが、2013年から地域住民の交流を深め、温泉街を盛り上げるイベント「あわづハロウィン」として、粟津温泉商交会も協賛している。昨年は地元の子供たちを中心に市外からの参加者も含め、800人以上の子供たちが魔女やお化けなど思い思いの仮装に身を包み、温泉街の家々を回り、「お菓子ください」と声をかけ、あめやチョコレートなどを受け取り、地元商店主と子供たちとの交流が図られ、温泉街に子供たちの歓声が響き、賑わいを見せた。「子供たちからたくさんの元気をもらうことができました。時々は商店街のお店を思い出し、訪れて欲しい」と岡本会長は顔をほころばす。


賑わい創出に日本遺産「小松の石文化」を活用

平成28年4月、日本遺産認定を受けた「小松の石文化」を粟津温泉の魅力と共に観光客にも知ってもらおうと粟津温泉商交会が初めて企画し、粟津温泉開湯1300年祭に向けたプレイベントとして、28年10月~11月にかけて開催された「小松の石彫刻展」である。「小松の石文化」が日本遺産認定を受けた翌月、同商交会役員の田中さんと谷口さんが金沢市民芸術村に出向き、同村のワークショップ「石川の石を彫ろう」に通っている県内の石彫刻愛好家20人に、粟津温泉が「恋人の聖地」に認定されていることにちなみ、恋をテーマにした石彫刻作品の製作を依頼する。小松市特産の日華石、滝ヶ原石、大杉石、観音下石などを使い、寄り添う夫婦の像、恋占いのおみくじが引ける彫刻、カップルで座るいす等々ユニークな石の彫刻作品が完成する。その知らせを受け、岡本会長が金沢市民芸術村に出向き、それらの作品の中から展示する26点を選び、総湯横の広場など温泉街の4カ所において期間限定で展示し、温泉街の賑わい創出に一役買った。「これは大変好評だったので、来年以降も作品のテーマを変えながら石彫刻展を続けていきたい」と意欲的な岡本会長である。

行政の補助制度を有効活用

粟津温泉商交会では、小松市の町並み整備に対する補助制度を活用し、春と秋の年2回、温泉街の各所に配置したプランターの花を季節の花に植え替え、温泉街に憩いと安らぎを創出している。また、太鼓の祭典プロ奏者招待事業、あわづハロウィンにぎわい事業、粟津温泉まちなみ景観事業(石の彫刻展示)は、平成26年に国の地域商店街活性化事業に採択され、内容の充実強化を図っている。さらに、同年の商店街まちづくり事業にも採択され、温泉街の街路灯のLED化を推進するなど、粟津温泉商交会はこうした行政の補助制度も積極的に活用している。

粟津温泉交流広場活用法が今後の鍵

2018年の粟津温泉開湯1300年祭に向け、小松市が粟津温泉中心部にある廃旅館跡地を地域の交流拠点「粟津温泉交流広場」として整備を進めている。同時並行し、県が粟津温泉街の無電柱化並びに道路整備を重点事業の一つとして推し進めている。北陸新幹線の金沢以西の開業が5年後に迫っており、那谷寺、日用苔の里、小松の石文化、恋人の聖地といった豊かな地域資源にいかに磨きをかけ、その歴史と魅力を発信していくか、地元商店街と温泉旅館が心を一つにし、粟津温泉交流広場の有効活用ならびに歴史といで湯の魅せるまちづくりを邁進していくことが、粟津温泉活性化にとって最も重要な鍵を握っていることは言うまでもなく、粟津温泉商交会の汗かきはこれからが本番である。

 

商交会概要

名称 粟津温泉商交会
会長 岡本邑夫
所在地 小松市粟津町イ40番地
設立 昭和34年9月
加盟店 37店舗