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能登を愛し、能登と生き、 能登をシフトする(変える)黒子役に!-のとシフト

印刷ページ表示 更新日:2018年4月3日更新

のとシフト

能登を愛し、能登と生き、 能登をシフトする(変える)黒子役に! のとシフト

 

のとシフトのおいたち

顔写真穴水町で生まれ育ち故郷を愛する鈴木久善さんは、遡ること7年前、知人からパソコンの修理を頼まれたことがきっかけとなり、「これは穴水でも仕事にできるのでは・・」と思い立つ。しばらくは店舗もなく自宅で修理をしていたが、ふるさと雇用再生特別基金事業を利用して、商店街で文具店を営む吉村さんが鈴木さんを雇用する形で新規事業をスタートさせることに。その際、鈴木さんは、パソコンの修理やメンテナンスだけでなく、自分の店が多くの人の交流拠点になればとの思いもあり、パソコンのシフトキーのように、「様々な場面で利用してもらえる存在に」という思いと、「穴水町から能登を元気にシフトさせていきたい」との思いを込め店名を「のとシフト」とする。店は能登半島地震後に閉店した空店舗を活用し、改装費や家賃の一部は、石川県産業創出支援機構の被災商店街空き店舗等入居誘致支援助成事業を利用して賄う。2年あまり経過した頃、能登半島地震で壊れた橋の架け替え工事立ち退きのため、鈴木さんの母親が営んでいる店を移設して建て替えることになった。その際、新店舗の半分を「のとシフト」の事務所として独立し、再スタートを切る。

のとシフトの仕事

パソコンの修理・メンテナンスの仕事は、穴水町を中心に、時には能登町や輪島市からも依頼があるとのことで、リピーターも少しずつ増えている。パソコン故障した場合、その原因がハード的なものかソフト的なものなのかを診断する。ハードが原因ならば、パソコンはパーツの組み合わせでできあがっている機械なので、原因となるパーツ特定し、それを交換できれば元通りに復旧する。そうしたお手伝いが主な仕事であり、こうした技術は文字通り趣味が高じて身に付いたもの。積極的に店の宣伝はせず、利用者の口コミで少しずつ新規客が増えてきている。パソコンの修理費用は、ケースバイケースで異なり、これはいくらという価格は定めにくい。パソコンの症状によって修理に要する時間は異なり、見積もり段階では一つのパーツを交換するだけでいいと思っていたものが、いざ中を開けてみると追加で必要な作業がでてきたりもする。なかなか料金を明記しにくいのが現状のよう。そのため、修理の進捗状況をお客さんとやりとりしながら進めていく形が主流。「お客さんから「ホームページはないの?」と聞かれることもありますが、「思案中なんです」と言いつつずっと未完成なんです」と苦笑する。

修理-1 修理-2

気付けばまちづくりに汗をかく日々

前述の補助金を受ける際、まちづくりに関する活動をすることも明記していたことから、商店街の活性化、穴水町の魅力発信といった面でも様々な取り組みを行ってきている。穴水町商店振興会の役員の一人として、商店街活動をサポートしながら、様々な団体の世話役も務めている。「仕事が暇なので、ボランティアばかりしてます」と鈴木氏は謙遜するが、今では知る人ぞ知る存在に。ユニークなのは、自身の子供が小学生だった時にPTAの役員として、それまで町の郊外を走っていた校内マラソン大会を、多くの町民に見てもらうため、商店街の通りを走る形に変更することを提案したことだ。今ではコース沿いの町民が一生懸命走る子供たちに声援を送る微笑ましい光景が生まれ、それまで学校行事だったマラソン大会が町の風物詩として定着している。

