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さいはての風土力に磨きをかけた 木ノ浦の魅力満載のおもてなし!-奥能登すず体験宿泊施設 木ノ浦ビレッジ

印刷ページ表示 更新日:2019年11月7日更新

奥能登すず体験宿泊施設 木ノ浦ビレッジ

木ノ浦ビレッジ

「さいはて」と聞いてどこを思い浮かべるだろうか。北海道の最北端や沖縄の最南端をイメージするかもしれないが、ここでご紹介するさいはては、能登半島の最北端に位置し、2015年に公開された映画「さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~」の舞台となった風光明媚な珠洲市の木ノ浦海岸である。海岸を見下ろす高台に珠洲市の奥能登すず体験宿泊施設「木ノ浦ビレッジ」がある。2019年春から指定管理業者として同施設の管理運営を担なうザ・アグラリアンテーブル合同会社の業務執行社員の足袋抜(たびぬき)豪さん、財務責任者の大澤知加さんにお話を伺った。

ダイビングのインストラクターが農業に転身!?

そもそも足袋抜さんと大澤さんは、野々市市内のダイビングショップに勤務し、スキューバダイビングのインストラクターとして、海に潜る人たちを指導したり、能登半島のダイビングスポットを案内する仕事をしていた。足袋抜さんは、そうした仕事の延長線上で水中写真家としても活躍。
木ノ浦ビレッジそんな二人が、どうして珠洲市の木ノ浦ビレッジの指定管理をしているのか?素朴な疑問が生まれる。その点から伺ってみた。

「10年あまりスキューバダイビングのインストラクターを続けてきて、同じ海に、四季を通して何年も潜り続けてきたことで、海中の環境変化を目の当たりにし、生態系の変化や水質の悪化、海藻が減ってきていることなど、いろいろと気になり始めていました。」と足袋抜さんは述懐する。

海と山は関係が深く、山の環境が悪化すれば、海の環境も悪化するという相関関係にある。そうなると、山の環境を改善しない限り海の環境は良くならない。これを何とかしたいとの強い思いが、農業への転身を後押しし、環境に負荷をかけない農業に取り組むことを決意させる。

自然をこよなく愛する足袋抜さんたちにとってはそれほど難しい決断ではなかったに違いない。

野菜定期便から始まり今は全国に出荷するまでに

木ノ浦ビレッジ農業生産法人ベジュール合同会社を設立し、足袋抜さんの故郷でもある珠洲市内に点在する耕作放棄地を借り受け、無農薬栽培の環境にもからだにもいい野菜づくりをスタートした。
年間百種類ぐらいの野菜を栽培し、「能登恵み野菜セット」と銘打ち、季節の野菜定期便を2週間に1回、顧客に送ることから手がけた。
スタッフの中に管理栄養士がいたことから、管理栄養士が作るレシピを10種類ほど作成し、野菜セットと一緒に送ることを約3年やったのち、卸販売にも対応できる大量生産可能な野菜を栽培する方向にシフト。木ノ浦ビレッジ年間を通して売れる野菜であるケールを主力商品に。

収穫したケールは、県内のどんたく、アルビス、マルエーの店頭で販売されているだけでなく、今では、全国のファミリーレストランや東京の主要百貨店に卸すまでになっている。

農業と宿泊業がリンクする可能性を直感

木ノ浦ビレッジ昨年末、それまで木ノ浦ビレッジの指定管理を行っていた会社が、2019年3月で撤退することになり、珠洲市が新しい指定管理者を公募していた。足袋抜さんは、「農業と宿泊業のリンクする部分が何かあり、農業と宿泊業が交わることで、これまでにない特徴ある宿泊施設の運営ができ、ひいては木ノ浦地区に元気をもたらせるのではないか。そんな思いで指定管理の公募に手を挙げた。」と振り返る。足袋抜さんたちの情熱が通じ、ザ・アグラリアンテーブル合同会社として、新たな指定管理業者に。とはいえ、農業に携わってきた二人に宿泊施設の運営に対する不安はなかったのかを伺うと、「宿泊業に携わるのは初めてですが、サービス業という観点で考えれば、スキューバダイビングのインストラクターの時にトレーニングを受けたさまざまなことが、そのまま役立っており、サービス業に取り組むことに全く不安はなかった」と大澤さんはきっぱり。

