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能登の海とバイクをこよなく愛する女性がPEACE Riders Marine Baseを創設ーPEACE Riders Marine Base

印刷用ページを表示する更新日:2018年10月9日更新

PEACE Riders Marine Base​

PEACE Riders Marine Base タイトルバナー

金沢で生まれ育った人にとって、子供の頃、夏になると家族で能登の海に海水浴に出掛けることが恒例行事になっていた家は少なくないだろう。今回ご紹介するPEACE Riders Marine Baseのオーナーである大場小都美さんにとっても、能登の海の魅力は子供心に忘れがたい思い出として脳裏に焼きつき、彼女の第二の人生を決定づけた最大の要因にもなっている。大場さんの能登の海にまつわる物語を紐解いてみよう。

料理人として成功するも・・・

大場古都美様能登の海が大好きだった大場さんにとって、もう一つ興味をそそられたのが、オートバイに乗る近所のお兄ちゃんたちの格好良さとスピード感だった。たまたま当時人気の漫画「ルパン三世」に登場する峰不二子を見て、女性ライダーもありだ、大きくなったらオートバイに乗ると心に決めて育つ。学校を卒業する頃になると、元来興味のあった料理の道に進み、金沢都ホテルに就職し、フランス料理の料理長の指導のもと、めきめきと頭角を現す。料理人は一人前になると、独立して自分の店を持ちたいと思うのが常で、彼女もそう思いつつも、フランス料理だけでなく、もっと世界中のいろんな料理を勉強したいとの欲求に駆られ、市内の料理店を転々として知識と腕を磨く。その思いの根底にあったのは、30年ぐらい前のフランス料理と言えば、フルコースで1万円以上する高価なものだったが、そうではなく、日本で言うおふくろの味的なリーズナブルで美味しいフランス料理を提供する店を持つことだった。

 

 

人生の荒波を乗り越え・・・

そんな思いを抱きつつ、さまざまな料理を勉強し、どんなオーダーにも対応できるようになってくると、後輩や料理人仲間が自分の店をオープンするにあたり、オリジナルメニューの考案や仕込みの段取り、店の運営などについてアドバイスを求められる仕事が次々と舞い込むようになり、他人の店の手伝いに追われ、自分の店を持つ夢が叶わないまま年月が流れる。そんな中で結婚し、一男二女に恵まれるも、運命のいたずらで離婚。その上、元夫の借金を背負い込む羽目に。多額の借金を女手一つで子供三人を育てながら返すのは無理とさじを投げかけたが、そんな時に子供たちの笑顔を見て、この子たちを生んだのは自分であり、一人前に育てなければ・・・。父親がいないと後ろ指をさされるような子にしてはいけない、その一念で貧乏でも楽しく暮らす道を歩み始める。まずは、10年間で完済する目標を立て、毎日1時間睡眠で、早朝から深夜まで複数の仕事を掛け持ちして必死に働き、10年で借金を完済。その時に、店はすぐ持てないが、大好きなハーレーダビットソンなら買うことができると、大型免許を取得し、憧れのハーレーを自らへのご褒美に購入する。そんなタイミングで、一人前に育った三人の子供たちから、「母さん、やりたいことあったよね。店を持ちたがっていたよね。これまでおつかれさま。やりたいことをやって」と背中を押される。


内観ー1 内観ー2

なぜ能登にライダーズベースを・・・

子供たちに背中を押された時点では、まだ能登でやることは考えてもおらず、どちらかと言えばバリ、サイパン、モルディブのような海外へ行くことを考えていたそうだ。漠然とそんなことを思っていた時期に、ハーレーに乗って能登半島を一周走ってみると、思いのほか能登半島は遠くて長くて、300kmを超える。バイク乗りは地図の通り、海に面した半島の沿岸をきれいに走りたがる習性があるため、一日では回りきれず金沢まで帰れなかった。そんな経験を重ねるうち、能登半島の先端のどこかに宿泊できるベースがあったら、次の日残りの半周をゆっくり回れるなぁと、自身のツーリング経験から痛感した。移住先としての候補地は、いずれもいつ行ってもきれいな海はあるが、日本のような四季がない。海も好きだけどスノーボードのできる冬も好きな大場さんは、やっぱり四季のあるところで暮らしたいと思うようになり、最終的に子供の頃から大好きな能登で自分の第二の人生をスタートさせることに。

内観-3

超前向きな本気度に周囲も脱帽!!