まちゼミ

些細なきっかけで「カフェ・ローエル」が始まる

「カフェ・ローエル」のイベントは、夏の夜に川縁で映画を観ながらビールを飲んだら美味しいのではないかという鈴木さんの友人の発想から、プロジェクターとDVDデッキを川縁に運び、友人と三人で映画を観ながらビールを飲んだことが始まり。これは結構楽しいということになり、参加する人が徐々に増えていき、その後、川縁や商店街にキャンドルを並べ、コーヒーも飲みたいとカフェを設置したことで「カフェ・ローエル」として定着。年々規模が大きくなり、現在、鈴木さんがカフェ・ローエル実行委員会の代表を務めている。


ローエル祭 カフェローエル

穴水町まちなか再生協議会が発足

穴水町に限らず、能登地域は年々人口が減り、過疎化が深刻な問題になってきている。そうした中で、今住んでいる人たちがいかに生活しやすい町を維持していけるか。そのために穴水町の有志が結成したのが、穴水町を元気にするための「穴水町まちなか再生協議会」である。同協議会が主催するものには、町中をカヌーで巡る体験をしながらの清掃活動、のと鉄道を利用して穴水駅に降りた乗客に、駅から徒歩30分以内でまちなかの見所が回れる「まちなかお散歩マップ」の製作、毎月第2・第4土曜日に穴水町商工会横のローエル広場で行われる「ふれあいテント市」、毎年夏の終わりの風物詩として開催される「カフェ・ローエル」、毎年秋に開催している「穴水大市」にもっと活気を蘇らせようと、2016年からスタートした「まちなかハロウィンパレード」では、子供から大人までいろんな仮装をし、パレードやダンスで大いに盛り上がっている。さらに、29年度は公式「まちゼミ」を11月から12月の1ヶ月間開催。そうしたソフト面の活動と同時並行してハード面の景観や道路整備にも取り組んできている。

のとをシフトすべく邁進中

のとシフトが誕生してから7年、これまでいろんなことに取り組んできた鈴木さん、「これから定着していくものは何だろう?と考えると、カフェ・ローエルやふれあいテント市は長く続いてきていますが、少しマンネリ化している面もあることから、今年初めて参加者からアンケートを取りました。これから詳細を分析し、対応できるところは最大限やっていこうと思っています」と力を込める。穴水町で取り組んでいることの情報発信が今後の課題とも捉えている。ご多分に漏れず、穴水町においても商店街の後継者難は深刻ではあるが、そんな中でも、若い世代が戻ってきているところも散見され、若いパン職人が後を継いでいるパン屋や役場を早期退職した女性が家族と経営するカフェが昨年新しくオープンしたのは明るい話題とのこと。

のとのスローライフをキャラクターで発信!

のとりあーなポスター能登半島地震のあと、県からの補助金を活用し、穴水町のキャラクターになればとの思いで製作したのが、スローライフとスローフードを推進する穴水町を発信するキャラクター「のとりあーな」だ。右手に能登ワイン、左手には能登の可能性の芽を持ち、能登半島形の頭、片足はイタリア(スローフード発祥の地に敬意を表し)に入れているというもの。残念ながらまだ穴水町公認キャラクターのお墨付きはいただいていないものの、様々な機会にお披露目している。

 

 

穴水からのとをシフト

一口に商店街活性化と言っても、言うは易く行うは難しである。穴水町の場合は、能登半島地震からの一日も早い復興を願い、様々な人たちが業種の垣根を越えて連携し、いち早く「穴水町まちなか再生協議会」を設立して様々な取り組みを行ってきた成果が、ここへきて花開き始めている。イベントの開催はもちろんのこと、毎月1回、穴水町商工会二階に住民が参集し、積極的に自由な意見やアイデアを発言し合う「ふれ愛wakuwakuサロン」を開催している。互いにコミュニケーションを深めることで、自分たちの住む穴水が好きになり、関心を持ち、協力するといういい流れができ始めてきていることが、穴水町の強みに他ならない。こうした取り組みの舵取り役として鈴木さんの双肩にかかる町民の期待は大きい。

店舗情報

のとしふと

店名 のとシフト
住所 鳳珠郡穴水町川島イ110-1
TEL (0768)52-3645