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県内商店街の活性化、意識改革、個店の魅力向上をサポート!

印刷ページ表示 更新日:2017年12月1日更新

石川県商店街振興組合連合会

県内商店街の活性化、意識改革、個店の魅力向上をサポート!-石川県商店街振興組合連合会

商店街は、戦後から高度経済成長期にかけて、市民生活にとってなくてはならない存在として重宝されていた。それが、モータリゼーションの進展、郊外型大型店の台頭、商店主の高齢化・後継者難、消費者ニーズの多様化、ネット通販の普及など様々な環境変化により、県内商店街の経営環境は厳しさを増してきている。石川県内にある20の商店街振興組合をとりまとめる石川県商店街振興組合連合会の岡田信二事務局長に、県内商店街の活性化に資する取り組みについてお話を伺った。

石川県商店街振興組合連合会は、平成元年に設立され、国ならびに石川県からの補助金と組合員の会費によって運営されている。連合会の主な業務は、研修事業と情報提供事業に大別されるが、その内容は講習会やタウンミーティングの実施から、情報提供事業まで多岐にわたっている。

商業活性化推進事業

「商店街が頑張れば地域の商業は活性化する」という話は過去のことである。いまでは商店街単独で取り組むのではなく、いかにして地域を巻き込むか、がポイントとなる。連合会では、「商店街は個店の集合体であり、また地域の一員である」ことを重視し、「商店街実践活動塾」と「まちなか商店学習塾」を実施している。


商店街実践活動塾

商店街が地域の「顔」として存在し続けていけるよう地域資源を商店街活性化に活用すべく見える化、共有化に向けた支援を行い、地域ならびに商店街の活性化につなげる取り組みである。能登地区、加賀地区それぞれで、中心となる商店街を選定し、市町、商工団体をはじめ、さまざまな地域団体を巻き込み、年5~7回程度実施されるミーティングが活動の中心となる。近年は地域で活躍する様々な主体と連携し、地域が一体となったグランドデザインを描きながら、その中から商店街活動や個店のあるべき姿を考えていくという手法を用いている。例えば、能登地域では、商工会議所、まちづくり活動、市役所、商店街、スタンプ会等々、その地域に密着して活動している多様な人たちが集まり、ディスカッションを重ね、その総意を形成しながら情報を共有し、連携の強化を図り、次の段階の活動にどのようにつなげていけばいいかを学んでいる。過去には粟津温泉と那谷寺周辺の商店主を対象に活性化に向けた勉強会を開催し、その成果が今年度の那谷寺千三百年祭のさまざまなイベント開催につながっており、実践活動塾で育てたつぼみが花開いた事例である。現在、輪島地区では商品開発を切り口とし、柚子など地元特産や、小規模で栽培している規格外野菜などで試作品を開発しており、今後どのように花開くか、関係者の期待も高い。

まちなか商店学習塾

商店街の活力を向上させるためには、まず個店の繁盛店を育成することが必要であり、個店の魅力向上対策として、具体的には石川県中小企業団体中央会に委託し、まちなか商店学習塾(まちゼミ)に取り組んでいる。商店は単に商品を売り買いする場ではなく、人と人が出会う場を創出することが魅力づくりのポイント。その一環として、人と人が商店を通じて出会い、商店(主)を深く知ることで、それまで見過ごしていた個店力に気づき、その地域・店にしかない地域資源・魅力を再認識してもらい、地域住民と商店のつながりをより深化させることが狙いである。まちゼミでは各商店の店主が塾長となり、プロならではの専門的な知識や情報、ノウハウ、コツ等を少人数のお客様にワークショップ形式にて実演・伝授することで、商店の魅力を再認識してもらうと同時に、次回の来店につなげている。

補正消費税転嫁対策窓口相談等事業

国から求められる事業をこなすのも、連合会の重要な役割である。補正消費税転嫁対策窓口相談は国からの委託事業として、県内5会場において活性化に資する講習会を実施した。法律改正の情報収集、対応は商店にとって死活問題である。この事業では、消費増税の必要性を理解しつつ、それを超えていくための経営力アップについて学んだ。

情報提供事業

石川県商店街振興組合連合会の情報提供事業として、年3回機関紙「Shoten街ニュース」を発行している。最新号では、2019年10月に消費税が8%から10%に引き上げられることに対応するため、各商店ではレジの更新が必要なことから、国の補助事業等について解説している。発行部数は各回1,650部にのぼり、情報共有の一翼を担っている。

活動の現状と今後の課題  

石川県商店街振興組合連合会は、県内商店街の活性化のために活動してきているが、近年は県内商店街それぞれ、とりまく事情が大きく異なってきた。組合員の年齢構成から、関係団体の関与度合い、地域の経済環境もさまざまであり抱える課題も当然違う。そのため連合会として事業に取り組む際には、各商店街の状況に最大限配慮することに尽力している。机上の考えでは、関係者の理解を得られないため、関係各所を丁寧に訪問し、現状を話し合いながら事業に取り組まないと、将来、花が咲く事業にならないのである。スタッフも予算も限られた中では、できないことがたくさんある。「全国組織には商店街アドバイザーがいますが、地元の状況に即した、痒い所に手が届くようなサポートとなると難しいのです。そのようなサポートができるスタッフが連合会に数人いると、もっと商店街や地域に貢献できるんですが・・・」と事務局長の悩みは深い。また、実践活動塾にしても、まちゼミにしても、限られた期間での取り組みなので、思い半ばに取り組みから離れるケースも多い。こうした活動をするためには、経費がかかるが、国の三位一体改革により、補助金が大幅にカットされた影響は大きく、県からの補助金と組合員の会費を財源に、知恵を絞りながらの運営を行っている。また各商店街の個店は厳しい環境下にあるため、自店の商いのことで手一杯であり、商店街活性化に関するさまざまな課題にまで取り組めるかとなると、難しいのが現状である。石川県商店街振興組合連合会が各商店街振興組合の活動に深くかかわり、組合員の手足となってサポートしているものの、前述した各種勉強会を開催しただけでは、きっかけづくりだけで終わり、その先に進まないことが懸念されるため、学んだことを実践するテストマーケティングのサポートをできないか、それを次のステップと捉えている。連合会は加盟組合の指導的役割やサポート的役割を担っているが、その活動の主眼はあらゆる連携を活性化させ、継続させることにある。商店街と地域団体との交流や、人と人のつながりを深め連携を強化しながら、地域全体を活性化し、その活動を通して活気のある商店街に再生していくことが最終目標であり、そうした活動の先頭に立ち、リーダーシップを発揮できる若手リーダーの育成が、おおきな花を咲かせ続ける重要な鍵となっている。

事務局概要

 
名称 石川県商店街振興組合連合会
理事長 中島祥博
所在地 金沢市尾山町9-13
設立 平成元年