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鶴来の町と人に惚れ込んだ移住者が、 賑わい創出に資するラーメン店を開店! ラーメン食堂996Biker‘s

印刷用ページを表示する更新日:2020年9月25日更新

ラーメン食堂996Biker‘s

ラーメン食堂996Biker‘s

白山市鶴来新町の一角に、アイディアと工夫が詰まったラーメン店がオープンした。
かつて醤油店だった築130年の古い蔵付きの建物に、「ラーメン食堂996Biker‘s」の赤い暖簾が掲げられている。
この店のオーナーである愛知県出身の澤田一郎さんが、どうして鶴来でラーメン店を開店するに至ったのか、そのいきさつと店づくりに対する思いを伺った。

 

鶴来に辿り着いた経緯

黙って座っていると、なかなかの威圧感を感じる立派な体格と風貌の澤田さんだが、いざ話し始めると、包み隠さず自身について語る熱きハートの持ち主。お店に伺うまでは、てっきり地元の人が店を始めたものと思っていたが、何と澤田さんは愛知県で生まれ育った。
そんな澤田さんがどうして石川県のしかも鶴来でラーメン店を?と不思議な思いを抱き、ここに至った経緯を伺うと、「石川県に移住してきて、最初は金沢市内に家を買って住んだが、どうもしっくりとせず、海に近い羽咋市に引っ越しました。しばらく暮らしてみたものの、自分が求めている環境とは違うと感じ、それなら山に住んでみようと思い立ち、鶴来の街に物件を見に来た時に、ここだと瞬時に気に入り家を買いました。」と述懐する。
澤田さんは、持ち前の前向きな性格で地元の人たちの懐に入り込む努力をした結果、鶴来に溶け込むのにそれほど時間は要しなかった。「鶴来はとてもいい所で住みやすく、ここが一番と定住することを決めました。本当に気に入ったことから母親も愛知から呼び寄せ、鶴来暮らしも6年目になるかなぁ・・・。」と笑顔で語る。

ラーメン食堂996Biker‘s

 ラーメン食堂996Biker‘s

 

鶴来でラーメン店を始めたきっかけ

ある時、長年醤油店を営んでいた近所のおばあちゃんが、「年金だけでは暮らしていけないし、かと言って子供たちに迷惑はかけられない。」と話しを聞き、何とかしたいと思った澤田さんは、役場に相談に行くなど親身になって世話をやき、近くの介護施設に入居できるようにした。
このことが縁で、店舗跡の有効活用を託されることに。
何をしたものかと考える中で、知り合いになった地元の人たちから「鶴来には昼も夜も、気軽にごはんを食べる店がない」と聞かさていたことを思い出し、それならここで敷居の低いラーメン店をやって、少しでも困っている人たちの役に立てればと思い立つ。とはいえ、建物の老朽化か激しく、水回りはほとんど使えない状態だったことから、これまで解体業の経験もある澤田さんは、コストを押さえるため自力で改装工事を始める。「そんな自分の姿を見た知人の中には、ボランティア同然で電気工事を手伝ってくれる人もいて、本当にありがたかった。」と振り返る。

 

ラーメン店=修業!?

ラーメン店をやるとなれば、当然の事ながら有名店に修業に行くのが普通の考え。とはいえ、今からラーメン店に修業に行くのは、年齢的にも体力的にも現実的でない上にそんな時間的な余裕はない。
その点について、澤田さんの頭の中に合理的な方程式が閃く。それは、ラーメン店での修業の厳しさは並大抵でなく、その苦労に耐えられた人は独立して自分の店を持つが、そうでない場合は挫折して辞めていく。つまり、人の教育が大変。とりわけ仕込みに何時間も要するから大変なわけで、それなら簡単にスープができるラーメン店にすればいいと。早速、これまでの経験や人脈、知恵を駆使し、わずか2時間でスープができるオリジナルの方法を編み出す。

ラーメン食堂996Biker‘s ラーメン食堂996Biker‘s  

 