あちこち物件を探していたところ、偶然にも大好きな能登の、しかも目の前が海という最高のロケーションの物件と巡り会う。とはいえ、借金を返済したばかりで貯金もなく、開業資金はゼロ。それでも、自宅が建てた時の半額で売れれば、借金の残債を返しても1千万円は残るから、それを元手にしようと楽観的に考えていた。ところが、リフォーム工事が始まっても自宅がなかなか売れず困り果てていた最後の最後になって、ようやく売れ、住宅ローンの残債は相殺されてゼロになるも、元手もゼロに。開業資金がないため、銀行からの借入と町外から来て起業する人を支援する能登町の融資制度を活用して総額の半分を賄う。それでも実際は予定外の費用がかかり、かなりの赤字が出たが、工事に関わった地元業者の人たちが、大場さんの本気度に惚れ、払えるまで猶予してくれたという。

ライダーだけでなく地元にも愛される店に

ライダーたちにとっても、地元の人たちにとっても、PEACEに来れば実家に帰ってきたようなリラックスできる施設づくりを目指した。店名の「Bace」には、基地、本拠地、宿、食べる、遊ぶ、楽しむ、交流するといった様々な意味合いがあり、訪れた人たちにそれを体感してもらいたいとの強い思いが込められている。ライダーたちも大場さんのそんな思いに応えるように「かあちゃん、ただいま。かあちゃんのご飯食べに来たよと言って帰ってくる」と嬉しそうに語る。

ライダーのために創設したカフェと宿泊施設だが、大場さんの美味しい料理と人柄が評判を呼び、ランチの時間帯は地元の若者たちで連日賑わっている。近頃は、富山や福井からわざわざランチを食べに来るファンも。居心地がよく、心が満たされ、おなかが満たされる。おなかが満たされるというのは美味しい料理。それも高くては駄目。高くて美味しい料理はどこにでもあるが、安くて美味しい料理を提供することこそが繁盛のポイントで、その分お客さんが1品余計に頼むことができ、美味しい料理に笑顔が溢れる。これこそが大場さんが頑張れる原動力。能登の海に元気をもらい、美味しい料理と気さくなもてなしに癒され、自然とリピーターに。


内観ー4 内観ー5

次から次へとやりたいことが・・・

次はあれやりたい、これやりたいと、前向きで積極的で行動派の大場さんは休むことはなく、昨年、海が目の前にある好立地を活かしてグランピングをやりたいと考え、その際に石川県産業創出支援機構の活性化ファンドがあることを知り、その補助金を活用してグランピングの設備を導入する。近頃の若者たちは出会いの場がないことを憂い、大場さん流の婚活パーティーを開催しており、これまで5組のカップルが誕生していると言うから驚きだ。オープンから2年が経過し、何よりもお客さんが増えたことが大場さんの一番の喜びである。目の前に広がる能登の美しい海をいかに楽しんで堪能してもらうことができるか、堤防に梯子を設置し、海に降りやすくし、シュノーケルも貸し出してシュノーケリングを楽しんでもらっている。さらに、筏を作り、それをいくつか繋いで桟橋のようにすることも検討中。1年目は約2千人、2年目は約3千人が宿泊しているとのことで、今年は半年で2千人を超す勢いで伸びている。

やりたいことをやりたいようにやりたい

外観2自分を飾らず、ありのままの自分をさらけ出し、どんな人ともすぐにうち解け、旧知の親友のように親しくなってしまう、これは大場さんにしかできない特技かも知れない。なおかつ曲がったことが大嫌い。自分ひとりでやりたいことをやりたいようにやりたい、実にシンプルなポリシーであるが、これを実行できる人はそうはいないのが現実。日々いきいきと働いている大場さんの姿は、いろんな制約の中で生きている現代人にとっては羨ましい限り。能登に生まれて何十年と暮らしてきている地元の人よりも能登人らしい大場さん。能登のこの地に来るべくして生を受けたと言っても過言ではない。気持ちいいぐらいにこの地にフィットしている。ライダーたちの愛すべき能登の母ちゃんとして元気を発信してもらいたい。

 

 

 

 

店舗情報

外観-1

店名PEACE Riders Marine Base
代表者大場 小都美
住所鳳珠郡能登町越坂1-1-5
TEL0768-74-0566
URLhttp://www.tomi3peace.com