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「さいはて」と聞いてどこを思い浮かべるだろうか。北海道の最北端や沖縄の最南端をイメージするかもしれないが、ここでご紹介するさいはては、能登半島の最北端に位置し、2015年に公開された映画「さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~」の舞台となった風光明媚な珠洲市の木ノ浦海岸である。海岸を見下ろす高台に珠洲市の奥能登すず体験宿泊施設「木ノ浦ビレッジ」がある。2019年春から指定管理業者として同施設の管理運営を担なうザ・アグラリアンテーブル合同会社の業務執行社員の足袋抜(たびぬき)豪さん、財務責任者の大澤知加さんにお話を伺った。
「10年あまりスキューバダイビングのインストラクターを続けてきて、同じ海に、四季を通して何年も潜り続けてきたことで、海中の環境変化を目の当たりにし、生態系の変化や水質の悪化、海藻が減ってきていることなど、いろいろと気になり始めていました。」と足袋抜さんは述懐する。
海と山は関係が深く、山の環境が悪化すれば、海の環境も悪化するという相関関係にある。そうなると、山の環境を改善しない限り海の環境は良くならない。これを何とかしたいとの強い思いが、農業への転身を後押しし、環境に負荷をかけない農業に取り組むことを決意させる。
自然をこよなく愛する足袋抜さんたちにとってはそれほど難しい決断ではなかったに違いない。
収穫したケールは、県内のどんたく、アルビス、マルエーの店頭で販売されているだけでなく、今では、全国のファミリーレストランや東京の主要百貨店に卸すまでになっている。
木ノ浦ビレッジは、体験宿泊施設と銘打っているだけに、体験企画も充実している。しかも、すべてがこの木ノ浦に関わりのあるテーマで、宿泊客からも好評を得ている。宿泊体験の概要は以下の通り。
・珪藻土ピザ窯で焼く ピザ焼き体験
珠洲市は日本国内で最大の珪藻土産地であり、その珪藻土製のピザ窯は遠赤外線効果が高く、おいしいピザを焼くのに最適。ピザ生地を伸ばして珠洲の食材を散りばめ、ピザ窯で3分ほどで焼き上がり、あつあつを食べることができる。
・お肌しっとりすべすべ 椿油搾り体験
珠洲市の花にも指定されているヤブツバキ。木ノ浦地区にはたくさんの椿が自生している。その椿の種から純度100%の天然椿油を搾り、搾った油はお土産に持ち帰れる。
・煎りたて、挽きたての味 コーヒー焙煎体験
映画「さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~」のモデルとなったのは、木ノ浦海岸の船小屋で焙煎作業を始めた二三味珈琲。そんな縁のある場所であることから、有機栽培のコーヒー豆を生豆から焙煎し、焙煎したてのコーヒー豆で一杯のコーヒーを淹れ、至福の一時を。焙煎したコーヒー豆はお土産に。
・木ノ浦の美しい自然を満喫 ノルディックウォーキング体験
スキーのストックのようなポールを使って歩く運動で、足腰への負担が少なくなるだけでなく、上手に使えば全身運動にもなる。子供からお年寄りまで、幅広い年代が楽しめるアクティビティーで、絶景ポイントからの眺望がご褒美。
宿泊施設に付き物の課題に、週末は満室だけど、平日は空室が出るということがある。木ノ浦ビレッジにおいても、オフシーズンの平日にいかに客室を利用してもらうか、これが課題の一つ。宿泊にこだわらず女子会などのデーユースも提案していきたい考えだ。と言うのも、珠洲市内はまとまった人数で利用できる飲食店が少ないため、そうしたニーズを掘り起こしていくことも計画中。
「地元の人が日頃何気なく使っている食材、とりわけいしるに代表される発酵食品は県外の人にはとても珍しい、地域限定の食材であることに着目し、そんな観点で地元の食材にスポットを当てたメニューづくりなども工夫していきたい。」と大澤さん。ホームページのリニューアルを兼ね、ユニークな企画やプランを考え、情報発信に力を注いでいく考えだ。
社 名 |
ザ・アグラリアンテーブル合同会社 |
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代 表 | 足袋抜 豪 業務執行社員 |
住 所 | 珠洲市折戸町ホ部25-1 |
TEL | 0768-86-2014 |
URL | https://kinoura-village.com/ |