バラエティーに富んだ宿泊プラン

木ノ浦ビレッジ宿泊プランはスタッフが知恵を絞り、バラエティーに富んでいる。詳細はホームページで確認していただくとして、プラン名を列挙してみると、素泊まりプラン、サプライズ演出とケーキが付いた幸せで溢れる記念日プラン、酒orワインと鍋付きあったかプラン、お一人様プラン、オリジナルBBQプラン、クリスマスプラン、1日1組限定のスペシャル1DAYプラン等々ユニークなプランが並ぶ。
木ノ浦ビレッジ「夏はファミリー客やグループ客が主体ですが、冬場はカップルが多くなるので、カップルが喜びそうなプランも考えています。1年間運営してみて、落ち着いた頃には、別法人で運営している農業の収穫体験もできればと思っています。」と大澤さんは意欲的だ。

木ノ浦ならではの体験企画が人気

木ノ浦ビレッジは、体験宿泊施設と銘打っているだけに、体験企画も充実している。しかも、すべてがこの木ノ浦に関わりのあるテーマで、宿泊客からも好評を得ている。宿泊体験の概要は以下の通り。

・珪藻土ピザ窯で焼く ピザ焼き体験

木ノ浦ビレッジ 木ノ浦ビレッジ

珠洲市は日本国内で最大の珪藻土産地であり、その珪藻土製のピザ窯は遠赤外線効果が高く、おいしいピザを焼くのに最適。ピザ生地を伸ばして珠洲の食材を散りばめ、ピザ窯で3分ほどで焼き上がり、あつあつを食べることができる。

・お肌しっとりすべすべ 椿油搾り体験

木ノ浦ビレッジ

珠洲市の花にも指定されているヤブツバキ。木ノ浦地区にはたくさんの椿が自生している。その椿の種から純度100%の天然椿油を搾り、搾った油はお土産に持ち帰れる。

 

 

・煎りたて、挽きたての味 コーヒー焙煎体験

木ノ浦ビレッジ

映画「さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~」のモデルとなったのは、木ノ浦海岸の船小屋で焙煎作業を始めた二三味珈琲。そんな縁のある場所であることから、有機栽培のコーヒー豆を生豆から焙煎し、焙煎したてのコーヒー豆で一杯のコーヒーを淹れ、至福の一時を。焙煎したコーヒー豆はお土産に。

 

・木ノ浦の美しい自然を満喫 ノルディックウォーキング体験

木ノ浦ビレッジ

スキーのストックのようなポールを使って歩く運動で、足腰への負担が少なくなるだけでなく、上手に使えば全身運動にもなる。子供からお年寄りまで、幅広い年代が楽しめるアクティビティーで、絶景ポイントからの眺望がご褒美。

木ノ浦の風土力を最大限に引き出すべく知恵を絞る

木ノ浦ビレッジ

宿泊施設に付き物の課題に、週末は満室だけど、平日は空室が出るということがある。木ノ浦ビレッジにおいても、オフシーズンの平日にいかに客室を利用してもらうか、これが課題の一つ。宿泊にこだわらず女子会などのデーユースも提案していきたい考えだ。と言うのも、珠洲市内はまとまった人数で利用できる飲食店が少ないため、そうしたニーズを掘り起こしていくことも計画中。

「地元の人が日頃何気なく使っている食材、とりわけいしるに代表される発酵食品は県外の人にはとても珍しい、地域限定の食材であることに着目し、そんな観点で地元の食材にスポットを当てたメニューづくりなども工夫していきたい。」と大澤さん。ホームページのリニューアルを兼ね、ユニークな企画やプランを考え、情報発信に力を注いでいく考えだ。

木ノ浦ビレッジ足袋抜さんに今の胸の内を伺うと、「4月から入社してくれた新しいスタッフを一人前に育てることが当面の重要な仕事です。この場所を知らない方がたくさんいらっしゃるわけで、そうした人たちにいかにして知らしめ、来ていただくか、そのための仕掛け、取り組みを今年度内にしっかりと構築したいと考えています。並行して農業と宿泊をコラボさせたプランなども考えていきたいですね。立地環境は素晴らしいだけに、木ノ浦ビレッジのみならず、周辺も含めて元気にしていきたい。」と取材を結ぶ。
木ノ浦ビレッジモノがありあまっている現代社会にあって、近くにコンビニもなく、食料品の買い出しは車で30分走らないとスーパーもない。まるで山小屋で生活するかのような、便利な時代に敢えて不便さを楽しむことが、最大の贅沢なのかもしれない。木ノ浦のあるがままのさいはての自然の中で、日本海の波音をBGMに聴きながら、日々のストレスから解き放たれてみませんか?

店舗情報

木ノ浦ビレッジ
社 名

ザ・アグラリアンテーブル合同会社
(木ノ浦ビレッジ)

代 表 足袋抜 豪 業務執行社員
住 所 珠洲市折戸町ホ部25-1
TEL 0768-86-2014
URL https://kinoura-village.com/