2時間で開店準備ができるスープづくり

2時間でスープが完成するやり方の秘密とは、プロが使う中華料理の固形出汁でベースとなるスープを取り、そこに白山さんの霊水で作った昆布出汁とかつお出汁をブレンドし、澤田さん独自の隠し味をプラスすることである。時短に取り組む中でも、麺は京都の老舗製麺店に自店オリジナルの麺をオーダーするなどこだわりも忘れない。
こうしたたゆまぬ努力によって、人手も時間もかけず美味しいラーメンが完成する。
ラーメン食堂996Biker‘s
昔懐かしいほんのりと甘さを感じるスープが特徴で、また食べたくなるいわゆる癖になる味を追求している。とはいえ、一杯500円でラーメンを販売して利益が出るか、ましてや学生ラーメン300円では利益が出ないどころか赤字である。
「儲けることよりも、地元の人たちに喜んでもらうことが自分のやり甲斐であり、コストを徹底して抑えつつ、合格点がもらえるラーメンを提供していきたい。」と熱く語る。
通常のメニューとは別に、大食いチャレンジと銘打ち、麺8玉スープ1月5日リットルを制限時間18分で食べ終えると、飲食代が無料になる上に賞金3000円がもらえる。ただし失敗すると2000円のお支払いが待っている。さらに激辛チャレンジ賞金3000円もあり、これまでの成功者は3人のみとか。是非チャレンジしてみて欲しい。
ちなみに店名には、157号線をツーリングするライダーに気軽に立ち寄ってもらいたいとの思いが込められており、バイクの駐車場も完備。数字の996は、澤田さんの愛車ポルシェ996に由来している。

 

コロナ禍を乗り切る対策

新型コロナウイルスの感染が広がり、休業要請が出た時は45日間休業し、その後再開したものの、来店客数はそれまでの半分以下となり、売上も大幅に減少している。
それでも、スープの仕込み量や麺の仕入量を調整し、低価格を維持したままラーメンを提供している。コロナ対策として、当初はお客さんが紙に注文メニューを書き、その場で精算してお釣りを渡していたが、休業期間中に券売機を導入し、手渡しの接触をなくすと共に、カウンター席にはアクリル板の間仕切りを設置。いくつかある和室は、家族やグループが個室感覚で安心して食事できるよう工夫している。
店でのラーメン提供と並行して自家製弁当やラーメンの宅配も試行している。
ラーメン食堂のファンであるお年寄りの中には、わざわざ自分で店までラーメンを取りに来て、自宅に持ち帰ってゆっくり食べるのを楽しみにしている常連さんもいるそうで、そのようなお客さんを見ていて、澤田さんは本格的に宅配することを決意した様子。
店内はバリアフリーにも対応していて、ここへ来てラーメンを食べるのを楽しみに訪れる車椅子のお年寄りもいるとのことで、地元になくてはならないお店として、開店から1年足らずで鶴来の街に溶け込み始めている。
ラーメン食堂996Biker‘s ラーメン食堂996Biker‘s

テイクアウトとレンタルスペースに活路

ラーメン食堂996Biker‘s来店客数の戻りがなかなか見えてこないことから、この9月から本格的にテイクアウトをスタートさせる。石川県の新分野チャレンジ緊急支援費補助金を申請し、宅配用の軽トラックと三輪バイクを購入した。
飲食店の出前サービス業者もさすがに鶴来までは来ないため、自分が代わりにやってやろうとデリバリーに本格的に取り組むことに。
「人生で初めて行政の補助金を申請したが、現状を打破し、次なる一手を打つにあたって、背中を押してくれる行政の手厚い支援は本当にありがたい。」と顔をほころばす。これまで使っていなかった蔵の中を改装し、当初はカラオケルームにする予定で、天井にミラーボールまで設置したが、長引くコロナ禍にあるため、当分は、近所の人たちが安心して食事できる個室スペースとして、あるいは地元の人たちがソーシャルディスタンスを保ちながら集えるコミュニティースペースとして活用していく考えだ。「大好きな鶴来で、少しでも地元の人たちに喜ばれる、ちょっと寄りたくなる店になっていくよう頑張っていきたい。」と、澤田さんは熱い鶴来愛で取材を結ぶ。

 

店舗情報

ラーメン食堂996Biker‘s

 
社名ラーメン食堂996Biker‘s
代表澤田一郎(店長 山本玲衣)
住所白山市鶴来新町タ89番地1
TEL076-272-0102
URLhttps://996.business.site/​ 
Twitter「@996biker」で検索
営業時間午前11時~午後3時 水曜定休​