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地元に愛され、育てられ119年  地元密着のおもてなしが魅力 ー料亭・ビジネスホテル 河北亭

印刷用ページを表示する更新日:2018年10月16日更新

河北亭

地元に愛され育てられ119年  地元密着のおもてなしが魅力 -料亭・ビジネスホテル 河北亭

石川県内には、創業から100年以上の歴史を有する料亭や旅館が多くあることは知られているが、かほく市高松の街中に、明治34年の創業から119年の歴史を有する老舗の料亭・ビジネスホテル「河北亭」があると聞き、今日まで連綿と受け継がれてきた老舗の商いの心を学ぶべく、「河北亭」を訪れ、若女将の鶴見芳枝さんにお話を伺った。

かつては宿場町として栄えた高松地区

鶴見御夫妻現在のかほく市高松地区は、藩政時代には加賀と能登を結ぶ能登街道の重要な宿場町「高松宿」として栄え、往時は旅人から通行銭を徴収した「口銭場」跡が石碑に記され残っている。明治時代になると、近隣の海で大量に水揚げされるイワシを始めとした漁業で生計を立てる人たちや、家内工業の機屋が数多くでき、大いに賑わっていた。人が集まる宿場町だけに自然発生的に料理屋もかなりの数あった。そんな活気に溢れていた明治34年、機屋との取引に来る行商人や漁師たちに食事を提供する食堂としてスタートしたのが河北亭の前身「鶴屋」で、現代表の鶴見孝信氏の祖父の代に屋号が「河北亭」に変わる。孝信氏は5代目にあたり、今年創業から119年目を迎える老舗である。しかし、賑わいを見せていた街も時代の流れには逆らえず、漁業や繊維産業の衰退にともない、料理屋も次々と廃業し、現在は河北亭だけに。

代々受け継がれる女将のおもてなし

3代目にあたる養女として鶴見家に嫁いできた祖母は、大変厳しい人だったが、お客様をもてなすことに関してはノーと言わないサービス精神旺盛な女将さんで、河北亭が繁盛した立役者とのこと。若女将の母親で4代目の現女将は、3代目から接客の心得を厳しく仕込まれ、3代目のもてなしの心を受け継ぎ、それをいま若女将に日々教えているところ。「商いが続いてきた秘訣が何なのか、私自身よく分かっていませんが、祖父母の代、両親の代が商いに精進してきた結果として今日があるわけで、私たちの代で絶やすわけにはいかない、この思いで従業員一同、毎日一生懸命お客様をお迎えしています」と若女将。十年前に料理長だった父親が他界したため、そのあとをご主人の孝信氏が受け継いで今日に至る。


大宴会場 内観-1

地元の人たちの生涯と深くつながる河北亭

ランチの提供に合わせて希望すれば日帰り入浴もでき、部活動の打ち上げ、町内会の会食、会社の歓送迎会や忘新年会などさまざまな集まりに利用されている。2階にある大広間では、今でも年に2~3組程度の結婚式も挙げられているとのこと。子供が生まれて100日目のお食い初め、保育園の入園祝い、卒園祝い、小学校・中学校・高校・大学の入学や卒業祝い、社会人になると入社祝い、昇進祝い、結納、結婚式、家族の誕生祝い、快気祝い、各種法事等々と、人生の始まりから終わりまで、あらゆる場面で河北亭が地元の人たちに利用されており、これこそが地元に根付いた商いに邁進してきている証左ではないだろうか。

内観-2

3代目が料理屋から料理旅館に業態転換

若女将の父親が婿養子として鶴見家に入り、それまでの料理屋から入浴と宿泊できる部屋を作り、料理旅館として業態転換し、現在の建物は22年前に建て替えられたもの。宿泊客は地元の繊維企業の取引先が出張してきて宿泊するケースが殆どのため、リピーター客が多いとのこと。「私が子供の頃は、地元の繊維産業も隆盛期で、例えばレースの機械を納入する時は、組み立てる技術者の人たちが何ヶ月も泊まっていたので、毎日お客さんと顔を合わし、家族同然のような雰囲気の中で育った」と若女将は述懐する。残念ながら高松地区には、観光目的で訪れる場所が限られているため、観光客のウエイトは小さいが、それでも北陸新幹線が開業して2年あまりは、金沢市内でホテルが取れない、宿泊料金が高いなどの理由で、河北亭まで泊まりに来るケースがかなりあったとのこと。中には、毎年夏休みになると、高松の海がいいと京都から泊まりにくる常連客も。

お客様に教えられ助けられ、日々勉強

一日仕事をして帰ってきた宿泊客の方に少しでもリラックスしてもらえるよう若女将なりの気遣いを大切にしている。「おもてなしについては、先々代や女将の域にはまだまだですが、お客様から見て堅苦しくなく、アットホームな感じで接することを常に心掛けています。我が家に帰ったようにリラックスしていただけるように最善を尽くしています」と。10年前のリーマンショックの直後は、真っ先に削られる交際費、接待費に関わる飲食業だけに、ビジネス需要が落ち込んだものの、「あの時は本当に大変でしたが、従業員が心を一つにして地元のお客様に利用していただく回数が少しでも増えるよう、いろいろと知恵を絞り、工夫し、景気に左右されない地元の法事需要に助けられ、何とか乗り切ることができました」と振り返る。法事に出席するのは高齢者が多いため、掘り炬燵の部屋や椅子席の会場が準備できる河北亭が重宝した。さらに、階段を上るのが大変なお客様のために、2階建てにもかかわらずわざわざエレベーターを設置するという力の入れようだ。


中宴会場 内観-3

料理、施設にも配慮を忘れず

料理は新鮮な季節の旬のものを提供することをモットーに、例えば夏の時期であれば、地元かほく市の特産である「ルビーロマン」を一つ付け、お客様に喜んでもらえる心配りに留意している。ランチメニューは、働き盛りの若者からお年寄りまで、幅広いお客様のニーズに応えられるバラエティーに富んだメニュー構成に。施設の面では、先述の掘り炬燵の部屋を設け、大宴会場は椅子形式にも対応している。掘り炬燵の部屋は一番人気で、予約の際にこの部屋を指定される方も多いとのこと。お風呂は、中庭の中に独立した建物になっており、ガラス越しに庭の緑を感じながら入浴することができる。何よりの自慢は、2階の大宴会場の窓から見える日本海に沈む夕日の美しさである。

地域に恩返しできる商いに邁進

大浴場ほか長い間地元の人たちに御世話になって今日の河北亭があることへのご恩返しの思いから、若女将は地元かほく市のお祭りなどにボランティアとして参加し、運営のお手伝いをしている。ホームページで河北亭の紹介はしているが、もっと自社の魅力を発信できる形に変えていくことを課題として捉えている。一通りの料理は提供しているものの、「河北亭と言えば○○」と言える看板料理がまだないため、何か地元の食材を使った、河北亭にしかないメニューの開発にも取り組んでいく考えだ。これまで110年余も地元の人たちに愛され、育てられてきた河北亭に看板料理ができれば、鬼に金棒であり、創業150年、200年といつの時代にあっても、地元高松の人たちに「河北亭あり」と言われる地元密着の商いに一層の精進をすべく、決意を新たにする鶴見夫妻である。

店舗情報

外観

商号株式会社 河北亭
代表鶴見 孝信
住所かほく市高松ナ13番地
TEL076-281-0013
URLhttp://www.kahokutei.com/